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生成の布

藍や染めの布が好きだけど、

どうにも好きなのは、生成の布。

繊維そのものの色だからなのか、

染料が入らないので、洗うごとに柔らかく心地よくなっていく。

戦前に織られた日用の木綿のたっぷりした繊維の心地よさの布に、

また出会いたいと思うけれど、

なかなか出会えない。

カディなど手紡ぎ糸で手織りされている布などは、

甘く織られたもの特有の柔らかさがあって心地よいけれど、

袋ものなどに使うと傷みやすくなってしまうので、なかなか難しい。

丈夫で密に織られたものに出会えればいいなあと思う。



昔の日本の布の素晴らしいところは、

手紡ぎで手織りなのに丈夫で長く使えるということ。

なんて凄いんだろうと古布を手にして実感する。。。

そうは言っても、古布には寿命もある。

衣類や小物に使えても、重いものを入れるバッグにはなかなか向かない。

そこのジレンマもある。

見た目で古布が良くても、

耐久性を思うと新しい布がいいけれど、

どうしても昔の布を探してしまう自分がいる。

でも、

これまで新しい生成の布で小物入れやバッグを仕立てたりもした。

岡山にあった帆布を昔ながらの力織機で織っていたところのもの。

織られた糸が繊維豊かで、

風合いも表面の表情が使い込めば使い込むほど良くなっていく。

もう廃業されてしまっているのがいまだに惜しい。

定番のトートバッグやショルダーバッグは、今も毎日のように使っている。

何度も洗いを掛けたのでクタクタになってどんどん良い感じになってきた。

少しだけ残っている布で、またバッグを作ろうと思う。


古布の良さ、新しい布の良さ、

それぞれを上手く使い分けて、

手にするたびに心和むものを、

少しずつ作っていこうと思う。



腕の具合も良くなってきたので、そろりそろりと制作開始しています。










by nazunanet | 2020-11-01 12:01 | 布のこと | Comments(0)

今年は薺nazuna15周年

手仕事を始めて、HPでwebshopを開設して15年目。

今年も皆々様に喜んで頂けるようにと

さまざまに制作予定だったものの。。。

春先から日本に上陸してコロナ禍の自粛が始まった中、

制作に専念する予定が、

手と肘に故障ができて暫くの間休養することになってしまった。。。

去年の晩秋に足首を怪我したのもあって故障続き。。。


でも良いように考えてみたら、

足を怪我して出歩けなかったお蔭で、

冬から春にインフルやコロナに罹らなかったのでヨカッタのかも。

手と肘の動きが制限されて暫く制作できなくなったけど、

これまで知らなかったものや素晴らしいものに出会える機会もあったり。。。



針休みがずいぶんと長くなってしまったけど、

これまで殆ど休むことなくがむしゃらに縫っていたので、

ちょっと休みなさいよ、というお知らせかなと。。。


少しずつ良くなってきたので、

様子をみながらまた活動再開していこうと思っています。

15周年と言わず、

これからも長く手仕事の薺nazunaを続けていければと。。。


いつも薺nazunaへお越し下さり、本当に有難うございます!

また日々の暮らしのことや思ったことなど、のんぶりと綴ってまいります。

どうぞ宜しくお願いします。


経済活動が再開されて、行動自粛も解除されつつありますが、

まだまだコロナの治療法が確立していないので、

どうぞ皆さまお体に気をつけてお過ごしください。


なずな








by nazunanet | 2020-06-25 15:00 | 薺nazunaの手仕事 | Comments(0)

ちいさな袋もの

藍染の小さなはぎれを刺し子して、

はぎ合わせて作った小さな袋物。


ちいさな袋もの_d0221430_23520204.jpg


ループを編み込み、

糸を四つ編みにして紐を編み、

小さな小さな袋を作る。

何が入る?

何を入れるものなのかは使う人が見つける楽しみの一つ。。。


小さな袋ものは、小物入れやバッグなどの袋物を仕立てたときに出た残布。

薺nazunaの袋もの自体、着物や野良着や夜具などの古布を使用しているので、

リサイクルのリサイクル、、、。


江戸時代のリサイクル、エコ生活というのは完全に循環していて、

どこにも一切の無駄が無かったのだそう。

現代のファッション界で布や素材、プラスティック製品のリサイクルや、

廃棄する無駄を減らしていこうという”サスティナブル”という言葉を耳にするけど、

江戸時代の日本人はとっくにそんな生活を営んでいたんだなと。。。


でも、薺nazunaでは”古布”を使うのはリサイクルという意識ではなく、

美しい布、素晴らしい布を探していたら、

日本の昔の布、”古布”に出会ったというのが本当のところ。。。

昔の日本の無名のおんなたち(作り手)が自家用に手織りした布のすばらしさを、

ほんの小さな袋ものの中にも感じて貰えたらと思う。。。

ちいさな袋もの_d0221430_23521861.jpg


あまり裂をちくちく色糸で刺し子して、

はぎ合わせて、袋ものに。。。


少しずつ、少しずつ、

愛らしい袋ものを作っていけたら楽しいなあ。




by nazunanet | 2020-06-11 00:57 | 薺nazunaの手仕事 | Comments(0)
袋ものというのは、使うためにあるものなんだけど、

時に、希少な布を手にしていると、

袋ものに仕立てたいけれど、

あまりに繊細で、

あまりに凝った織りや染めの布だと、

ただただ、眺めていたくなり、

日用に使うものにどうしてできようかと思ってしまうことも。


けれど、

やはり布は縫い合わせて、布と布を重ねると、

より美しさが現れてくるように思うので、

やはり”袋もの”というカタチをした、

”布を愛でるもの”を作りたいなと思う。。。


それなら何も袋ものじゃなくても、と思うかもしれないけれど、

たとえば、留め具をつけた小物入れの仕上がったときの形や、

巾着の、糸で編み込んで作ったループに、

組紐や革紐を通して、緒締玉で引き絞ったときの形、

そういったものの中にある美しさが好きで、

やはり”袋もの”でなくては、と思ってしまう。


素材を少しずつ時間を掛けて集めて、

それらが合わさって、

出来上がるときを待っている感じ。。。

そうして、それを気に入った”お使い手”が現れたときに、

全てが完成するのかも。。。

今年も一つ一つそんな風に仕上げていこうと思う。





by nazunanet | 2020-03-07 22:26 | 薺nazunaの手仕事 | Comments(0)

アイテム制作の大詰めで、

かぶせの部分の布に傷みを発見して、お蔵入りした蛇腹式小物入れ。


お蔵入りの網代網尽くしの小物入れ(HPのニッキから)_d0221430_17020567.jpg


目立たない傷みだけど、使っているうちにすぐに破れてしまったら大変。。。

なので、これはお蔵入り。

 

この網代文様の染めや織り布がどうも大好きで、

よく登場させてしまう。

表も内布も網代編み文様なので、留め具も網代文様を彫ました。

 

花柄とか可愛らしい柄よりか、こうした江戸っぽい文様がなんだか好きで。

男っぽいといったら男っぽい。

なので、男性向きともいえるけど、女性がこうした渋めの小物をサっと手にしていると、

『粋な姐さん』的な風情が醸し出されて素敵だなと思うワケで。。。


お蔵入りの網代網尽くしの小物入れ(HPのニッキから)_d0221430_17021566.jpg

渋めの見た目に、裏地は華やかで艶やかなのが江戸っぽい。。。

そういう時に持ちたいのが、薺nazunaの小物入れだなあと思って、ひたすら作っている。


お蔵入りの網代網尽くしの小物入れ(HPのニッキから)_d0221430_17022695.jpg

木綿の中形の型染め。

なんてことのない襦袢や日常着にも、昔の人の手仕事は繊細で手抜きなど一切なし。

せっかく作ったのにお蔵入りは忍びないので、ニッキの上でお披露目です。。。


by nazunanet | 2020-02-13 17:14 | 小物入れ | Comments(0)
古布の麻と藍木綿や着物の裏や長襦袢に使われていた染めの布。

襦袢の染めは、たおやかな女ものよりも、

いなせな男ものが格好良いなと思う。

着物も、縞や格子や伝統柄の染めなどの、いわゆる男着物が好みな薺nazuna。

布好きが始まった頃は、絹の華やかなアンティークはぎれを集めていたというのに。

目黒の池田さんに通って、

モダンでレトロな昔キモノのハギレを買い求めていた頃は、

藍木綿は殆ど眼中に無かったと言ってもいい。。。

それが、ある古民家の骨董屋さんで一枚の藍染め木綿に出会ってからというもの、

昔の木綿の布、麻の布、藍染め、絣、縞、格子にどんどんはまっていって。。。

今は華やかな絹モノは、蚊帳の外に置かれてしまっているのかも。。。

でも、絹布だって、

素敵なもの、格好いいものを見つけたら、やっぱり集めてしまう。

天然の紅花染めや紫根染めの絹布の美しさや、

華やかな男襦袢の絹地の色っぽさなど。。。



もう今ではなかなか容易に見つけられなくなってきたから、

古いものでなくても、と思うこともあるけれど、

色や柄、そして織りの良さを思うと、やっぱり古布を探してしまう。

でも、古布も未使用のものから、何度も水をくぐったものまで様々。

袋ものに使うとき、木綿なら木綿、麻なら麻、といった感じで、

布を二重に重ねて縫っている。

無地の麻の裏に、鮮やかな色や柄の麻を重ねたり。


以前は、通常使われる化繊の芯地をアイロン接着していたけれど、

古くなって修繕したりした袋ものの擦り切れが、

案外、裏打ちした化繊の芯地の硬さと

古布の柔らかさが重なって痛みが早まったりしているような気がして。。。

柔らかい綿素材に、化繊の繊維の布は硬くてこすれると痛いだろうな、と思った。

アイロンで接着するから、接着剤がついてるので、

それを修繕するときにはがすと、古布の絹などは破れてしまう。

繕いできるように、作らないといけないとも思ったのも理由の一つ。。。

ふんわり心地よくて選んだ布を、

やっぱり出来上がったときも、ふんわり感を感じてほしいと思うから。



完成まで、もう少し。

出来上がりましたら、おしなものへアップします。









by nazunanet | 2020-02-04 00:57 | 薺nazunaの手仕事 | Comments(0)
もうすぐ完成します。

なんとか、今月25日までのiichiのキャンペーン期間中にアップしたいので、

頑張って縫っています。

でも、慌てて作ることはしません。。。

間に合えばいいけど。

とにかく丁寧に仕立てること。これが一番。

by nazunanet | 2019-12-08 02:04 | おしらせ | Comments(0)
明治に織られた柔らかな型染布に出会った。

「もう古くて良いものはなかなか出てこなくなりました」と

お店の方はおっしゃる。

残そうと思わなければ、あっという間に無くなってしまうものだけど、

少しでも、手から手へと繋いでいけるように、

無駄にしないよう、心ある物づくりをしていきたい。。。




機械で紡績した糸と、

ゆっくりと手で紡いだ糸はやっぱりふわふわ感が違う。

機械で紡いだものは、

やっぱり繊維の毛羽が削られたように無くなっていて、

その分、細く均等な糸なんだけど、

布になったときの柔らかさが全然違う。

明治の古い布が新しい布に比べて、

綿花を摘み取ったままのような柔らかさなのは、

それが手で紡いだ糸のみで手織りされたものだからだと思う。

そういう希少な布は日常使いの袋ものには向かないけれど、

でも、こうした布はなかなか出会える機会がないので、

手に取って楽しんで貰いたいと思う。。。

布の感触や染め色で目も楽しめて、

心和むものが出来たら、と思います。



by nazunanet | 2019-11-19 01:51 | 薺nazunaの手仕事 | Comments(0)

江戸葛布の重ね

江戸幕末の武士が着用していた裃(かみしも)の布を

小物入れに仕立てました。

江戸葛布の重ね_d0221430_15052586.jpg

江戸時代、武士に好まれていたという葛布。

和紙のような質感は、折り目正しい裃の装束にまさにぴったり。

明治になり、途絶えてしまった葛布の織り。

繊細な糸を極細番手の布に織る技はもう不可能なのかも。。。

均一な織り、そして「江戸小紋」と呼ばれる極細の縞の型染。


江戸葛布の重ね_d0221430_15082716.jpg


光沢ある葛布は、薺nazunaを始めてから一度だけ出会った珍しい布。

過去にわずかに一点だけ小物入れを制作したきり。

その後、もう一枚、別の葛布を手に入れることができたので、

葛布の重ねが実現できました。


江戸葛布の重ね_d0221430_15062074.jpg


江戸葛布の重ね_d0221430_15084630.jpg

経糸は木綿、緯糸を葛糸で織られたもの。

こちらの縞もやはり織り上げた後に、型染で染めたものです。

江戸葛布の重ね_d0221430_15070397.jpg

武士の装束を小物入れに、ということで、

流しの着物の懐に入っていそうな雰囲気に。。。

竹も幕末から明治頃の煤竹を使って、手彫りで留め具にしています。


江戸葛布の重ね_d0221430_15080571.jpg

表のかぶせの前飾りには、出雲の山桜。

40年以上乾燥させたものなので、赤味がかった艶がお使いのうちに

どんどん色艶が増していきます。

江戸葛布の重ね_d0221430_15074356.jpg

緒締玉は、ローマ時代の古代ビーズ、カーネリアン。

麻糸を四つ組にした組紐に通してあります。

大切なものを仕舞うための道具、小物入れ。

バッグやジャケットの懐に、

お好きな香りを包んだ文香や香袋を忍ばせたり、

アクセサリーやお守りを仕舞ったり、

ジュエリーに添えて贈り物にも。。。

さあ、何を仕舞いましょうか。




by nazunanet | 2019-04-18 15:27 | 小物入れ | Comments(0)
布のはぎれが沢山ある。

その多くが、小さな袋物さえ何も作れないような切れ端ばかり。

捨てられてしまうような切れ端を、キルトのピースとして再利用。

ぬいしろをつけて三角形や四角に切ってためておいて、

時間の空いたときにちくちくと縫い合わせていく。

三角形を合わせて四角に、

四角を連ねて大きなピースに。。。

リネンやヘンプ、コットンの生成布のグラデーション、

藍の様々な色のグラデーション、

三角を縫い合わせていると、

ネイティブアメリカンの古いキルトのようなものが出来上がってきた。

あり合わせのハギレや切れはしで作るからこそ、

作りたいと思えるキルト。

わざわざデザイン画を描いて布を選んでは作りたいとは思わない。

韓国の昔のポシャギも、アメリカの古いキルトも、

日本の襤褸も、余り布を使ったものだから。



小さなピースを縫い合わせる作業が延々と続くんだけど、

妙な心地良さがあるのがキルトの面白いところ。。。

カンタ刺繍で制作途中のキルトと同様に、

出来上がりが楽しみだけど、いつ出来上がるのか見当もつかない。。。

それもまた面白い。

by nazunanet | 2019-03-23 23:05 | 布のこと | Comments(2)

「袋もの屋 薺nazuna」と「nazuna_antique」作家兼店主の日々のあれこれ。布のこと 麻のこと Antique FOOD 古道具 手仕事する人々のこと 


by nazunanet
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