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熊本・人吉の工芸 瓢古庵の手描きの花手箱_d0221430_17221715.jpg



薺nazunaをオープンして間もなく、

熊本の瓢古庵さんにオーダーして作って貰った花手箱。

平家の落人の里として有名な人吉の、

手仕事の品、花手箱を考案されて制作されていた瓢古庵さん。

その後、花手箱は型押しに均一に塗られたものが大量に生産されていったみたいだけど、

瓢古庵さんは一筆一筆、丹念に描いて作ってくださって。

熊本の民芸としてサイトに連絡先が書かれていたので、まずはお手紙で注文したい旨を伝えて、

注文方法や支払い方法など尋ねたら、

あっさりと電話が掛ってきて、気さくにオーダーに応じてくださった。

『ナズナ』の柄を注文したら、しばらくして、

「季節はずれだったので図書館の植物図鑑をスケッチしたけど、それでもいいですか?」って。

見事にナズナを描いてくださって、手元に届いたのを見たとき、どんなに感激したことか。。。



熊本・人吉の工芸 瓢古庵の手描きの花手箱_d0221430_17222983.jpg

その後、椿の花手箱もオーダーして作って貰った。

熊本・人吉の工芸 瓢古庵の手描きの花手箱_d0221430_17215106.jpg

熊本・人吉の工芸 瓢古庵の手描きの花手箱_d0221430_17220476.jpg

瓢古庵さんとはしばらく年賀状のやりとりをさせて頂いたけれど、

あるとき、宛先不明で葉書が戻ってきて、

何度出しても戻ってきてしまっていたので移転されたかもしれない。。。

それからずいぶん経って、熊本で大震災もあったので消息を調べようとしたけれど、

ついに分からないままになってしまった。。。

今もお元気にされているといいなと思うけれど。。。



夏の間は絵の具が乾かないから作らない、と。

木を切って、箱を作るところから手づくりされて。

花の絵柄などは基本実物を見て、写生してから絵付けに入る。

こんなに手間のかかる手仕事を手に出来て、良かったなあと今も思う。

15年近く愛用して、白木の色がだんだん飴色になってきて、

良い艶もでて、なんとも言えない風情になってきた。



熊本・人吉の工芸 瓢古庵の手描きの花手箱_d0221430_17030931.jpg



椿の箱は、アクセサリー入れに。

ナズナの箱は、裁縫道具を入れて、毎日愛用している。

 

実は量産ものの花手箱も持っている。。。

上京して間も無い頃、たしか九州のお土産で頂いたもの。

それが”花手箱”との最初の出会い。

その後、ふと、裁縫箱用に小さいサイズが欲しくなり、

”花手箱”という民芸の品を調べていて、

最初の考案者である”瓢古庵”さんを知ったといういきさつ。。。


量産ものも、それなりに可愛いけれど、

やっぱり瓢古庵さんの手描きの箱にはかなわない。

瓢古庵の手描きの箱は、私の大事な宝物です。。。




by nazunanet | 2020-02-13 18:10 | 日々のあれこれ | Comments(0)
山沢栄子生誕120年を記念して開催された写真展。

東京都写真美術館へ。

山沢栄子 「私の現代」 写真展_d0221430_11333918.jpg

写真をツールとしての”絵画表現”など、

戦前から活躍された女性写真家の草分け的な方の作品でありながら、

今にない作風が新鮮に感じる。

晩年1987年、アリゾナ大学創造写真センターからのインタビュー映像で、

(デボラ・アーマス、バーバラ・カステン両氏がインタビュアー)

そういった作品をご本人は、

「NO,NO....hahaha」と苦笑いされておられたけれど、

でも、そういう実験的な作品それこそが面白いと思ったものだけど。。。


山沢栄子さんという写真家を、この展覧会で初めて知った。

広告など商業写真家であったことが、あまり後世に認知されていなかったのかも。


戦前1941年にニューメキシコで撮影された「月の出 ヘルナンデス」

という作品が非常に美しかった。



1月26日まで恵比寿・東京都写真美術館にて開催






by nazunanet | 2020-01-17 11:56 | art、 music,movie,etc | Comments(0)

「大いなる沈黙、グランド・シャルトル―ズ修道院」の映画に引き続き、

そんな風に、映画や絵画を観るとき、

衣装や小物、布の質感などを見てしまう。

ヨーロッパやアメリカ映画の歴史ものは、

忠実に衣装を再現しているので、実に興味深い。


イタリア映画の巨匠ヴィスコンティの作品は、

貴族社会を描いたものなら、階級に忠実に、

全てが最上質のもの。

窓のカーテンに至るまで。

「ベニスに死す」に登場する避暑地にやってくるブルジョア階級の、

海辺の普段着の華麗なこと。。。

白とネイビーのストライプをあしらった白いレースのドレス、

レースも遠目にも上質なものばかり、

リネン、シルクなどのまるでアンティークかと見紛うまでの

見事な衣装を揃えていて、

それがふらっと画面を通り過ぎる登場人物であっても、

そこに滞在する人々は全員が上流階級、特権階級という設定なので、

どれを一つ取ってもなおざりにされているものがない。


今の娯楽作品の方が往年の映画よりも莫大な予算が掛かってるだろうけれど、

往年の名画など、細かく見ていると、

どれほどの手間とこだわりが詰まっているかは計りしれない。。。


少し前に観たのが、1965年制作の日本映画の「怪談」(小泉八雲原作)の、

衣装や小物、舞台設定、演出の美しいこと。。。

こういう映画はもう日本では作れないだろうと思う。。。

作品中に登場する市場のシーン。

今は高価な値で取引される日本の麻の反物がいっぱい並べてあって、

見ているうちに欲しい気持ちが湧いてくるほどに。。。

使われている機織りや染めの工房らしきシーンのものも、

時代や道具の考証の確かさも感じて、

本当に名作だなあと感動してしまう。。。


海外映画では、フランス宮廷を舞台にした「宮廷料理人ヴァテール」も、

小道具や衣装が面白い。

ストーリーは、太陽王ルイ14世の時代の僅か数日のお話し。

王が貴族の屋敷に逗留し、その晩さん会を任される野心家の宮廷料理人。

物語は失墜した王の信頼を取り戻そうとする主人に仕える料理人ヴァテールと、

権力争いの貴族ら、王妃の侍女と王との恋の駆け引き、

主人に翻弄される召使たちの悲哀、などなど、様々に入り組んで、

晩餐の趣向を凝らした演出や、食材を調達するために、

まさに名誉と命を懸けるほどの。。。


王や貴族らの招待客らが目にすることのない、

邸の台所、キュイジーヌで働く召使たちの衣装が心つかまれる。

フラックス色のリネンの長いローブのような上っ張り(!)、

エプロンも共布に、袖のカフスはどこまでも長く、

前合わせのボタンは小さいものが幾つも並んでいるのも素敵で。

貴族や王妃や侍女たちの煌びやかな衣装よりも、

料理長ヴァテールや職人達の衣装が気になった。


中世の時代ものの映画は、

リネンのシャツのギャザー使いや、

上着やコートの流れるようなドレッシーなラインが魅力。。。

生地もちゃんと当時存在しているものを厳選していたり。


古今東西を問わず、映画や舞台を見る時は、

必ず衣装と小物をチェックしているかも。。。

ここを雑に扱っている作品は大抵あまり良い作品じゃないことも多い。。。


衣装デザインが有名な映画というと、ちょっと昔の映画になるけど、

「アンタッチャブル」のアルマーニの衣装とか、

「炎のランナー」の衣装も良かった。。。

どちらもメンズ系なのが私好み。。。


ジャン・ジャック・アノーの映画「ラ・マン(愛人)」は、

センセーショナルな描写で話題になった作品だけれど、

戦前のインドシナの繁華街が描かれているシーンが美しい。

小さな路地にひしめきあう屋台や人々の当時の衣装が、

忠実に時代を再現していて、藍染めの長上着や真っ赤なチュニックなど、

当時の衣装を着ているインドシナの人々の姿に見とれてしまう。

屋台もフランス領だったインドシナらしく、

オリエンタルでエキゾチックな、シノワズリなデザイン。

吊るされているランタンの灯に、

照らし出される茶器や陶器の何と風情のあることか。

屋台の食堂の趣味がいいことといったら。。。


マルグリット・デュラスの自叙伝が原作なだけに、

セクシャルな描写が多い映画だけど、

衣装や街の景色の演出が凝っていて、

さすが、アノーの作品だなと。。。


また時代ものの佳作作品を観直さなくちゃ。。。





by nazunanet | 2018-11-20 23:34 | art、 music,movie,etc | Comments(0)

藤田嗣治展にて

先月の終わりに、

やっと観覧できた藤田画伯の展覧会。

藤田嗣治展にて_d0221430_23132769.jpg


活動期の年表を眺めながら、

戦前にパリへ渡り、絵画を学びながら模索していた藤田氏。

日本男子が一番生きづらい時代に、

パリで、画家として、芸術家としての活動を謳歌されてたんだなあと。。。

藤田嗣治展にて_d0221430_23134639.jpg


当時の日本人画家の作品が、ゴッホ風だったり、ピカソ風だったり、

欧米の画家の作品の影響を色濃く受けてた画風が多い中で、

”乳白色の肌”という確固たるスタイルを表現し、

人気を博した日本人画家、藤田嗣治氏。

時代性や画風、キャラクターなど様々な要素が絡み合い、

戦前、戦中、戦後と、

日本からバッシングを受け続けた藤田画伯。

ついに日本を脱し、フランスに帰化したけれど、

その生活や制作活動の姿勢は、日本人気質に溢れるものだった。

渇望するほどの望郷の思いが、

パリ郊外の小さな農家での、

質素で清々しい暮らしぶりから読み取れる。。。



今だったら、当時ほどに世間から誹謗中傷されなかっただろうか。

・・・・どうかな・・・。

そういうのが、国を問わず、”世間の声”とされるものなのかもしれない。。。




迷いの中から生み出された教会のフラスコ画、

教会の模型、十字架像などの祈りのかたち。

でも、やっぱり一番好きだなと思うのは、

藤田画伯の描く猫たち、動物たち。

彼らの何と生き生き、ふさふさ、もふもふしていることか。。。

猫好きの浮世絵画家の歌川国芳のように、

懐の中に猫を入れている自画像もあった。

ワタシ的な好みとしては、

あの辺りの画風を、もっと究めてほしかったなあ。。。

でも、藤田氏の”迷いの中南米の旅”(勝手な私の感想)の中でも、

メキシコで描かれた”狐売りの男”の絵は秀逸だと思う。

紙に水彩で描かれたものだけど、

藤田作品の中では一番好きな絵かもしれない。


近年になってやっと再認識、再評価されたそうなので、

まだこれからの評価もどんどん変わっていきそうな気がする。












by nazunanet | 2018-10-07 23:45 | art、 music,movie,etc | Comments(0)
シューメーカーズ 五人展 相馬紳二郎さんの革靴と革小物(写真追記)_d0221430_20252913.jpg

浅草雷門のそばの浅草文化観光センターの7階で開催中の

相馬紳二郎さんのグループ展に行ってきました。

今日は久しぶりの鋭い暑さが戻ってきて、

雷門前の交差点は外国人観光客と、

人力車のおにーさん達でごった返していて、

日差しがジリジリと肌に痛いくらい。


観光センターの7階で開催されている五人の靴職人による展示会。

どの職人さんも個性的で、面白い作品が並んでいる。

7年ごとの開催の五人展は今年で三回目。

前回から七年も経ってるんだなあ。。。


2008年の千葉のアースデイで相馬紳二郎さんの展示を拝見して以来、

ショルダーバッグやベルト、革座布団などをオーダー。

メンズ色が強い相馬さんの靴だけど、

サンダルは男性女性を問わず人気の品。

いつか注文してみたい。

ハイカットシューズも相馬さんならではのデザインと味わいがある。

シューメーカーズ 五人展 相馬紳二郎さんの革靴と革小物(写真追記)_d0221430_20265022.jpg



シューメーカーズ 五人展 相馬紳二郎さんの革靴と革小物(写真追記)_d0221430_20272371.jpg

ネパールの手すき紙に写真を貼ったカタログ、

旅の相棒を務めてきた風雨にさらされたバッグ、

シューメーカーズ 五人展 相馬紳二郎さんの革靴と革小物(写真追記)_d0221430_20283010.jpg

仕事道具が無造作に置かれている風情、

シューメーカーズ 五人展 相馬紳二郎さんの革靴と革小物(写真追記)_d0221430_20275978.jpg

展示スペースの僅かな中にも相馬さんのセンスに溢れている。

シューメーカーズ 五人展 相馬紳二郎さんの革靴と革小物(写真追記)_d0221430_20290078.jpg
ご自身の靴。

履き込まれてクタクタになった味のあるハイカット。


靴底に廃品タイヤを使うのもオリジナル。

鞄や財布やトタンのチリトリや皿など、

唯一無二の物づくりをされている。


鞄や財布はワタシも同業なのだけど、

クラフト市や展示会へ行っても、

最近は同じようデザインのものに思えてしまって、

使ってみたい、欲しいと思う機会が殆どない私にとって、

相馬さんの作品はどこにもないもの。

ぜひ手にしたいなと思ってしまう。

シューメーカーズ 五人展 相馬紳二郎さんの革靴と革小物(写真追記)_d0221430_20293099.jpg

初めて作品の展示を見たときから、

誰のマネでもないオリジナルを追及されている

物づくりの姿勢や暮らしかたなど、

とても尊敬している作家さんです。



明日9日までだけど、是非一度見て頂きたいなと思う。。。

浅草文化観光センター7階
03-3842-5501

展示は10時から18時まで。


(今回、連れて帰って来た作品の写真はまた次回載せます。。。)



by nazunanet | 2018-09-08 21:17 | クラフト | Comments(0)
東京都写真美術館 光画と新興写真展にて_d0221430_22311411.jpg
戦前の写真芸術を見る。

展示されているのは、内外の作品。

風景や商業写真や人物など多彩。

デジタルカメラが主流の今、こうしてフィルムに焼き付けられた写真を見ていると、

やはり「芸術写真」という言葉が沸き起こってくる。

「アート」じゃない。「芸術写真」。。。

陶磁器の焼き物のように、登り窯の炎をくぐって生み出されるように、

フィルムやガラスに光によって焼き付けられ、

化学薬品や銀の液体をくぐり、現れ出る画像。

それは時間や光や化学反応や手の仕事を通って、

意図せず偶然に生み出されるものでもある。

あとで修正や加工が可能な現代写真において、

この時代の写真は絵画と同等の価値にもなってくるんじゃないのか、と思ったりも。

東京都写真美術館 光画と新興写真展にて_d0221430_22313404.jpg

展示会場の外の2階に、置かれていた”携帯暗室"

"portable Dark room”という。1877年 明治10年頃のもの。

制作者は不明。上野彦馬旧蔵 長崎歴史文化博物館の所蔵とある。。。

東京都写真美術館 光画と新興写真展にて_d0221430_22315231.jpg

手製の金属を溶接して作った箱には、布団や夜具に使われていたと思われる古布が。

東京都写真美術館 光画と新興写真展にて_d0221430_22321861.jpg

この布をすっぽり身体ごとかぶって、

暗闇の中で手さぐりで現像やプリントやしていたのだと思う。

よく作ったなあ、と感心してしまう。

ところどころの継ぎはぎは写真家の奥さんが施したのかな、と想像したり。

こういうものが現存しているのは実に面白い。。。






by nazunanet | 2018-05-04 22:53 | art、 music,movie,etc | Comments(0)
イタリア旅行のあとは、フランス・パリへの旅もオリンパスを伴って。

パリは朝市で買い物したり、

朝一番でバゲットを買いに行ったりしたかったので、

ホテルではなく、憧れのアパルトマンを借りての旅。

毎日マルシェやスーパーで買い物して台所で食事を作っていたので、

夕方になると、「市場が閉まるから早く戻らなくちゃ!」と、

ちょっとせわしなかった。(笑)

でも、市場で地元の人たちとの会話も楽しくて。

パリの人達はイジワルだと聞いていたけど、皆とても親切だった。

泊まっていたのはサンジェルマン・デ・プレのアパルトマン。

裏にはサン・シュルピス教会があって、

ちょっとしたミラクルな出来事も。。。(それはまた今度に。)

フランスかぶれしていた頃だったので、

念願のパリ旅行に鼻息も荒かった。(笑)

もう言うこと無しの旅だった。

朝一番のバゲットやクロワッサンを買って、カフェオレを作る。

まさに絵に描いたようなパリ生活の毎日だったけど、

旅行したら一気にフランスかぶれの熱がパタリと収まった。。。

日本で長らく想像していた憧れの都・パリでは全く無かった。。。

当時のパリの若者たちは、誰もかれもがアメリカかぶれ(?)していて、

可憐でおしゃれなパリジェンヌなんていなかった。

信号無視の車を足で蹴飛ばして歩くパリジェンヌ。

カフェで座っていると、そんな旅行客の舶来もののタバコをせがむ女の子たち。。。

そんな光景を目の当たりにして、私の長年の”パリ幻想”が幕を閉じて、

やっぱり日本が一番お洒落で女の子も可愛くて、

街もお店もトイレ(ホントに!)も、どこもかしこも美しいと、

日本の良さがはっきり見えてしまった。


ずっと子供の時からヨーロッパで暮らしたい憧れがあったけど、

いやいや、暮すのは日本が世界で一番じゃないのかな、と。

淡い憧れはさっぱり消えて無くなってしまい。。。

アンティークな建物のアパルトマンは、

お風呂のお湯をちょっと多めに使っただけで水漏れして、

階下のレストランから「ノン、ノン!」と大激怒されて、

部屋のオーナーに修理を頼んだら

「すぐ修理に向かう」と電話で言っていたのに、

来たのは3日後。。。

「すぐ」というのは日本と外国じゃ、こんなに時間差があると知ったショック。

水回りもサービスも、やっぱり日本が一番なんだなと。。。


でも、でも。。。

やはり、日本にはない魅力がある。。。

やっぱり捨てがたいパリ。

やっぱり、日本の当たり前のようにある便利さの他は、

何もかもがあるのがパリ。。。

また暮すような旅をしてみたい。



思い出のパリ 。。。~旅のアーカイブ~_d0221430_16552125.jpg

これはベルサイユ宮殿での一枚。

モノクロームの濃淡は、デジタルカメラでは出せない色。。。



by nazunanet | 2018-05-04 02:31 | 旅と街歩き | Comments(0)
先日、富士フィルムがモノクロームフィルムの生産を終了したという。

富士フィルムの他にもフィルムは作られているけど、

無くなっていくんだな、とちょっと感慨深いニュースだった。

子供の頃、父親が持っていた一眼レフカメラーオリンパスOM1。

それを譲り受けたあと、大人になってもずっと使っていた。

さすがに経年でレンズ内部がカビで劣化してしまったのちには、

ダンナさんが譲ってくれた同じ機種のカメラを旅先に必ず携帯。

そしてフィルムはやはりモノクロームで。

モノクロームの色 フィルム写真だからこそ ~イタリア旅のアーカイブ~_d0221430_16523651.jpg




旅先で撮影しても、デジタルと違ってどんな風に撮れているのか、

現像してみないと分からない。

カメラ屋さんでネガを受け取るときのドキドキ感。。。


モノクロームの色 フィルム写真だからこそ ~イタリア旅のアーカイブ~_d0221430_16525399.jpg

自分でフィルムを印画紙に焼き付ける。

空を少し焼き込む、黒をぐっと締めるなど、

撮るだけでなく自分でイメージ通りに仕上げていくのが魅力だった。


モノクロームの色 フィルム写真だからこそ ~イタリア旅のアーカイブ~_d0221430_16542541.jpg

イタリア・ローマに滞在した際、

ナポリとポンペイにバス観光へ。

途中、バスの運転手さんが高速で何度も居眠り運転しているのに気づいたときは、

かなりの恐怖だった。。。

ポンペイは写真を撮るのに夢中で、

せっかくガイドしてくれた人の話しも上の空。。。


モノクロームの色 フィルム写真だからこそ ~イタリア旅のアーカイブ~_d0221430_16532907.jpg

イタリアはどこへ行っても、絵になる、というか写真映えする。。。

モノクロームの色 フィルム写真だからこそ ~イタリア旅のアーカイブ~_d0221430_16531440.jpg
カラーも一応おさえておく。。。

今は観光客でごった返しのスペイン広場だけど、

当時は静かな風景が広がっていて、

コロッセオの中は地域猫たちがわんさか。

イタリアは人は勿論のこと(嬉)、

猫たちがとても人懐っこい。(笑)

ローマでもトスカーナでも、自由猫たちが肩によじ登ってゴロゴロと懐いてくれる。

連れて帰りたくなるほどに。。。


モノクロームの色 フィルム写真だからこそ ~イタリア旅のアーカイブ~_d0221430_16550644.jpg


トスカーナの小さな町、アッシジ。

フランチェスコ修道院で有名な中世のままの町。

静かな石畳の小路。

聖フランチェスコも思索しながら歩いたのだろうか。。。



昔、F・ゼッフィレッリ監督の「ブラザーサン・シスタームーン」を観て、

一度行ってみたかったアッシジのフランチェスコ修道院。

ジオットのフレスコ画が見事だった。

その後の大地震でひどく損壊されたけど、修復されたということで安堵。。。

フランチェスコ修道院と向き合うように、

一本道の奥にはセント・キアーラ女子修道院が。


モノクロームの色 フィルム写真だからこそ ~イタリア旅のアーカイブ~_d0221430_16545339.jpg

眠るように横たわる聖キアーラ(クララ)の美しかったこと。



モノクロームの色 フィルム写真だからこそ ~イタリア旅のアーカイブ~_d0221430_16544292.jpg


通りにある古いステーショナリーのお店の風情や、

カフェやレストランのこじんまりとした佇まい。

喧噪の都市ローマよりもアッシジに滞在したかったと思ったほど素敵なところ。


イタリアは、すべてが素晴らしく美しい国。

どこを切り取っても絵になるけれど、

また旅することが出来たら、

フィルムカメラを持っていって、

一枚一枚、じっくり撮影したい。

そして、また自分でプリントして仕上げてみたいと思う。。。




by nazunanet | 2018-05-04 02:26 | art、 music,movie,etc | Comments(0)

記述していた国芳の猫絵。


ポストカードをスキャンしたので、画像をアップ。


追記:国芳の”鼠よけの猫”と”猫飼好五十三疋”の絵図_d0221430_19532363.jpg

これは上野の国立博物館のギャラリーショップで
見つけた国芳の「鼠よけの猫」のカード。


追記:国芳の”鼠よけの猫”と”猫飼好五十三疋”の絵図_d0221430_19534550.jpg

国芳の名作”猫飼好五十三疋”のカードは

没後150年記念の展覧会のあった森美術館で。

 

お気に入りの猫や動物のカードが増えてきて、カードケースがたまっていく。


ギャラリーだけでなく、アンティークのカードも探したりもする。

今には無いデザインのものや、

丁寧な細密絵の猫やうさぎのものが可愛くて。

カード集めはやめられない。。。



by nazunanet | 2018-02-13 20:11 | art、 music,movie,etc | Comments(0)

09. 師走(FRI) 晴れ

竹橋の美術館へ「熊谷守一展」へGO!


竹橋・東京国立近代美術館へ「熊谷守一 生きるよろこび」展へ_d0221430_19541965.jpg

初期からの作品が展示されているので、

晩年のあの画風になっていく過程を見ることができる。

光が後ろから当る、逆光での光のラインが

あの赤い線で表わされていたんだなと分かる。


暗闇の中に浮かび上がった女性の屍「轢死体」の絵。

その後も何度も登場するモチーフ。

目の当りにした人間の死、肉体、魂、魂の容れ物としての肉体。。。


実子の死にも何度も遭遇し、その死を描くことの苦悩。

それらの思いなどが吐露された記述。

その後、晩年に暮らした木造屋の庭で、生き物、雨、猫を写していく守一。

猫をことさら可愛がっていた様子が、絵に現れている。

竹橋・東京国立近代美術館へ「熊谷守一 生きるよろこび」展へ_d0221430_19540479.jpg

 

初期の作品の綿密な絵から、晩年の赤い線で輪郭を描き、

単純化、まるで記号化されたような絵へと変っていく。

単純化された絵だけど、何度もスケッチを繰り返し、

何度も繰り替えし同じモチーフを描き続ける姿勢。

そのこだわり。

庭を観察し続けての有名な言葉、

「蟻は左の2番目の足から歩き始める」

どれだけ観察しても、それを見つけられるのは至難の技。

水たまりに落ちる雨の雫がはねて王冠をつくる様子を、

(ミルクが滴り落ちて、ミルククラウンが出来るような)

高速度カメラでスローモーションを撮影したような絵を描いている。

単純化された絵だとしても綿密なスケッチを何枚も繰り返したであろう、

その絵からは、雨粒が落ちて跳ねる様子がまざまざと感じられる。

 

海岸線、砂浜、海、動物、蛙、猫、シンプルな輪郭線、

少ない色数の中でも、選び抜かれた色と、

丁寧に塗り重ねられた画面は眺めるだけでも心地よい。


辛い経験や戦争の只中でも病で外へ思うように出かけられなくても、

身近なものを対象に、生き物、いのちの本質を描き続けた守一。


丁寧に描かれた輪郭線が、どこかミッフィーの面影を感じてしまった。。。

PCで簡単にトレースするイラストレーターが多い時代に、

丁寧に丁寧に筆で描くブルーナさん。

印刷する上で、指定した色が正確に表現されるように、

色数と種類を決めて組み合わせながら制作していったブルーナの絵と、

光と影を追い求め、光の輪郭線を描き続けた熊谷守一の絵。

スラスラッと適当に描いたのでは決して出来ないラインと色。

心和むという点で、猫やカエルや蟻などの小さな生き物たちを描いた絵を見ているうちに、

ブルーナさんの絵をちょっと彷佛としてしまった。

 

生前の守一の私物が公開されていた中で、

光を照らすためのランプなどの他に、

ネジや金具や豆電球などが雑多に入った箱もあった。

私の道具箱と全く同じようなものが展示されていて、何か親近感さえ感じてしまった。

 

我が家のベランダの小さな植木鉢の野花や水盤、

そこへやってくる小鳥たちの観察の楽しさを知っているので、

守一がどれほど嬉々として蟻やカエルや猫たちを描いていたかが分かる。。。

自宅アトリエの美術館にも足を運んでみたい。。。

 

美術館の所蔵品展示の会場も見に行く。

つくづくと、日本の洋画の画壇の主流が

海外の有名画家の影響が多大なんだなと。。。

オリジナリティを追求している画家の多くが、

派閥や画壇から抜け出しているのでは、とも思う。

権威あるところから認められてデビューも出来るし、注目も受けるし、

また仕事としても成り立って行くのだろうけど、

芸術家としての制作と、

ビジネス的アート制作は別のところにあるんだろうな、と思ったりも。。。


竹橋・東京国立近代美術館へ「熊谷守一 生きるよろこび」展へ_d0221430_19543251.jpg

 

 

”眺めのいい部屋”から皇居の森を臨む。

展示会場を後にして、ギャラリーショップでポストカードを選ぶ。

猫絵のカードはコレクションにしている。

ポストカードはよく使うけど、猫カードは使えない。(笑)



P.S.

東京国立近代美術館。2階に”ミクニ”のカフェがあったけど、早々に営業終了になっていて、

展覧会を廻って喉がカラカラなのに他にドリンクコーナーも無く。。。

冷却水で飲むのも何だか。。。

そこかしこに結構広々としたスペースがあるのになあ。

バチカンの美術館でさえ、気軽に利用できる学食のようなカフェテリアがあったのに、

最近の都内の有名美術館や博物館のカフェは、

色んなニーズに向けて作ればいいのになあ、と思う。

ランチやティータイムを悠々と優雅に過ごせるカフェと、

学生さんや子供連れの家族が気軽に利用できるカフェ。

両方があったら、もっと外国人観光客もやって来れると思う。

東京は外国や地方にくらべると何でも割高傾向にあるし。。。

どこも”ハコもの”は立派だけど、

ゆったり心地よく過すための何かが大いに足りない。。。

”おもてなし”とは何ぞや、などと思いつつ、会場を後にする。(笑)

 

どこかで休憩したいけど、美術館を出たらあまりに殺風景で

憩いの場所があるとは思えない。。。


ふと、毎日新聞社が目に入った。

あのビルに行ってみるべし。

中に入ったことはないけど、思いのほか飲食店が並んでいる。

ファスト系のカフェも幾つかある。

ふと、スタバを覗くと店じまいかと思うほどお客さんがいない。

椅子もソファー席も選び放題。

ウチの近所に3軒~4軒もスタバがあるのに、これまでどこも座れたためしがない。

それなのに。。。ここは穴場なのかも。。。


美術館や博物館を廻って、見た感想などを話しつつ、

ゆっくりくつろげるってイイね。

そんな場所が、”ハコもの”の中にもっとあったらいいのにね。。。


by nazunanet | 2018-02-13 20:04 | art、 music,movie,etc | Comments(0)

「袋もの屋 薺nazuna」と「nazuna_antique」作家兼店主の日々のあれこれ。布のこと 麻のこと Antique FOOD 古道具 手仕事する人々のこと 


by nazunanet
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