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明治に織られた柔らかな型染布に出会った。

「もう古くて良いものはなかなか出てこなくなりました」と

お店の方はおっしゃる。

残そうと思わなければ、あっという間に無くなってしまうものだけど、

少しでも、手から手へと繋いでいけるように、

無駄にしないよう、心ある物づくりをしていきたい。。。




機械で紡績した糸と、

ゆっくりと手で紡いだ糸はやっぱりふわふわ感が違う。

機械で紡いだものは、

やっぱり繊維の毛羽が削られたように無くなっていて、

その分、細く均等な糸なんだけど、

布になったときの柔らかさが全然違う。

明治の古い布が新しい布に比べて、

綿花を摘み取ったままのような柔らかさなのは、

それが手で紡いだ糸のみで手織りされたものだからだと思う。

そういう希少な布は日常使いの袋ものには向かないけれど、

でも、こうした布はなかなか出会える機会がないので、

手に取って楽しんで貰いたいと思う。。。

布の感触や染め色で目も楽しめて、

心和むものが出来たら、と思います。



by nazunanet | 2019-11-19 01:51 | 薺nazunaの手仕事 | Comments(0)

江戸葛布の重ね

江戸幕末の武士が着用していた裃(かみしも)の布を

小物入れに仕立てました。

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江戸時代、武士に好まれていたという葛布。

和紙のような質感は、折り目正しい裃の装束にまさにぴったり。

明治になり、途絶えてしまった葛布の織り。

繊細な糸を極細番手の布に織る技はもう不可能なのかも。。。

均一な織り、そして「江戸小紋」と呼ばれる極細の縞の型染。


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光沢ある葛布は、薺nazunaを始めてから一度だけ出会った珍しい布。

過去にわずかに一点だけ小物入れを制作したきり。

その後、もう一枚、別の葛布を手に入れることができたので、

葛布の重ねが実現できました。


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経糸は木綿、緯糸を葛糸で織られたもの。

こちらの縞もやはり織り上げた後に、型染で染めたものです。

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武士の装束を小物入れに、ということで、

流しの着物の懐に入っていそうな雰囲気に。。。

竹も幕末から明治頃の煤竹を使って、手彫りで留め具にしています。


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表のかぶせの前飾りには、出雲の山桜。

40年以上乾燥させたものなので、赤味がかった艶がお使いのうちに

どんどん色艶が増していきます。

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緒締玉は、ローマ時代の古代ビーズ、カーネリアン。

麻糸を四つ組にした組紐に通してあります。

大切なものを仕舞うための道具、小物入れ。

バッグやジャケットの懐に、

お好きな香りを包んだ文香や香袋を忍ばせたり、

アクセサリーやお守りを仕舞ったり、

ジュエリーに添えて贈り物にも。。。

さあ、何を仕舞いましょうか。




by nazunanet | 2019-04-18 15:27 | 小物入れ | Comments(0)
布のはぎれが沢山ある。

その多くが、小さな袋物さえ何も作れないような切れ端ばかり。

捨てられてしまうような切れ端を、キルトのピースとして再利用。

ぬいしろをつけて三角形や四角に切ってためておいて、

時間の空いたときにちくちくと縫い合わせていく。

三角形を合わせて四角に、

四角を連ねて大きなピースに。。。

リネンやヘンプ、コットンの生成布のグラデーション、

藍の様々な色のグラデーション、

三角を縫い合わせていると、

ネイティブアメリカンの古いキルトのようなものが出来上がってきた。

あり合わせのハギレや切れはしで作るからこそ、

作りたいと思えるキルト。

わざわざデザイン画を描いて布を選んでは作りたいとは思わない。

韓国の昔のポシャギも、アメリカの古いキルトも、

日本の襤褸も、余り布を使ったものだから。



小さなピースを縫い合わせる作業が延々と続くんだけど、

妙な心地良さがあるのがキルトの面白いところ。。。

カンタ刺繍で制作途中のキルトと同様に、

出来上がりが楽しみだけど、いつ出来上がるのか見当もつかない。。。

それもまた面白い。

by nazunanet | 2019-03-23 23:05 | 布のこと | Comments(2)

小物入れとバッグ

薺nazunaの手縫い服。

新しい挑戦に取り掛かって、

少しずつ完成してきたので、

バッグや小物入れなどの布小物の制作も平行して進めることに。



色んな新しい布に触れて、

質の良い古布にも触れて、

手になじむ、日々の暮らしにとけこむ布の道具の制作を。

木彫りの留め具を作ることから始まった布手仕事の薺nazuna。

手彫りした未塗装の木肌や、

質の良い布とのコンビネーションを味わってもらえるようなアイテムを、

と思っています。

薺(なずな)は、英名でシェパーズパース(羊飼いのバッグ)ともいいます。

野草の薺と羊飼い。。。

そんな屋号を感じられるような、

ブナの林に風が吹き渡っていくような、

心地よさを感じて貰えるような、

アイテムを制作していければ、と思います。



製作真っ最中でしばらく更新が滞っておりました。

またちょこちょことブログとニッキも綴っていきます。

どうぞ宜しくお願いします。
























by nazunanet | 2018-10-27 18:23 | 薺nazunaの手仕事 | Comments(0)
先日、久しぶりに小物入れをおしなものにアップしました。

古い時代に手で糸を績み、手織りされた麻の布で仕立てた小物入れ。

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一見、地味で素朴な布なのに、

同系色の麻のグラデーションに合わせると、

やはり手織りの、極細番手のものから上布のものまでを、

重ねるほどに手に持ったときに、すっと入ってくる感じ。


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久しぶりに心地の良い小物入れを仕立てることが出来て、

嬉しい気持ちになりました。


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上布という極細の糸で織られた麻の布は、

一重では小物入れとしては薄すぎるので、

表の麻に、また麻を重ねて、二重に三重に、四重に。。。

重ねれば重ねるほど、心地よく感じる。

巾着での麻の重ねは二重のものだったけど、

これは4重になるところもあって、

ふんわりとやわらかなワタのようにも感じるほどに。

着物や衣類での麻の重ねの着心地が小物入れで再現できたんだなあ、と思う。。。



by nazunanet | 2018-08-20 21:13 | 小物入れ | Comments(0)
身につけるもの、の試作に没頭しすぎて、

アイテム制作が遅くなってしまい、ブログもニッキも滞り。。。

一度に一つしかできないところがあるし、

何かに熱中すると没頭しずぎる傾向もある、二重苦、三重苦。(笑)


古布ばかりでなく、新しい布を取り入れて。

新しい布でも、古布のような布質のいいものを探して。。。

ふんわり柔らかな古布は、

どうしてもヘビーユースのカバンや袋物にはむかないところがある。

大事にバッグや引き出しにしまっておいたり、

時々出してきて、そっと開いたりするような、

宝ものを入れるものにぴったりの布は、

小物入れに使ったり。

日常使いの袋ものや鞄には、新しい布の丈夫さを借りて、

アクセントに古布の風情や色や上質さを加えたい。


でも、古布の藍染めだけで作った小物入れや蛇腹財布は、

どんどん味わいが深まってきて、

八年経った蛇腹財布は、今年の春頃から急に掌にぐんと吸い込まれるように、

馴染み始めた。

いい感じに藍の掠れも出始めてきて、革紐をキュッとひっぱる感じも

こなれてきた。

また、蛇腹も小物入れも作っいきたいなあ、と思う。

少しずつですが、新しいアイテムも、

定番のお品も、作っていきます。

完成しましたらHPの「おしなもの」へアップします。









by nazunanet | 2018-05-25 18:11 | 薺nazunaの手仕事 | Comments(0)

冬の麻

「麻の重ね」を制作中。

藍、型染、亮布、南部麻、蚊帳麻、苧麻などなど。

とんぼ玉やアンティーク玉なども合わせて、

日々の暮らしの中に、

ちょっと心和む袋ものを。

もうすぐ完成します。


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by nazunanet | 2018-02-23 13:17 | 薺nazunaの手仕事 | Comments(0)
古布を縫うとき、

主に絹糸や木綿糸を使ってきた。

ポリエステルの糸だと色合わせしても、

何か浮き上がってしまって、布の織り目に沈んでくれない。

それで小さな袋物などは主に、天然素材の糸を使って

仕立てることにしていた。

柔らかなリネンや織りの細かな上布は絹糸や木綿糸でも大丈夫だけど、

粗目の織りの蚊帳の麻や、

ゴリゴリ麻の中でもざっくり感の強い厚手の大麻布など、

強いとされるポリエステルの糸でも、

縫っているうちに織り目にこすれて切れることもあった。

最近、バッグの修繕依頼を頂いた際に使用した革の手縫い用の糸、

インディアン・シニュー糸で粗目の蚊帳織り布を縫ってみたら、

すんなりと織り目の中に沈みこんでくれて、

ループなどを使ったときも糸目の出方も美しい。

ブレスやアクセサリー用にもシニュー糸を使っている。

好みの細さに細く裂いて使うシニュー糸は、

国産のものやアメリカ製のものなど、

色んなメーカーのものがある。


元々はネイティヴアメリカンの皮細工に、

動物の”腱”を糸にして使われていたのがシニュー糸の由来。

現代のものは、そのシニュー糸の特徴と良い部分を合成素材で再現されたもの。

色んなメーカーのものを使ってみて、

一番使い良かったのがインディアンシニュー。

天然素材ではないけれど、使い心地が非常に良く、

しかも、全く糸切れしない。



ちくちく、とアイテムを制作中です。。。

by nazunanet | 2018-02-16 14:23 | 薺nazunaの手仕事 | Comments(0)
HPのニッキの記事に、画像と文を更に追記。

苧麻、おお麻、南部麻などの布で袋ものを作る。

江戸期の南部麻(おお麻、ゴリゴリ麻)はまだハサミを入れていないけど、

是非、「麻の重ね」のシリーズとして仕立てたい。


日本のおお麻と韓国のサンベとくらべると、どちらも大麻布だけど、

韓国のものはモシ(苧麻)のような薄手に作られている。

柿渋染めのサンベ(大麻布)は日本の生成りの”アサ”にもよく合う。


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蚊帳として作られたという生成りの”アサ”。

大昔の手織のカヤ織りというのは、”蚊帳”ではなく、

植物の”カヤ”ではないのかな、と思うに至る。


江戸期の蚊帳と、

比較的新しい明治から昭和に掛けての蚊帳は、

織りや繊維の質が随分違っているように思う。



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これらの過去のアイテムは、
江戸期から明治・大正までのかや織りの生地で仕立てた小物入れ。
反物になった状態で骨董屋さんの棚に置かれてあった。
聞けば、江戸期のものだという。

”かや織り”と、”蚊帳織り”。

なんとなく同じものと思っていたけど、
江戸期のものという”かや生地”は、
いわゆる今でも”蚊帳生地として織られているものとは、
ちょっと違うものなのかもしれない。

古来から日本で”アサ”というのは
様々な草木から採取した繊維の総称をいうので、
もしかしたら、
大昔にはカヤを採取して繊維を採って、
績んだ糸で織っていたということではないのだろうか。。。

今でこそ、織り素材は豊富に手に入るけど、
江戸時代などは地方によっては資材に困窮していたところもある。
武士や裕福な商家や庄屋では上布の蚊帳を使うだろうけど、
衣服用の糸を自家栽培していたような農家はどうだったろうか。
上布などの着物に使う苧麻(カラムシ)を、
蚊帳のような日用の道具に使うだろうか、と思った。

原っぱや河原に無数に生えているススキや、
屋根材として使用した後の茅を、
繊維をなめして蚊帳として織っていたのじゃないだろうか、と推測。。。

素材や道具さえあれば、手間暇惜しまない日本人。
蚊帳の体裁を整えられるものなら
それくらいは簡単だったのではないだろうか。
繊維を採れるものなら何でも試していたのなら、
きっとあの長い長い茎をもつ、ススキや茅や葦も試したに違いない。。。

*かやは樹木のカヤではなく、イネ科の植物の”萱”もしくは”茅”。
映画「バンビ」に登場する、
ススキにぶら下がった小さなねずみの名前は”カヤねずみ”。(体長5センチ強!)


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この反物の”アサ”は比較的新しいもの。
それでも昭和初期頃のものと思われる。
使わずに保存されていたデッドストックの蚊帳生地。

最初はハリもあるし、粗目の織りなのでごわごわ感もある。
でも、使い古された江戸期のかや生地は、
ふんわりとガーゼのような柔らかさ。

袋ものにして大事に使い続けたら、
ふんわりとした手触りになってくるのかも。。。。

(画像の中で)下に置かれた生成の上布は江戸期の紋付の夏の着物。

生成の地に、家紋だけを染めている。

紋様の丸い円の枠を藍染めの紺と
家紋の松の紋様を浅葱色、
丸い紋の中の地色は精錬された”真白”、という色合いが絶妙で。。。

現代では夏の麻(上布)の着物に無地の生成なんて殆ど見かけないけれど、
あえて精錬もせず染めもせず、
家紋にさし色を入れるのが洒落てるなあと思う。
(後日、画像をアップしたいと思います)

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(左:生成上布。右:蚊帳生地。)


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そんなかや生地を使ってポーチや小物入れを仕立てたのが、

自分でも結構気に入っている。


プリミティブな風情を残したまま仕上げた袋ものなんて、

作るのはウチくらいなんじゃないかと。。。


おお麻や南部麻、昔の苧麻なども、

そんなプリミティブな風情のものを作りたい。


by nazunanet | 2018-02-13 21:03 | 布のこと | Comments(0)
袋もの材料にしようと思って仕入れた着物や羽織や半纏など、

解いてしまえるものと、長いこと解けないままのものがある。

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東北の太い麻糸で織られた野良着や半纏など、
穴が開いていようが、痛んでいようが、
これを解くのは許されないんじゃないか、という気持ちになってくる。


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東北のおお麻の野良着。

穴の開いた風情まで、存在感が光っている。

手縫いのザクザクした縫い目にも、

洗いを重ねてアタリの出た藍染の色の妙が出ていて、

神々しいものにすら感じてしまう。
by nazunanet | 2018-02-13 20:31 | 布のこと | Comments(0)

「袋もの屋 薺nazuna」と「nazuna_antique」作家兼店主の日々のあれこれ。布のこと 麻のこと Antique FOOD 古道具 手仕事する人々のこと 


by nazunanet
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