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カテゴリ:art、 music,movie,etc( 38 )

およそ40年前に再版された豪華本。

「木を植えた男」で知られるジャン・ジオノが謎多き画家

チャールズ・フレデリック・ブランの話しを描いた本。

これはイタリアの手漉き紙を使ったもの。

図版はあとから印刷されたものを貼りつけてあるという仕様。

ジャン・ジオノの死後1973年に刊行された初版のものに比べたら、

チャールズ・フレデリック・ブランの愛らしい絵画図版の上に保護紙がないので、

幾らか簡易な作りというものなんだと思う。

チャールズ・フレデリック・ブランの絵。

こんな本を手にできるなんて、嬉しい限り。。。

フランコ・マリア・リッチ出版の豪華本「脱走者」_d0221430_17224226.jpg

フランコ・マリア・リッチ出版の豪華本「脱走者」_d0221430_18411765.jpg

紙をめくる指が嬉しくなるような心地の良い紙。

手の脂がついてしまいそうなので、

写真用の白手袋をはめてから手に取るようにしている。

豪華本の出版で有名なFranco Maria Ricciによるもので、

印刷された文字だけを眺めるだけで惚れ惚れしてしまう。

書体の美しさ。

文字そのものが絵画のような。


どんなにデジタル化が進んでも、

紙に印刷された本の楽しみ、美しさは永遠に残っていくべきものと思う。



by nazunanet | 2020-03-13 19:00 | art、 music,movie,etc | Comments(0)

展覧会を観に、東京国立博物館へGO!

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正門を入ると、法隆寺宝物館を臨む方向に、梅の花が満開になっているのが見えた。

その手前ので聳えている巨木に眼をやると、

メタセコイアの大樹。


「日本書紀成立1300年 特別展 出雲と大和」_d0221430_17215996.jpg

恐竜が生きていた時代から続いているイチョウと同じく、

生きている化石と呼ばれているメタセコイア。

大阪ではかなり御馴染みの木。(化石発見者は大阪の教授)

そういえば、東京でも昔住んでいた駒沢の散歩道はメタセコイアの並木道だった。

よくよく大きな幹を見ていると、

なるほど恐竜が横を歩いていても馴染むような姿。。。

とにかくすごい迫力。紅葉もとびきり美しい。

「日本書紀成立1300年 特別展 出雲と大和」_d0221430_17221000.jpg

下にいっぱい落ちていたのは、メタセコイアの実。

松ぼっくりみたいで可愛い。

中身の小さな実が発芽して、あんなに巨大な樹になるんだからすごい。

「日本書紀成立1300年 特別展 出雲と大和」_d0221430_17222157.jpg
紅梅も艶やかに咲いています。

そして、菅原道真公が愛した白梅も。。。

「日本書紀成立1300年 特別展 出雲と大和」_d0221430_17223258.jpg

「日本書紀成立1300年 特別展 出雲と大和」_d0221430_17224635.jpg

梅の香が辺り一面に漂って、

すぐ目の前に法隆寺宝物館もあって、幽玄な雰囲気。。。


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「日本書紀成立1300年 特別展 出雲と大和」_d0221430_17225924.jpg
表慶館と緑の阿吽のライオンを眺めながら、さて、平成館へ。。。


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「日本書紀成立1300年 特別展 出雲と大和」_d0221430_17232592.jpg


入り口の足元に、落ち葉と緑と黄色の葉っぱが綺麗。

この黄色い葉っぱは何ぞや。。。


展覧会場内での写真撮影が禁じられているけれど、

二か所だけ撮影できるスポットがある。

レプリカを展示してある場所。


「日本書紀成立1300年 特別展 出雲と大和」_d0221430_17233985.jpg
銅鐸が大量に出土した様子を再現。


銅鐸には舌(ゼツ)という、鈴を鳴らすものが入っていたりするけど、

これが大量に見つかったときは入れ子状態で埋められていたそうなので、

鳴らすこと、埋めること、何かの役割がそれぞれあるんだろうと思う。

まだ使途は不明の銅鐸らしいけれど、

地鎮祭のような、鎮めの儀式などあったのかなあと想像する。

古代の日本もきっと地震や大地の活動が活発だったろうし、

大地の鎮めの儀式とか、あったのかなと。。。

古代への想像が膨らむ。。。




今回の展示は、出雲から心柱、宇豆柱がやってきていること。

そして、その巨大な心柱と宇豆柱が支える出雲社殿の模型もお目見え。

これは17年に出雲へ行ったときに、博物館で拝んできたものだったので、

なんだか馴染み深い。。。

2000年にこの柱が発見されたとき、伝えられてきた本来の出雲大社の姿が、

真実だったのでは、と一躍脚光を浴びたので、ものすごく覚えてる。

まさに古代のロマン溢れるニュースだった。

出雲へ行きたい!とずっと思ってて、やっと出雲を訪れたのが2017年の夏。

島根県の旅は素晴らしかったなあー。



「日本書紀成立1300年 特別展 出雲と大和」_d0221430_17241314.jpg

今回の展示では、圧巻の青銅の剣や巨大な埴輪、

今まで見たこともない聖徳太子時代の美しい装飾の金工ものや、

石仏、巻物、出雲風土記、延喜式など一同に揃っていて、見応え充分。

あまりに熱心に見ていて、また、休憩スペースやベンチが少ないものだから、

脚が、足が、という状態に。。。

本館の改装しているところもあって、ちょっと常設はあまり見れずで寂しかった。

でも、丁度、室生寺の御仏が来館(?)されていて、感激。。。。

なかなか奈良の室生寺までは行けないので、勿体ない~~と拝んでしまった。

十一面観音菩薩像と地蔵菩薩像などなど、

室生寺の御仏方に心が洗われるとはまさにこのこと。

拝観できて良かった。。。

でも、写真を撮ってもOKというのが少なくて。。。

まあ、なんとか何体か撮れたのは嬉しいなあ。

「日本書紀成立1300年 特別展 出雲と大和」_d0221430_17244904.jpg
他のお寺からも御仏が来館。(って人みたい?)


「日本書紀成立1300年 特別展 出雲と大和」_d0221430_17250476.jpg

やっぱりお不動さんも拝んでしまう。

この炎を背負ってる感じ、格好いい!

それから、博物館に来たら必ずミュージアムショップを覗くのも楽しみ。

今日のお土産は奈良のヒノキの御箸と、これ!

「日本書紀成立1300年 特別展 出雲と大和」_d0221430_17252097.jpg

古墳クリップ!

可愛いし、使えない。。。いや、でも、使う。(笑)

これは特別展のみのショップで購入したもの。

他に、青銅神鏡ポーチというのもあって面白い。

前に縄文展のとき、火焔式土器型のクッキー型があったり楽しかった。

ミュージアムショップものって、チケットホルダー、ブックマーク、

絵葉書、クリアファイルが定番で。。。

だんだんマンネリになってきた感も否めないので、

またエッジの効いた面白いものを生み出してほしい。。。




「日本書紀成立1300年 特別展 出雲と大和」_d0221430_17242565.jpg


本館はクラシカルな内部の様子や照明が美しい。


「日本書紀成立1300年 特別展 出雲と大和」_d0221430_17243727.jpg

特別展はなくとも、いつも訪れたい東博。。。

外はすっかり真っ暗に。

ゆっくり、ゆっくり、さあ帰ろう。。。






by nazunanet | 2020-02-20 18:40 | art、 music,movie,etc | Comments(0)
山沢栄子生誕120年を記念して開催された写真展。

東京都写真美術館へ。

山沢栄子 「私の現代」 写真展_d0221430_11333918.jpg

写真をツールとしての”絵画表現”など、

戦前から活躍された女性写真家の草分け的な方の作品でありながら、

今にない作風が新鮮に感じる。

晩年1987年、アリゾナ大学創造写真センターからのインタビュー映像で、

(デボラ・アーマス、バーバラ・カステン両氏がインタビュアー)

そういった作品をご本人は、

「NO,NO....hahaha」と苦笑いされておられたけれど、

でも、そういう実験的な作品それこそが面白いと思ったものだけど。。。


山沢栄子さんという写真家を、この展覧会で初めて知った。

広告など商業写真家であったことが、あまり後世に認知されていなかったのかも。


戦前1941年にニューメキシコで撮影された「月の出 ヘルナンデス」

という作品が非常に美しかった。



1月26日まで恵比寿・東京都写真美術館にて開催






by nazunanet | 2020-01-17 11:56 | art、 music,movie,etc | Comments(0)
天皇陛下御即位記念で東京で正倉院展が開かれている。

いつもは奈良で、しかも開催時期は直前になってから発表されるので、

遠方にいると、なかなか観ることができなくて。

なので、今年の展覧会があると知って、大いに楽しみにしていた。

上野 東京国立博物館「正倉院展」へ_d0221430_21065117.jpg

上野 東京国立博物館「正倉院展」へ_d0221430_21070114.jpg


日によって、時間によって、超混雑していると聞いたので、

今日はどうなのかな、と行ってみたら。。。

やはり、やはり70分待ち。

でも、まあ、100分待ちのことだってあるそうなので、早い方なのかな。。。


上野 東京国立博物館「正倉院展」へ_d0221430_21071320.jpg


やはり長時間、ずっと立っているのは足に来る。。。

一時間以上待って途中で帰ってしまう人も。

真夏と真冬の時期はちょいと辛いね。


館内は思ったよりも混雑は無く、スムーズに拝観できるのも

誘導する係員がいつもより多い。

みんなのお目当て、螺鈿紫檀五絃琵琶。

撮影できたのはレプリカだから。

(最後のコーナーに撮影ポイントがある。)

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細かな螺鈿の細工はレプリカといえども素晴らしく、

これを再現する職人の方々の精緻な仕事に息をのむ。。。

上野 東京国立博物館「正倉院展」へ_d0221430_21075840.jpg
華やかで、雅ななかに愛らしさがあって、

色んな博物館で古来からの皇室ゆかりの品を拝見すると、

全ての手仕事の細かさと優美さと彫りや細工のなめらかさが、

将軍家、大名家ゆかりのものと一線を画する。

携わる職人も特別に抜擢された名人達なのだろうなあ。。。

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上野 東京国立博物館「正倉院展」へ_d0221430_21081727.jpg


灯りのイベントがあって、ライトアップされた博物館。

すっかり日が落ちても、展示会場へ向かう人が途切れない。

さあ、次の後期の展示にも行きたいなあ。。。


帰宅後、足と腰がぐらんぐらんになった。(笑)

2日ほど、動けなくなってしまって、

もっともっと歩いてリハビリしないといけないなあ。。。










by nazunanet | 2019-11-07 21:32 | art、 music,movie,etc | Comments(0)
スティーブン・キングの小説は怖くて、

でも、大好きなブラッドベリを思わせる世界感もあって、

長編小説”ダークタワー”も、見逃せなくて、

ついつい怖い怖いと思いながらも、

読んでしまうところがある。

結構昔の短編集で、一人で読んでいたらあまりに怖くて、

後から後悔したくらいの。

友人に話すと「読みたい、貸して!」というので貸したら、

やっぱり読んでる途中で「なんで読んでしまったんだろう!」と

思いっきり後悔した、という短編、「浮き台」。(本当に怖い)

でも、この短編、映画化されたんだけど、

それは非常に不出来なもので、

全く怖くない。

映画を見てから読んだら、きっとあんなに怖いと思わなかっただろう。(笑)

でも、スタンリー・キューブリックが映画化した「シャイニング」は別格。

あの冒頭の俯瞰図から雪山を背景にしたホテルへのシーン、

映画の中のすべてのシーンが美しく、恐ろしい。

原作の小説を読むと、かなりの部分が監督が作り直したものと分かった。

クライマックスの生垣迷路も結末も違う。

これは全く別ものの作品とでも感じるくらい。

だからなのか、キューブリック作品をS・キング氏は酷評だったし、

全く認めていないらしかった。

後にキング自身がメガホンを取って「シャイニング」を”完璧に映画化した”けれど、

なんだろうなあ~~。

なんだかギャグ映画のようにさえ感じる仕上がりになっていた。

作者の思い入れが強すぎて、映像化すると滑稽になってしまうのか、何なのか。。。

そして「ダークタワー」の映画化も、

どんな風に映像化したのか興味があったけど、

あの長編を短くしなきゃいけないんだし、こんなになっちゃったんだね。。。

と残念でしかない。

「ダークタワー」は「アトランティスのこころ」という作品にも出てくる

ちょっと謎な男たちが出てくるので、

どんな表現なんだろうと楽しみにしていたけど、

描き方がごくごく平凡な感じだった。

「アトランティスのこころ」(主演の少年がアントン・イェルチンなの!悲)

も小説は本当に面白くて、やはりブラッドベリの匂いがしていて。

アンソニー・ホプキンスもアントン少年のキャスティングも申し分ないけど、

暗黒からやってきた男たちの描写がねーーー。

原作を読んだものにとっては残念なのよね。


そんなこんなで、最近シャイニングの続編が映画化されるというのを耳にして、

「あー!まだ読んでなかった!」と焦ったのなんの。

映画化されてしまってから原作を読んだら、

配役も場所も背景もすべて映画のまんまになってしまう。

それでは楽に読み進められるだろうけど、あまりにもつまらなくなってしまう。

小説を読む面白さは自分の想像世界の羽ばたきにあるわけだし。。。



そう、その続編というのは、

「シャイニング」で脅威の第六感少年、ダニー君が大人になってからの話し。

大急ぎで「ドクター・スリープ」(分厚い上下巻、しかも一頁2段構え)を

手に入れ、丁度上巻を読み終わったところ。

最初はこんなに分厚いから大変、と怖気ていたけれど、

怖いというよりも圧巻のエンターテイメントで、

ぐいぐい引き込まれて読み進み、あっという間に上巻を読破。

もう下巻はどうなるのか、今からワクワクドキドキ。。。。

やはり巨匠の作品は面白い。

でも、これを映画化するって、また大変だなあ、、、と思う。

どんな風に、どこを切り取るのか、

そういうのが映画監督の腕の見せ所。

是非、楽しませてほしいね。

キングの作品の映画化はアタリはずれが大きいので。。。



そうそう、「砂の惑星」もリメイクするというので、

全巻読破しました。

面白い!

でも、航宙士ギルドや”香料=スパイス”で宇宙を航行する映像表現は

デビッド・リンチ独自のものと分かって、

やっぱりリンチは凄いなあ、と思いました。。。



by nazunanet | 2019-09-07 23:08 | art、 music,movie,etc | Comments(0)
昨日、たまたまネットで見つけたツインピークスについての記事。

去年の段階でこんな映画評が出てたんだ、と驚いた。

町山智浩氏と滝本誠氏の対談。

ツインピークスのこと、デビッド・リンチのこと、

そして、続編があるのか無いのか、

モヤモヤしてしまった「ツインピークス リターン」のことをぶった斬ってた。

tsutayaのサイト内の去年の記事です。

https://tsutaya.tsite.jp/news/kaidra/i/40406912/index
(2018年8月26日 (日) 16:18 配信)

結構面白いのでツインピーカーは是非ご一読あれ。。。

個人的には、このシリーズをまた撮って貰いたいものだけど。


でも、欲を言えばリンチ氏の新作を観たいなあ。

年齢と共に、作品が難解になってきて、

どんどん大衆の喜ぶようなものから遠ざかっている感も無きにしもあらず。。。

そういうリンチ氏と反比例するかのごとく、

アメリカ映画はどんどん娯楽&コミック要素が増していくし。

私の大好きな映像作家であるデビッド・リンチもクエイ兄弟も、

アメリカ人の映画作家で、

しかも、同じフィラデルフィア出身ときている。。。

フィラデルフィアはかつて工業都市だったけど、

工場はもう閉鎖されて街が廃れきっていると聞く。。。

そんな廃れ乾いた街から、あんな稀有な芸術家が生まれ育つのか。。。

綺麗で心地よく、幸せな土地から芸術なんか生まれっこない、

と誰かが言っていたけど。。。




そういえば、「砂の惑星」がまたハリウッドでリメイクされるとか。

リンチ作品の中ではこの作品は辛辣に酷評されていたけど、

個人的には好きな作品なんだけどなあ。

SF小説としては古典で有名な作品なのに、

いまだ原作を読んだことがない。

リメイク作品が公開される前に読んでみようかな。

かなり長編と聞いているので、間に合うだろうか。。。



by nazunanet | 2019-08-09 23:31 | art、 music,movie,etc | Comments(0)

「大いなる沈黙、グランド・シャルトル―ズ修道院」の映画に引き続き、

そんな風に、映画や絵画を観るとき、

衣装や小物、布の質感などを見てしまう。

ヨーロッパやアメリカ映画の歴史ものは、

忠実に衣装を再現しているので、実に興味深い。


イタリア映画の巨匠ヴィスコンティの作品は、

貴族社会を描いたものなら、階級に忠実に、

全てが最上質のもの。

窓のカーテンに至るまで。

「ベニスに死す」に登場する避暑地にやってくるブルジョア階級の、

海辺の普段着の華麗なこと。。。

白とネイビーのストライプをあしらった白いレースのドレス、

レースも遠目にも上質なものばかり、

リネン、シルクなどのまるでアンティークかと見紛うまでの

見事な衣装を揃えていて、

それがふらっと画面を通り過ぎる登場人物であっても、

そこに滞在する人々は全員が上流階級、特権階級という設定なので、

どれを一つ取ってもなおざりにされているものがない。


今の娯楽作品の方が往年の映画よりも莫大な予算が掛かってるだろうけれど、

往年の名画など、細かく見ていると、

どれほどの手間とこだわりが詰まっているかは計りしれない。。。


少し前に観たのが、1965年制作の日本映画の「怪談」(小泉八雲原作)の、

衣装や小物、舞台設定、演出の美しいこと。。。

こういう映画はもう日本では作れないだろうと思う。。。

作品中に登場する市場のシーン。

今は高価な値で取引される日本の麻の反物がいっぱい並べてあって、

見ているうちに欲しい気持ちが湧いてくるほどに。。。

使われている機織りや染めの工房らしきシーンのものも、

時代や道具の考証の確かさも感じて、

本当に名作だなあと感動してしまう。。。


海外映画では、フランス宮廷を舞台にした「宮廷料理人ヴァテール」も、

小道具や衣装が面白い。

ストーリーは、太陽王ルイ14世の時代の僅か数日のお話し。

王が貴族の屋敷に逗留し、その晩さん会を任される野心家の宮廷料理人。

物語は失墜した王の信頼を取り戻そうとする主人に仕える料理人ヴァテールと、

権力争いの貴族ら、王妃の侍女と王との恋の駆け引き、

主人に翻弄される召使たちの悲哀、などなど、様々に入り組んで、

晩餐の趣向を凝らした演出や、食材を調達するために、

まさに名誉と命を懸けるほどの。。。


王や貴族らの招待客らが目にすることのない、

邸の台所、キュイジーヌで働く召使たちの衣装が心つかまれる。

フラックス色のリネンの長いローブのような上っ張り(!)、

エプロンも共布に、袖のカフスはどこまでも長く、

前合わせのボタンは小さいものが幾つも並んでいるのも素敵で。

貴族や王妃や侍女たちの煌びやかな衣装よりも、

料理長ヴァテールや職人達の衣装が気になった。


中世の時代ものの映画は、

リネンのシャツのギャザー使いや、

上着やコートの流れるようなドレッシーなラインが魅力。。。

生地もちゃんと当時存在しているものを厳選していたり。


古今東西を問わず、映画や舞台を見る時は、

必ず衣装と小物をチェックしているかも。。。

ここを雑に扱っている作品は大抵あまり良い作品じゃないことも多い。。。


衣装デザインが有名な映画というと、ちょっと昔の映画になるけど、

「アンタッチャブル」のアルマーニの衣装とか、

「炎のランナー」の衣装も良かった。。。

どちらもメンズ系なのが私好み。。。


ジャン・ジャック・アノーの映画「ラ・マン(愛人)」は、

センセーショナルな描写で話題になった作品だけれど、

戦前のインドシナの繁華街が描かれているシーンが美しい。

小さな路地にひしめきあう屋台や人々の当時の衣装が、

忠実に時代を再現していて、藍染めの長上着や真っ赤なチュニックなど、

当時の衣装を着ているインドシナの人々の姿に見とれてしまう。

屋台もフランス領だったインドシナらしく、

オリエンタルでエキゾチックな、シノワズリなデザイン。

吊るされているランタンの灯に、

照らし出される茶器や陶器の何と風情のあることか。

屋台の食堂の趣味がいいことといったら。。。


マルグリット・デュラスの自叙伝が原作なだけに、

セクシャルな描写が多い映画だけど、

衣装や街の景色の演出が凝っていて、

さすが、アノーの作品だなと。。。


また時代ものの佳作作品を観直さなくちゃ。。。





by nazunanet | 2018-11-20 23:34 | art、 music,movie,etc | Comments(0)

以前、厳格な修道院を20年以上という長期にわたって交渉し、

ようやく1年を掛けて取材したというドキュメンタリー映画を見た。

『大いなる沈黙へ グランド・シャルトルーズ修道院』

フランスアルプス山脈に建つグランド・シャルトルーズ修道院。

創立以来900年の間、ほとんど変わることのない厳しい生活。

 

一人一人、個室を与えられて、

日々のほとんどの時間を沈黙と清貧と規律を守り、暮らしている。

(日曜日と祭日だけ談笑することが許される。厳しいー。)

修道院に入ってすぐの修道士に最初に衣服を与えられるシーンがある。

普段の生活で纏うローブやチュニックなどの衣類を賄う係の助修士もいて、

(助修士:修道院での暮らしを支える人達)採寸し、布を裁ち、仕立てていく。

きっと、中世と変わらぬやり方で。

ウンベルト・エーコ原作の「薔薇の名前」の映画

(ジャン・ジャック・アノ-監督、ショーン・コネリー主演)の世界と、

現代でも殆ど変わらないような。。。

 

厚手のフェルトのようなウールの生成り生地を、

フードつきのチュニックローブに仕立てていく作業も興味深く。。。

シンプルなカタチ、そして小さなポケット、ずっしりとした生地、

縫うこと、仕立てることも助修士の日々の勤めの一つであり、

沈黙のうちに仕立てられていく。

肉厚のフェルト生地のチュニックローブは見るからに重そうで、

それを着用して、ただじっとしたまま祈るだけで修行のようにも感じるけれど、

あの中世から変わらぬ暮らしの、静謐さと清貧の美しさが忘れられない。

 

ああいうチュニックやローブは暖かそうだなあ、なんて思ってみたり。

修道士の持つかばんや袋にも興味ある。

素朴でいながら、いつも肌身離さず持っていたくなる袋もの、仕立ててみたいなあとも思う。




by nazunanet | 2018-11-20 23:09 | art、 music,movie,etc | Comments(0)

藤田嗣治展にて

先月の終わりに、

やっと観覧できた藤田画伯の展覧会。

藤田嗣治展にて_d0221430_23132769.jpg


活動期の年表を眺めながら、

戦前にパリへ渡り、絵画を学びながら模索していた藤田氏。

日本男子が一番生きづらい時代に、

パリで、画家として、芸術家としての活動を謳歌されてたんだなあと。。。

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当時の日本人画家の作品が、ゴッホ風だったり、ピカソ風だったり、

欧米の画家の作品の影響を色濃く受けてた画風が多い中で、

”乳白色の肌”という確固たるスタイルを表現し、

人気を博した日本人画家、藤田嗣治氏。

時代性や画風、キャラクターなど様々な要素が絡み合い、

戦前、戦中、戦後と、

日本からバッシングを受け続けた藤田画伯。

ついに日本を脱し、フランスに帰化したけれど、

その生活や制作活動の姿勢は、日本人気質に溢れるものだった。

渇望するほどの望郷の思いが、

パリ郊外の小さな農家での、

質素で清々しい暮らしぶりから読み取れる。。。



今だったら、当時ほどに世間から誹謗中傷されなかっただろうか。

・・・・どうかな・・・。

そういうのが、国を問わず、”世間の声”とされるものなのかもしれない。。。




迷いの中から生み出された教会のフラスコ画、

教会の模型、十字架像などの祈りのかたち。

でも、やっぱり一番好きだなと思うのは、

藤田画伯の描く猫たち、動物たち。

彼らの何と生き生き、ふさふさ、もふもふしていることか。。。

猫好きの浮世絵画家の歌川国芳のように、

懐の中に猫を入れている自画像もあった。

ワタシ的な好みとしては、

あの辺りの画風を、もっと究めてほしかったなあ。。。

でも、藤田氏の”迷いの中南米の旅”(勝手な私の感想)の中でも、

メキシコで描かれた”狐売りの男”の絵は秀逸だと思う。

紙に水彩で描かれたものだけど、

藤田作品の中では一番好きな絵かもしれない。


近年になってやっと再認識、再評価されたそうなので、

まだこれからの評価もどんどん変わっていきそうな気がする。












by nazunanet | 2018-10-07 23:45 | art、 music,movie,etc | Comments(0)

東京国立博物館 特別展「一万年の美の鼓動 縄文」_d0221430_16152247.jpg


春から楽しみにしていた「縄文」展!

やっと、行ってきた。

夏休み前だったからか、比較的空いていたのでゆっくり見学。

東京国立博物館 特別展「一万年の美の鼓動 縄文」_d0221430_16153571.jpg

展示の殆どが撮影禁止だったのが残念だけど、

その分、ゆっくりじっくり、
縄文時代草創期BC1万1000年からの歴史をみていく。。。

すでに当時から土器に漆を使用したものが作られていてビックリ。
装飾も美しく実用にも秀でた土器の完成度が高い。
年代を追ってみていくごとに、土器は装飾豊かになり、
更に紋様の磨きが洗練され、
江戸時代の名工が制作したかのような美的感覚に優れた土瓶まで。。。

土偶や土器、装身具の数々は、
どれも緻密な彫りや装飾がなされてて、
感覚的に思いつきで作られたものではなく、
きっと、「名人」と呼ばれる人達が存在したのだろうなあ、と思わせる。
家族の中の誰かが思い思いに作る、というよりは、
集団の中に、土器、装身具、狩猟道具、宗教的土偶など、
それぞれの名人たちがいて、
他の地域との物流など、物々交換で交易があったのじゃないか、と思う。。。

国宝で有名な火焔型土器は新潟で作られ、
黒曜石の採れる産地は限られていたようで、
北海道、本州では長野県のものが関東から北陸に広く出回っていたことが、
各地の遺跡発掘した調査から特定されたようで。。。

生きることに直結する道具に使われてきた黒曜石。
矢じりや槍、モリ、獲物をさばくためのナイフ、
それらも全て、割った石を更にエッジを包丁の刃のように、
切っ先をナイフのように薄く鋭利に仕上げていく技の見事さ。
今でいうところの刃物職人や刀鍛冶のように、
そういう工房があったんだろうなあ、と思う。

もう、カタチが本当に流麗で、そのままペンダントヘッドにしたい感じ。
翡翠や貝殻や鹿の角など、装身具に使われたものなど、
カタチも見目麗しく、特に凝りに凝っていたイヤリング。
当時の女性のファッションも目に浮かぶ。

残された発掘品を順を辿って眺めていくうちに、
何と美的意識の高い民だったかと感嘆する。

のちの弥生時代、古墳時代になると、
凝った装身具などは権力者の墓から見つかることが殆ど。
縄文時代は皆で収穫を分配する狩猟採集生活なので、
誰か一人だけが独り占めするのではない。。。

縄文期の人々が、いかに美しいものを自由に身につけ、
装飾に凝った土器や土偶を大事にして、
日々の暮らしを潤いのあるものにしていたかを感じる。

なんといっても、一万何千年以上もの長い時間の中で、
熟成されていった文化、価値観というものを、
自分はまだ想像することができない。

いにしえの民が作り出していた美の数々。
その後の現代にまで続く中で、
これほど自由にモノづくりしていた時代もないんじゃないかと思う。

館内で唯一撮影できたのは、岡本太郎氏が所蔵していた土器だけ。


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力強い土器からのエネルギーが岡本太郎氏の創作の源にもなった。。。

土器の渦巻き、中には雲紋様というのもあって、

私も縄文土器に魅了される一人なのかも。


ふと、思い出すと、実家の床の間に遮光器土偶が飾ってあったっけ。

物心つくまえからこういう土偶を普通に見ていたというのも、

不思議と縄文の美にワクワクする理由の一つなのかも。。。

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特設ミュージアムショップで縄文展グッズをゲット。

日々愛用している測量野帳が縄文コラボになってて、

これは迷わずゲットでしょう!

クッキー型の火焔型土器もあったので、これで縄文クッキーを作らねば。


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私の大好きな「縄文ポシェット」がポストカードになっていた。

縄文中期BC3000年頃のもの。

ポシェットの中には、くるみの殻が入ってた。。。

山や森の中に採集しにいくときの、おやつポシェットだったのかな。

可愛いーー。

私が丁度持っていた籠バッグと色も編み方も同じだった。

現代でも人気の山葡萄やくるみ、あけびや竹の籠、

そんなお洒落が古代と変わらないのもいい感じ。


ぐるりぐるりと博物館を見て回って、

表へ出たら、もうとっぷりと日が落ちていた。

東京国立博物館 特別展「一万年の美の鼓動 縄文」_d0221430_16214110.jpg

各地の博物館でちょっとずつ見てきた縄文の発掘品、

一挙に見学できて、満足満足。。。

今度は、関西地方の古墳も見に行きたいなあ。。。




by nazunanet | 2018-07-21 17:45 | art、 music,movie,etc | Comments(0)

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