01.師走 THU 雨のちくもり
なかなか前もって予定を立てられない我が家の事情の中、
予定をかいくぐって、急遽、箱根まで小旅行と相成った。
新宿駅で軽食を買い求め、小田急ロマンスカーの乗り場へ急ぐ。
しかし!
その後、待てど暮らせど列車が来ない。。。
1時間前に出るはずの列車すらまだ来ていないようで、
ホームには呆然とした人々の群れ。
駅員が何度もダッシュしながらの右往左往。
切符の払い戻し、買い戻しの人々。
どうしたのかと思ったら、駅のアナウンスで、
「乗客同士のトラブルにより、全線停車の指示が出て、
只今60分遅れになっております。」
ええーー???
結局、1時間以上遅れて出発できたけど、
トラブルで全車停まるって一体何があったんだろうと疑問符。
(帰宅後、ニュースでトラブルの原因を知って笑ってしまった。
「コートが顔に当って大げんかに発展」という理由だったようで。本当にハタ迷惑。。。)
到着するのがお昼を過ぎてしまいそうなので、
向こうでランチにありつけるかな。。。
駅弁屋さんで買った軽食。小さなあんパン一個ずつと、天むすを二人で半分コ。
向こうでお昼ご飯も食べるし、と思って少なめに。
以前、山梨県の塩山市へ観光に行った際、
夕暮れ間近になってからは、食事のできるお店が休日などはどこも営業していなくて、
しかも駅弁も売っていない(というかそもそも駅弁屋がないし、
土産物店の弁当は早々に売り切れ!)。
行きの列車内で駅弁を食べたあと、
東京に戻るまでご飯にありつけなかった。
住人&観光客の人口が少ない観光地では、
旅人は完全に食いっぱぐれることが有り得る、
というのを思い知ってから、とりあえず、必ずパンは買っておこうというのが癖になった。
最悪の状況でもパンならベンチや草の上、岩の上だって食べられる。。。
冬のハイキングならチョコやクッキー、クラッカー類、飲料水も必需だろう。。。
しかし、箱根は完全に都会なので、何の心配も御無用なのですよ(笑)。
自然もあるし、都会でもある。いい感じ。
住んでみたいとさえ感じる。なんてたって温泉があるんだもん。
そんな箱根は外国人の観光客でいっぱい。
その殆どがアジア系外国人。
駅前も結構変わったような気がする。
新たなお土産物屋さんや、新しいお店が色々出来ていて。
箱根に来ると、登山電車で山の方や芦ノ湖の方へ行っていたけど、
意外に、箱根湯本の界隈は殆ど廻ったことがない。
なので、今回は上には登らず、湯本の界隈、旧東海道などを散策するつもり。
どこでお昼を食べようかとウロウロ。
大通りの一本裏に、ちょっと気になるお店があった。
ハイカラ中華日清亭。
お店の自家製の手打ち麺が食べられるというので行ってみた。
旅行者も地元のお客さんも多いというのが良い感じ。
麺がツルツルピカピカ、モチモチで美味しい。
チャーシューも手作りで厚みがすごい。
旅行者の方々も箱根に来たらここに寄る、というような感じのリピーター多し。
うむうむ、いいとこ見つけたかも。。。
湯本橋を渡ると、紅葉が見えてきた。
都内ならともかく、箱根はもうとっくに紅葉が終わっていると思っていたのに、
ちょうど良い感じの紅葉があちらこちらで眺められる。
今年の秋は長いこと暖かかったからかな。。。
観光案内所で地図を貰っていたら、
係の人が「今年は紅葉がこの時期に見れるなんて今まで無かったことですよ」と。
「箱根は11月中旬頃までが紅葉のピークなので、
12月は冬の景色になっているところなんです。」
良かったー。今年は秋はバタバタで、
紅葉を見に行く時間が無くて残念に思っていたので、
本当にラッキー!!
雨だと聞いていたけど、良いお天気になった。
今年は梅雨で台風の時期でさえも、旅の行く先々でお天気に恵まれた。
感謝、感謝。
今回は何度も訪れたことのある箱根なので、
宿に着いたら何もせず、ひたすらゆっくりリラックスして過ごす予定。
巷の多くの主婦がそうであるように、家ではなかなかダラダラゴロゴロ出来ないもの。
「温泉旅館でゴロゴロしてみたいよー」と言っていたら、
箱根に連れて来て貰えることになった。
今回は観光というより、温泉療養でのんびり浸かってリラックス出来て良かった。
夏頃、腹痛が治らず精密検査を何度も受けたけど異常なしで、
結局、ストレス性なのかもね、というような感じで。。。
まあ、長年、甘えっこだったにゃんこ先生の御世話もあって
慢性的な睡眠不足だったのが、
今も殆ど改善されていないっちゃー、ないし。。。
睡眠不足は万病の元だな、と実感。。。
翌朝、朝食が済んでチェックアウト。(1泊2日はあっという間ね。。。)
宿の近くに美味しいお蕎麦屋さんがあるというので、開店時間まで近辺を散策。
滝通りの横を流れる須雲川。
そこに玉簾の滝があるというので行ってみた。
何やら大きな観光ホテルの敷地を入ってでないと、
滝や神社の方へは行けないらしい。
・・・かつては、滝通りを歩くと須雲川の背景に
美しい滝の流れる光景が見えてたのかも。。。
玉簾神社の滝のそばで。アヒル(多分♀)と鴨(♂)が
ずっと一緒。おしどり(?)夫婦な感じで可愛い!
撫でようとしたら、鴨ちゃんがアヒルを守るかのようにグイグイと前へ出て、
私の手を甘噛みする。
私を威嚇しているのか懐いて来たのかよく分からないアクションだった。。。
こんな立派で美しい滝が、こんな場所で見れるとは不思議な感じ。
本来ならばもっと山の上に登っていってやっと見れるような景観なんだし。
・・・そういうわけで、この反対側にはズラリと巨大ホテルの客室の窓が並ぶ。。。
そして滝の前の広場には、何故か下世話な仕掛けが幾つも並ぶ。(笑)
顔ハメ看板や、ボタンを押すと大音量で流れる
昭和の歌謡曲(玉簾の滝のテーマソング?)や、
リングの貞子の井戸まで!
そして花のフラワーゲートに
恋愛成就あらたかな神社のパワースポットと紹介されてる。。。
なんか、どうして日本の観光地ってこうなの~?と嘆いてしまうよ。
箱根の芦ノ湖の白鳥型の船。。。
(ダンナさんは「白鳥くらい、いいじゃない」と言うけれど)
大人が自然をそのままのロマンに感じられない、
妙なコテコテバラエティ感が失笑を呼ぶ。。。
箱根こそ、もっとシックな観光地を是非目指して欲しいものだけど。
どうなの??(笑)
もっと山を登るのかと覚悟していた玉簾の滝が
思わぬくらいに簡単に見学出来たので
、
お蕎麦屋さんの開店時間まで、まだ時間がある。
そういえば、箱根ベーカリーというパン屋さんがあった。
そこでパンを買って(お約束の)、朝の珈琲でも飲もうということになり。。。
パン屋さんの横に、
旧東海道へ抜ける石畳の道があると地図で知って、歩いてみることに。
上り坂を歩いていると、結構うっそうとした渓谷のような道になっている。
路地沿いに立ち並ぶ建物の多くが廃虚か今にも崩れ落ちそうな建物で、
でも普通に従業員宿舎として使われているようなので、ちょっと驚き。
この道も、旧街道や古い昔の道を歩くのが好きな人にとっては
格好の観光場所なのでちょっと勿体ないような気もする。。。
地図にある『猿沢橋』が近付いてきた。
そこには猿、ではなく、
二匹の茶トラの猫が橋のたもとに佇んでいる。可愛い!
長毛種の動じないお嬢様系にゃんこと、
そのコにひたすら甘えている若いオス(去勢済み)。
オス猫は私達を警戒して、ちょっと離れたところからチラチラ見ている。
パイプに乗っているお嬢の茶トラは、
目はしっかり私達を警戒気味にとらえているけれど、
逃げようという素振りは一切なし。堂に入ったもんです。
猫に後ろ髪を引かれながら橋を渡って、江戸時代に敷かれた石畳を歩く。
慣れない石畳に苦戦しつつ歩いている横を、
ホテルのスタッフらしき人々が足早にスタスタ歩いて行く。
猿沢の辺りの写真を撮ったり、猫を撮ったり、
そこかしこの巨石に驚いたりしているうちに、
もう時間いっぱい。お蕎麦屋さんへ急がなくちゃ。
「手打ち蕎麦 彦(げん)」
二八(ニハチ)蕎麦、なかなか味わえない種類のお蕎麦。
殻付きの石臼挽きのそば粉を打つのは至難の業だというお話。
大量に手打ちできるお蕎麦はどこででも食べられるけれど、
蕎麦好きが嵩じて店を始めた職人さんの、
商売っ気なしで作っているお蕎麦は贅沢な美味しさ。
おすすめの鴨(!)汁のつけつゆの蕎麦が美味しそうだったけど、
最初は一番シンプルな盛りそばで味わいたくて。
美味、美味。。。
今度箱根に来るときも是非、ここでお蕎麦を食べてみたい。
でも1日15食限定の二八蕎麦にありつけるかどうか。。。
旧街道をゆく。早雲寺は創建の古い、北条氏由緒深いお寺。
立派な本堂は重そうな板扉で閉じられていて、
中の御本尊を拝むことも出来ない。
お墓参りの地元の方々が「おはようございます」と挨拶してくださったので、
「ここの本堂はいつも閉まったままなんでしょうか?」と尋ねると、
「箱根の山からお猿が来てね、中のものをめちゃくちゃにしてしまうのよ」
「お供えもののお菓子や果物も全部、持っていってしまうの」
「観音様のところも大変だって言ってたわ」
「うちの家も大変なの」と。。。
そうなんだ。箱根の猿ってそんなに被害があったとは。
今のところ、お猿さんに遭遇していない。。。
箱根は水が豊かなせいか、コケの生育が非常にすばらしく。。。
箱根湯本の界隈を散策し尽くして、家路へ着く。。。
楽しかったし、ゆっくりのんびり出来たし、疲れも取れた。。。
温泉、最高ー!
ああ、また行きたい。。。
帰宅後、買ってきたパンを食べる。
箱根ベーカリーのクリームパン。
駅前のおまんじゅう屋さん「菜の花」の栗のおまんじゅう「月のうさぎ」。
大きな栗が入ってる。
箱根の駅前の干物屋さんで買ってきたサンマの一夜干し。
香ばしく焼いて、この間友人に貰った「旭ポンズ」で食べる。
美味しいー。
旭ポンズ、美味美味!
箱根旅の思い出に浸りつつ、舌鼓。。。
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