藤田嗣治展にて

先月の終わりに、

やっと観覧できた藤田画伯の展覧会。

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活動期の年表を眺めながら、

戦前にパリへ渡り、絵画を学びながら模索していた藤田氏。

日本男子が一番生きづらい時代に、

パリで、画家として、芸術家としての活動を謳歌されてたんだなあと。。。

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当時の日本人画家の作品が、ゴッホ風だったり、ピカソ風だったり、

欧米の画家の作品の影響を色濃く受けてた画風が多い中で、

”乳白色の肌”という確固たるスタイルを表現し、

人気を博した日本人画家、藤田嗣治氏。

時代性や画風、キャラクターなど様々な要素が絡み合い、

戦前、戦中、戦後と、

日本からバッシングを受け続けた藤田画伯。

ついに日本を脱し、フランスに帰化したけれど、

その生活や制作活動の姿勢は、日本人気質に溢れるものだった。

渇望するほどの望郷の思いが、

パリ郊外の小さな農家での、

質素で清々しい暮らしぶりから読み取れる。。。



今だったら、当時ほどに世間から誹謗中傷されなかっただろうか。

・・・・どうかな・・・。

そういうのが、国を問わず、”世間の声”とされるものなのかもしれない。。。




迷いの中から生み出された教会のフラスコ画、

教会の模型、十字架像などの祈りのかたち。

でも、やっぱり一番好きだなと思うのは、

藤田画伯の描く猫たち、動物たち。

彼らの何と生き生き、ふさふさ、もふもふしていることか。。。

猫好きの浮世絵画家の歌川国芳のように、

懐の中に猫を入れている自画像もあった。

ワタシ的な好みとしては、

あの辺りの画風を、もっと究めてほしかったなあ。。。

でも、藤田氏の”迷いの中南米の旅”(勝手な私の感想)の中でも、

メキシコで描かれた”狐売りの男”の絵は秀逸だと思う。

紙に水彩で描かれたものだけど、

藤田作品の中では一番好きな絵かもしれない。


近年になってやっと再認識、再評価されたそうなので、

まだこれからの評価もどんどん変わっていきそうな気がする。












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by nazunanet | 2018-10-07 23:45 | art、 music,movie,etc | Comments(0)
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浅草雷門のそばの浅草文化観光センターの7階で開催中の

相馬紳二郎さんのグループ展に行ってきました。

今日は久しぶりの鋭い暑さが戻ってきて、

雷門前の交差点は外国人観光客と、

人力車のおにーさん達でごった返していて、

日差しがジリジリと肌に痛いくらい。


観光センターの7階で開催されている五人の靴職人による展示会。

どの職人さんも個性的で、面白い作品が並んでいる。

7年ごとの開催の五人展は今年で三回目。

前回から七年も経ってるんだなあ。。。


2008年の千葉のアースデイで相馬紳二郎さんの展示を拝見して以来、

ショルダーバッグやベルト、革座布団などをオーダー。

メンズ色が強い相馬さんの靴だけど、

サンダルは男性女性を問わず人気の品。

いつか注文してみたい。

ハイカットシューズも相馬さんならではのデザインと味わいがある。

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ネパールの手すき紙に写真を貼ったカタログ、

旅の相棒を務めてきた風雨にさらされたバッグ、

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仕事道具が無造作に置かれている風情、

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展示スペースの僅かな中にも相馬さんのセンスに溢れている。

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ご自身の靴。

履き込まれてクタクタになった味のあるハイカット。


靴底に廃品タイヤを使うのもオリジナル。

鞄や財布やトタンのチリトリや皿など、

唯一無二の物づくりをされている。


鞄や財布はワタシも同業なのだけど、

クラフト市や展示会へ行っても、

最近は同じようデザインのものに思えてしまって、

使ってみたい、欲しいと思う機会が殆どない私にとって、

相馬さんの作品はどこにもないもの。

ぜひ手にしたいなと思ってしまう。

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初めて作品の展示を見たときから、

誰のマネでもないオリジナルを追及されている

物づくりの姿勢や暮らしかたなど、

とても尊敬している作家さんです。



明日9日までだけど、是非一度見て頂きたいなと思う。。。

浅草文化観光センター7階
03-3842-5501

展示は10時から18時まで。


(今回、連れて帰って来た作品の写真はまた次回載せます。。。)



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by nazunanet | 2018-09-08 21:17 | クラフト | Comments(0)
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戦前の写真芸術を見る。

展示されているのは、内外の作品。

風景や商業写真や人物など多彩。

デジタルカメラが主流の今、こうしてフィルムに焼き付けられた写真を見ていると、

やはり「芸術写真」という言葉が沸き起こってくる。

「アート」じゃない。「芸術写真」。。。

陶磁器の焼き物のように、登り窯の炎をくぐって生み出されるように、

フィルムやガラスに光によって焼き付けられ、

化学薬品や銀の液体をくぐり、現れ出る画像。

それは時間や光や化学反応や手の仕事を通って、

意図せず偶然に生み出されるものでもある。

あとで修正や加工が可能な現代写真において、

この時代の写真は絵画と同等の価値にもなってくるんじゃないのか、と思ったりも。

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展示会場の外の2階に、置かれていた”携帯暗室"

"portable Dark room”という。1877年 明治10年頃のもの。

制作者は不明。上野彦馬旧蔵 長崎歴史文化博物館の所蔵とある。。。

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手製の金属を溶接して作った箱には、布団や夜具に使われていたと思われる古布が。

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この布をすっぽり身体ごとかぶって、

暗闇の中で手さぐりで現像やプリントやしていたのだと思う。

よく作ったなあ、と感心してしまう。

ところどころの継ぎはぎは写真家の奥さんが施したのかな、と想像したり。

こういうものが現存しているのは実に面白い。。。






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by nazunanet | 2018-05-04 22:53 | art、 music,movie,etc | Comments(0)
イタリア旅行のあとは、フランス・パリへの旅もオリンパスを伴って。

パリは朝市で買い物したり、

朝一番でバゲットを買いに行ったりしたかったので、

ホテルではなく、憧れのアパルトマンを借りての旅。

毎日マルシェやスーパーで買い物して台所で食事を作っていたので、

夕方になると、「市場が閉まるから早く戻らなくちゃ!」と、

ちょっとせわしなかった。(笑)

でも、市場で地元の人たちとの会話も楽しくて。

パリの人達はイジワルだと聞いていたけど、皆とても親切だった。

泊まっていたのはサンジェルマン・デ・プレのアパルトマン。

裏にはサン・シュルピス教会があって、

ちょっとしたミラクルな出来事も。。。(それはまた今度に。)

フランスかぶれしていた頃だったので、

念願のパリ旅行に鼻息も荒かった。(笑)

もう言うこと無しの旅だった。

朝一番のバゲットやクロワッサンを買って、カフェオレを作る。

まさに絵に描いたようなパリ生活の毎日だったけど、

旅行したら一気にフランスかぶれの熱がパタリと収まった。。。

日本で長らく想像していた憧れの都・パリでは全く無かった。。。

当時のパリの若者たちは、誰もかれもがアメリカかぶれ(?)していて、

可憐でおしゃれなパリジェンヌなんていなかった。

信号無視の車を足で蹴飛ばして歩くパリジェンヌ。

カフェで座っていると、そんな旅行客の舶来もののタバコをせがむ女の子たち。。。

そんな光景を目の当たりにして、私の長年の”パリ幻想”が幕を閉じて、

やっぱり日本が一番お洒落で女の子も可愛くて、

街もお店もトイレ(ホントに!)も、どこもかしこも美しいと、

日本の良さがはっきり見えてしまった。


ずっと子供の時からヨーロッパで暮らしたい憧れがあったけど、

いやいや、暮すのは日本が世界で一番じゃないのかな、と。

淡い憧れはさっぱり消えて無くなってしまい。。。

アンティークな建物のアパルトマンは、

お風呂のお湯をちょっと多めに使っただけで水漏れして、

階下のレストランから「ノン、ノン!」と大激怒されて、

部屋のオーナーに修理を頼んだら

「すぐ修理に向かう」と電話で言っていたのに、

来たのは3日後。。。

「すぐ」というのは日本と外国じゃ、こんなに時間差があると知ったショック。

水回りもサービスも、やっぱり日本が一番なんだなと。。。


でも、でも。。。

やはり、日本にはない魅力がある。。。

やっぱり捨てがたいパリ。

やっぱり、日本の当たり前のようにある便利さの他は、

何もかもがあるのがパリ。。。

また暮すような旅をしてみたい。



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これはベルサイユ宮殿での一枚。

モノクロームの濃淡は、デジタルカメラでは出せない色。。。



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by nazunanet | 2018-05-04 02:31 | 旅と街歩き | Comments(0)
先日、富士フィルムがモノクロームフィルムの生産を終了したという。

富士フィルムの他にもフィルムは作られているけど、

無くなっていくんだな、とちょっと感慨深いニュースだった。

子供の頃、父親が持っていた一眼レフカメラーオリンパスOM1。

それを譲り受けたあと、大人になってもずっと使っていた。

さすがに経年でレンズ内部がカビで劣化してしまったのちには、

ダンナさんが譲ってくれた同じ機種のカメラを旅先に必ず携帯。

そしてフィルムはやはりモノクロームで。

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旅先で撮影しても、デジタルと違ってどんな風に撮れているのか、

現像してみないと分からない。

カメラ屋さんでネガを受け取るときのドキドキ感。。。


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自分でフィルムを印画紙に焼き付ける。

空を少し焼き込む、黒をぐっと締めるなど、

撮るだけでなく自分でイメージ通りに仕上げていくのが魅力だった。


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イタリア・ローマに滞在した際、

ナポリとポンペイにバス観光へ。

途中、バスの運転手さんが高速で何度も居眠り運転しているのに気づいたときは、

かなりの恐怖だった。。。

ポンペイは写真を撮るのに夢中で、

せっかくガイドしてくれた人の話しも上の空。。。


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イタリアはどこへ行っても、絵になる、というか写真映えする。。。

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カラーも一応おさえておく。。。

今は観光客でごった返しのスペイン広場だけど、

当時は静かな風景が広がっていて、

コロッセオの中は地域猫たちがわんさか。

イタリアは人は勿論のこと(嬉)、

猫たちがとても人懐っこい。(笑)

ローマでもトスカーナでも、自由猫たちが肩によじ登ってゴロゴロと懐いてくれる。

連れて帰りたくなるほどに。。。


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トスカーナの小さな町、アッシジ。

フランチェスコ修道院で有名な中世のままの町。

静かな石畳の小路。

聖フランチェスコも思索しながら歩いたのだろうか。。。



昔、F・ゼッフィレッリ監督の「ブラザーサン・シスタームーン」を観て、

一度行ってみたかったアッシジのフランチェスコ修道院。

ジオットのフレスコ画が見事だった。

その後の大地震でひどく損壊されたけど、修復されたということで安堵。。。

フランチェスコ修道院と向き合うように、

一本道の奥にはセント・キアーラ女子修道院が。


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眠るように横たわる聖キアーラ(クララ)の美しかったこと。



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通りにある古いステーショナリーのお店の風情や、

カフェやレストランのこじんまりとした佇まい。

喧噪の都市ローマよりもアッシジに滞在したかったと思ったほど素敵なところ。


イタリアは、すべてが素晴らしく美しい国。

どこを切り取っても絵になるけれど、

また旅することが出来たら、

フィルムカメラを持っていって、

一枚一枚、じっくり撮影したい。

そして、また自分でプリントして仕上げてみたいと思う。。。




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by nazunanet | 2018-05-04 02:26 | art、 music,movie,etc | Comments(0)

記述していた国芳の猫絵。


ポストカードをスキャンしたので、画像をアップ。


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これは上野の国立博物館のギャラリーショップで
見つけた国芳の「鼠よけの猫」のカード。


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国芳の名作”猫飼好五十三疋”のカードは

没後150年記念の展覧会のあった森美術館で。

 

お気に入りの猫や動物のカードが増えてきて、カードケースがたまっていく。


ギャラリーだけでなく、アンティークのカードも探したりもする。

今には無いデザインのものや、

丁寧な細密絵の猫やうさぎのものが可愛くて。

カード集めはやめられない。。。



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by nazunanet | 2018-02-13 20:11 | art、 music,movie,etc | Comments(0)

09. 師走(FRI) 晴れ

竹橋の美術館へ「熊谷守一展」へGO!


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初期からの作品が展示されているので、

晩年のあの画風になっていく過程を見ることができる。

光が後ろから当る、逆光での光のラインが

あの赤い線で表わされていたんだなと分かる。


暗闇の中に浮かび上がった女性の屍「轢死体」の絵。

その後も何度も登場するモチーフ。

目の当りにした人間の死、肉体、魂、魂の容れ物としての肉体。。。


実子の死にも何度も遭遇し、その死を描くことの苦悩。

それらの思いなどが吐露された記述。

その後、晩年に暮らした木造屋の庭で、生き物、雨、猫を写していく守一。

猫をことさら可愛がっていた様子が、絵に現れている。

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初期の作品の綿密な絵から、晩年の赤い線で輪郭を描き、

単純化、まるで記号化されたような絵へと変っていく。

単純化された絵だけど、何度もスケッチを繰り返し、

何度も繰り替えし同じモチーフを描き続ける姿勢。

そのこだわり。

庭を観察し続けての有名な言葉、

「蟻は左の2番目の足から歩き始める」

どれだけ観察しても、それを見つけられるのは至難の技。

水たまりに落ちる雨の雫がはねて王冠をつくる様子を、

(ミルクが滴り落ちて、ミルククラウンが出来るような)

高速度カメラでスローモーションを撮影したような絵を描いている。

単純化された絵だとしても綿密なスケッチを何枚も繰り返したであろう、

その絵からは、雨粒が落ちて跳ねる様子がまざまざと感じられる。

 

海岸線、砂浜、海、動物、蛙、猫、シンプルな輪郭線、

少ない色数の中でも、選び抜かれた色と、

丁寧に塗り重ねられた画面は眺めるだけでも心地よい。


辛い経験や戦争の只中でも病で外へ思うように出かけられなくても、

身近なものを対象に、生き物、いのちの本質を描き続けた守一。


丁寧に描かれた輪郭線が、どこかミッフィーの面影を感じてしまった。。。

PCで簡単にトレースするイラストレーターが多い時代に、

丁寧に丁寧に筆で描くブルーナさん。

印刷する上で、指定した色が正確に表現されるように、

色数と種類を決めて組み合わせながら制作していったブルーナの絵と、

光と影を追い求め、光の輪郭線を描き続けた熊谷守一の絵。

スラスラッと適当に描いたのでは決して出来ないラインと色。

心和むという点で、猫やカエルや蟻などの小さな生き物たちを描いた絵を見ているうちに、

ブルーナさんの絵をちょっと彷佛としてしまった。

 

生前の守一の私物が公開されていた中で、

光を照らすためのランプなどの他に、

ネジや金具や豆電球などが雑多に入った箱もあった。

私の道具箱と全く同じようなものが展示されていて、何か親近感さえ感じてしまった。

 

我が家のベランダの小さな植木鉢の野花や水盤、

そこへやってくる小鳥たちの観察の楽しさを知っているので、

守一がどれほど嬉々として蟻やカエルや猫たちを描いていたかが分かる。。。

自宅アトリエの美術館にも足を運んでみたい。。。

 

美術館の所蔵品展示の会場も見に行く。

つくづくと、日本の洋画の画壇の主流が

海外の有名画家の影響が多大なんだなと。。。

オリジナリティを追求している画家の多くが、

派閥や画壇から抜け出しているのでは、とも思う。

権威あるところから認められてデビューも出来るし、注目も受けるし、

また仕事としても成り立って行くのだろうけど、

芸術家としての制作と、

ビジネス的アート制作は別のところにあるんだろうな、と思ったりも。。。


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”眺めのいい部屋”から皇居の森を臨む。

展示会場を後にして、ギャラリーショップでポストカードを選ぶ。

猫絵のカードはコレクションにしている。

ポストカードはよく使うけど、猫カードは使えない。(笑)



P.S.

東京国立近代美術館。2階に”ミクニ”のカフェがあったけど、早々に営業終了になっていて、

展覧会を廻って喉がカラカラなのに他にドリンクコーナーも無く。。。

冷却水で飲むのも何だか。。。

そこかしこに結構広々としたスペースがあるのになあ。

バチカンの美術館でさえ、気軽に利用できる学食のようなカフェテリアがあったのに、

最近の都内の有名美術館や博物館のカフェは、

色んなニーズに向けて作ればいいのになあ、と思う。

ランチやティータイムを悠々と優雅に過ごせるカフェと、

学生さんや子供連れの家族が気軽に利用できるカフェ。

両方があったら、もっと外国人観光客もやって来れると思う。

東京は外国や地方にくらべると何でも割高傾向にあるし。。。

どこも”ハコもの”は立派だけど、

ゆったり心地よく過すための何かが大いに足りない。。。

”おもてなし”とは何ぞや、などと思いつつ、会場を後にする。(笑)

 

どこかで休憩したいけど、美術館を出たらあまりに殺風景で

憩いの場所があるとは思えない。。。


ふと、毎日新聞社が目に入った。

あのビルに行ってみるべし。

中に入ったことはないけど、思いのほか飲食店が並んでいる。

ファスト系のカフェも幾つかある。

ふと、スタバを覗くと店じまいかと思うほどお客さんがいない。

椅子もソファー席も選び放題。

ウチの近所に3軒~4軒もスタバがあるのに、これまでどこも座れたためしがない。

それなのに。。。ここは穴場なのかも。。。


美術館や博物館を廻って、見た感想などを話しつつ、

ゆっくりくつろげるってイイね。

そんな場所が、”ハコもの”の中にもっとあったらいいのにね。。。


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by nazunanet | 2018-02-13 20:04 | art、 music,movie,etc | Comments(0)

2011年、没後150年歌川国芳の展覧会で国芳ブームに。

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これまでは原宿にある浮世絵の美術館など小さなギャラリーで、

間近に版画がゆったり余裕で観覧できたけど、

大人気の今では大きな美術館で、

版画などの小さな作品を、

押し合いへしあいで観覧するようになってきた。


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豊洲のギャラリーでの国芳の猫絵の展覧会も楽しかった。

猫人形の作家さんの作品も一緒に展示されてたり、

当時購入した図録もお気に入り。


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猫展はギャラリーショップのポストカードに群がってしまう。

様々な展覧会で集めに集めた浮世絵や絵画作品の

猫絵葉書コレクションがいっぱい。。。(喜)



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国芳は着物の上に羽織った綿入れ半纏の懐に、

猫を抱えながら絵を描いていたほどの大の猫好き。

お気に入りは、鼠避けの猫絵と、金魚を狙う猫、

猫飼好五十三疋の図が素晴らしい。

(後日、画像をアップします)


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2015年の6月から9月に、丸の内、三菱一号館美術館での画鬼暁斎展。


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暁斎のエネルギッシュな作品は見ているだけで気持ち良い。

三菱一号館美術館での展示はロケーションもgood。

展示作品の中に春画があって、そこはR18で青少年は見れないコーナーに。

中を覗くと熱気むんむんで熱心に見ているのは殆どがご婦人方。

殿方連中は端に追いやられていたのがおかしかった。



暁斎が毎日つけていた絵日記がなんともいえない味があって。

絵日記、出版されたらいいのになあ、と思う。

絵日記に登場するのは、毎日ひっきりなしにやってくる客人の

手土産など到来物にはハンコを作って押していたり。

そのハンコが可愛いの。

これはギャラリーショップで売っていたハンコのピンズ。


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これを見たら、もう即、買いです。。。


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その2年後には渋谷のBunkamuraミュージアムでも暁斎展。

やっぱり大人気。


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こういう大衆向けの浮世絵は面白い。

お武家好みの大画家の日本画も良いけれど、

日本は古来から庶民の芸術文化が発展していて、

それは世界的に見ても稀有なことだそう。

欧米では芸術は権力者、上流階級のものであって、

中世では庶民の中では芸術、美術は生まれ得なかったのだそうで。。。

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妖怪画も展覧会があると聞くと、こぞって出かけてました。

現代の妖怪画家はもちろん水木しげる氏。

鬼太郎、大好き。

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なんといっても、これまで列挙した画伯の創作の源は、

平安文化が花開いた頃の、

この絵巻物から始まっているはず。。。

鳥獣戯画といい、百鬼夜行絵巻といい、浮世絵といい、

日本の絵画は面白い。



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by nazunanet | 2018-01-30 18:30 | art、 music,movie,etc | Comments(0)

岡本太郎と縄文

2011年の岡本太郎の展覧会。

今、振り返ると、東日本大地震で混乱の真っただ中。

岡本太郎氏のエネルギーが来場者に勇気を与えてくれた気がする。。。


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フランス留学した岡本氏は、その後縄文土器から

インスピレーションを得ていく。

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規格にとどまらす多岐にわたる岡本氏の芸術活動の様子が展示されていて、

言葉の一つ一つがまた芸術だった。

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アヴァンギャルドなポップアートと同じくくりの中へ入れられてる感もあるけど、

ものすごく原点回帰の、ある意味ル・ネッサンス。。。

縄文、そして地母神的な大自然へも。

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こんなフォルムや、表情が岡本太郎氏の作品とリンクする。


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当時、展覧会会場で大人気のガチャガチャでゲットしたもの。

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これをカラフルにしたら、まさにタロウワールド。


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古代の縄文人の火焔型土器の装飾は、何をモチーフに象ったのだろう。

長い長い年月、何万年もの間に

育まれていく生活様式と文化、死生観と美意識。

過酷な自然と対峙したとき、

自分たちを取り巻く環境を安楽なものに変えようとしたのではなく、

困難に耐える心を成長させていった森の人々。。。

生活そのものの中に、美と芸術があり、

それを高らかに、謳い上げる必要など無かったんだと想像する。

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岡本太郎氏が縄文文化を着目し、

世の人々の再確認を促した功績は計り知れないと思う。



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by nazunanet | 2018-01-30 18:29 | art、 music,movie,etc | Comments(0)

夜ごはんのあと、録画しておいた映画を鑑賞。


ルキノ・ヴィスコンティ祭りを開催。

 

高校生の頃から大好きだったヴィスコンティやフェリーニの映画。

名画座で上映があると、授業が終わってから急いで梅田の名画座に走ったものだった。

最終上映に間に合ったけど、満員で座れなくて、

通路も後ろも全部立ち見。人々の頭の隙間からなんとか見れる程度。

そんなに大昔のことじゃないけど、人気の娯楽大作のロードショーでは、

映画館で立ち見が出るのはよくある光景だった。

 

近年は映画館は結構空いているらしい。

小さな頃から映画館に通って、

大人になってから週に最低でも1本は観に行っていたくらい大好きだった私でさえも、

この頃はずいぶん映画館に行っていない。。。

 

ものすごく観たいと思う作品がなかったり(見つからなかったり)、

犯罪ものや悲惨な話しは辛いし、結構好きだったホラーやサスペンスものも、

最近は怖いのは苦手になって見に行けない。

全編CGばかりの映画はあとに何にも残らないし、DVDやTV放送でいいかと思ってしまうのかも。

 

先日WOWOWで放送されたのヴィスコンティの映画特集。。。

「ベニスに死す」「家族の肖像」「山猫」を観入るうちに、

一番映画にはまっていた10代の頃の感情がフツフツと蘇ってきた。

やっぱりいいなあ。

ダーク・ボガード、バート・ランカスター、大ベテランが演じる悲哀のある初老の男の姿。

滑稽であったり、もの哀しかったり、俳優らが骨太な人物像を演じているという意識さえ忘れるほどに、

のめり込んで観てしまう。

登場人物の僅かな心の動きが丹念に描かれて、

それは僅かな目の動きだったり、台詞のない余白だったり、長々と映し出される風景だったり。。。

 

そういう心地よい「間」のある映画を久しぶりに観て、

最近の娯楽映画の殆どが、全部セリフやCGで説明して、

話しもテンコ盛りになって、はち切れんばかりになっているのかを実感した。

かつての映画はCGはないので全部セットが組まれていた。

いま考えると、あの大掛かりなセットを全て作っていたんだし、結構無茶なスタントだってCGじゃない。

衣装も小道具も、全てリアル。

青い総タイツを着用して演じている今の俳優達は可哀想だなとさえ思ってきた。

でも、まあタイツやマントものが多いんだから、大差ないのかも。。。(笑)

 

ヴィスコンティの映画のロケ場所や室内ロケやセットも凝りに凝ってたなあ。

イタリアの往年の大女優シルヴァーナ・マンガーノのあの迫力、そして高貴な空気を漂わせた風情、

クラウディア・カルディナーレの野性的なまでの女の魅力。

若き日のアラン・ドロンのエネルギッシュな男前ぶり。美しい人は遠目の立ち姿も美しいと改めて認識。

「ベニスに死す」の美少年タジオを演じた北欧の少年の美貌は、

まるでルネッサンスの巨匠ボッティチェリが描いたヴィーナスに生き写し。。。

「家族の肖像」の謎めいた男を演じるヘルムート・バーガーの鮮烈さ。(後にルードウィッヒを演じる)

どれほどの年月が経とうとも、銀幕の中で惨然とした輝きを放っている。

 

やっぱり、映画っていいなあ、と再び思わせてくれた。

「山猫」の舞踏会のシーンで老公爵が若い義理の姪に誘われて踊るワルツのシーン。

バート・ランカスター演じるシチリアの老公爵が見せる最後の輝き、

あの優美なワルツを忘れることができない。

 

バート・ランカスターは若い頃はアクション俳優だったという。

「山猫」の主人公のサリーナ公爵役に大抜擢したとき、かなり色々メディアで言われたとか。

「アクション俳優に高貴な役が演じられるのか」と。。。

でも、完成した作品を観て、誰もがそんな批判は間違っていたと恥じたことだろうと思う。

アクション俳優時代の作品は知らなかったけど、最近CSでちらりと西部劇の予告があって、

若き日のバート・ランカスターが真っ黒に日焼けしたワイルドないでたちで、

馬を駆るガンマン姿を観て、確かに野性味溢れる俳優さん。

それが老公爵になり、ローマで絵画に囲まれて暮らす、物静かな老教授を演じられるとは誰が思おうか。。。

さすが、プロの仕事であり、

監督の見る目の鋭さ、確かさなんだな、と。

 

また古き名画をちょっとずつ見直していこうと思った次第。


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by nazunanet | 2017-06-15 16:21 | art、 music,movie,etc | Comments(0)

「袋もの屋 薺nazuna」と「nazuna_antique」作家兼店主の日々のあれこれ。布のこと 麻のこと Antique FOOD 古道具 手仕事する人々のこと 


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