中国地方は岡山辺りまでしか行ったことがないので、
しかも、島根は山陰地方。
神話と神秘が満載の国。
もう見るもの全てが新鮮で、この海の景色の美しいこと。
山陰地方は交通の便があまりよくない。
でも、それがかえって自然や古代遺跡などが守られてきた所以なのかも。
出雲大社さんの周辺を歩いているときも、
地元の方とすれ違うと必ずといっていいほど、
にこやかに挨拶してくださった。
心持ちが穏やかで、旅人を笑顔でもてなして下さるのは、
観光地で有名な出雲だけじゃなく、
小さな漁港と温泉の町、温泉津でもそうだった。

一両編成(!)の山陰本線(浜田行き)に乗って、
ひたすら海岸線を走る。
コバルト色に輝く海原の美しいこと、
垣間見える小さな漁村のつつましく静かな佇まいが、
日本の侘びさびを思わせる。
突然の土砂降りに、駅のベンチでしばし休んでから、
今晩泊まる旅館に向かう。
送迎バスがあるのは知っているけれど、
歩いていける距離なら、観光をかねて徒歩で見て回りたい。

岩山に張り付くように密集して建てられた温泉街。
昭和レトロというより、それ以前。
明治大正、いやいや、江戸期かと思わせる木造建築の旅籠があちらこちらに。
町内を流れる水路の石垣に、
手のひらよりも大きい沢蟹がいっぱい。
すごい、すごいと小学生のように見入る私。

途中の温泉街の入り口にある観光案内所に立ち寄ったときも、
地元のスーパーで買い物したときにも、
梅雨どきにやってきた観光客の私たちを大いに歓迎してくださった。

街歩きしていると、地元のおじいちゃん、おばあちゃんらが、
よくお越しくださいましてと、にこやかに挨拶してくれる。
島根の人は本当にもてなし上手で、
親切な人ばかりだなあと感激してしまった。

木造の洋館はカフェとアンティークのお店になっていて、
昔、石見銀山が栄えていたときの北前船が往来していたころの、
華やかな歴史を語ってくれている。

中も素敵。テーブルや椅子やインテリアも昔のままのものがたくさん。

名物カプチーノ。
さあ、今日はゆっくり温泉で疲れをとったら、
明日は石見銀山を歩き廻るのだから早く寝よう。