藍染の木綿や麻を葛篭(つづら)から引っ張り出して手入れする。
竹で編んだ葛篭は通気性が良いので布の保存に最適。
古道具屋さんで古いけれど状態の良い葛篭や衣装箱を見つけては使っている。
日本の職人さんが作ったものは、竹で編んだ部分がささくれが出ない。
アジアの籠なども使っているけれど、
竹の種類が違うのか、竹を裂いたあとの処理が違うのか、
手に鋭いささくれが刺さって痛い思いをすることも。
比べてみると、見た目にはそれほど変わらなくても、
よく見てみると、竹を細く裂いたあとのエッジの部分をまろやかになめしてあったり、
表面がつるつるに磨いたようになっていたり、
日本の手仕事はなんと細やかに行き届いているのだろうと感心してしまう。
先日、人形町へ行った折、
甘酒横丁を通るたびに通りから眺めていた葛篭屋さんのお店の跡に、
新しい建物が建つのか工事が始まっていた。
廃業されると知ったときもどれほど惜しい気持ちがしたことか。
ここで漆(カシューだそうだけど)塗りの、
家紋や名前入りの衣装箱を誂えるという憧れもいまや叶わず。。。
昔の手仕事で作られた道具箱や、
衣装箱、文庫など、身近に置いておきたくて、
集めてきたものがある。
多少の歪みや古さはあるものの、
プラスティックや大量生産品にはない温かみと豊かさがある。
また少しずつnazuna_antiqueでお披露目できれば、と思っている。