カテゴリ:art、 music,movie,etc( 32 )

「大いなる沈黙、グランド・シャルトル―ズ修道院」の映画に引き続き、

そんな風に、映画や絵画を観るとき、

衣装や小物、布の質感などを見てしまう。

ヨーロッパやアメリカ映画の歴史ものは、

忠実に衣装を再現しているので、実に興味深い。


イタリア映画の巨匠ヴィスコンティの作品は、

貴族社会を描いたものなら、階級に忠実に、

全てが最上質のもの。

窓のカーテンに至るまで。

「ベニスに死す」に登場する避暑地にやってくるブルジョア階級の、

海辺の普段着の華麗なこと。。。

白とネイビーのストライプをあしらった白いレースのドレス、

レースも遠目にも上質なものばかり、

リネン、シルクなどのまるでアンティークかと見紛うまでの

見事な衣装を揃えていて、

それがふらっと画面を通り過ぎる登場人物であっても、

そこに滞在する人々は全員が上流階級、特権階級という設定なので、

どれを一つ取ってもなおざりにされているものがない。


今の娯楽作品の方が往年の映画よりも莫大な予算が掛かってるだろうけれど、

往年の名画など、細かく見ていると、

どれほどの手間とこだわりが詰まっているかは計りしれない。。。


少し前に観たのが、1965年制作の日本映画の「怪談」(小泉八雲原作)の、

衣装や小物、舞台設定、演出の美しいこと。。。

こういう映画はもう日本では作れないだろうと思う。。。

作品中に登場する市場のシーン。

今は高価な値で取引される日本の麻の反物がいっぱい並べてあって、

見ているうちに欲しい気持ちが湧いてくるほどに。。。

使われている機織りや染めの工房らしきシーンのものも、

時代や道具の考証の確かさも感じて、

本当に名作だなあと感動してしまう。。。


海外映画では、フランス宮廷を舞台にした「宮廷料理人ヴァテール」も、

小道具や衣装が面白い。

ストーリーは、太陽王ルイ14世の時代の僅か数日のお話し。

王が貴族の屋敷に逗留し、その晩さん会を任される野心家の宮廷料理人。

物語は失墜した王の信頼を取り戻そうとする主人に仕える料理人ヴァテールと、

権力争いの貴族ら、王妃の侍女と王との恋の駆け引き、

主人に翻弄される召使たちの悲哀、などなど、様々に入り組んで、

晩餐の趣向を凝らした演出や、食材を調達するために、

まさに名誉と命を懸けるほどの。。。


王や貴族らの招待客らが目にすることのない、

邸の台所、キュイジーヌで働く召使たちの衣装が心つかまれる。

フラックス色のリネンの長いローブのような上っ張り(!)、

エプロンも共布に、袖のカフスはどこまでも長く、

前合わせのボタンは小さいものが幾つも並んでいるのも素敵で。

貴族や王妃や侍女たちの煌びやかな衣装よりも、

料理長ヴァテールや職人達の衣装が気になった。


中世の時代ものの映画は、

リネンのシャツのギャザー使いや、

上着やコートの流れるようなドレッシーなラインが魅力。。。

生地もちゃんと当時存在しているものを厳選していたり。


古今東西を問わず、映画や舞台を見る時は、

必ず衣装と小物をチェックしているかも。。。

ここを雑に扱っている作品は大抵あまり良い作品じゃないことも多い。。。


衣装デザインが有名な映画というと、ちょっと昔の映画になるけど、

「アンタッチャブル」のアルマーニの衣装とか、

「炎のランナー」の衣装も良かった。。。

どちらもメンズ系なのが私好み。。。


ジャン・ジャック・アノーの映画「ラ・マン(愛人)」は、

センセーショナルな描写で話題になった作品だけれど、

戦前のインドシナの繁華街が描かれているシーンが美しい。

小さな路地にひしめきあう屋台や人々の当時の衣装が、

忠実に時代を再現していて、藍染めの長上着や真っ赤なチュニックなど、

当時の衣装を着ているインドシナの人々の姿に見とれてしまう。

屋台もフランス領だったインドシナらしく、

オリエンタルでエキゾチックな、シノワズリなデザイン。

吊るされているランタンの灯に、

照らし出される茶器や陶器の何と風情のあることか。

屋台の食堂の趣味がいいことといったら。。。


マルグリット・デュラスの自叙伝が原作なだけに、

セクシャルな描写が多い映画だけど、

衣装や街の景色の演出が凝っていて、

さすが、アノーの作品だなと。。。


また時代ものの佳作作品を観直さなくちゃ。。。





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by nazunanet | 2018-11-20 23:34 | art、 music,movie,etc | Comments(0)

以前、厳格な修道院を20年以上という長期にわたって交渉し、

ようやく1年を掛けて取材したというドキュメンタリー映画を見た。

『大いなる沈黙へ グランド・シャルトルーズ修道院』

フランスアルプス山脈に建つグランド・シャルトルーズ修道院。

創立以来900年の間、ほとんど変わることのない厳しい生活。

 

一人一人、個室を与えられて、

日々のほとんどの時間を沈黙と清貧と規律を守り、暮らしている。

(日曜日と祭日だけ談笑することが許される。厳しいー。)

修道院に入ってすぐの修道士に最初に衣服を与えられるシーンがある。

普段の生活で纏うローブやチュニックなどの衣類を賄う係の助修士もいて、

(助修士:修道院での暮らしを支える人達)採寸し、布を裁ち、仕立てていく。

きっと、中世と変わらぬやり方で。

ウンベルト・エーコ原作の「薔薇の名前」の映画

(ジャン・ジャック・アノ-監督、ショーン・コネリー主演)の世界と、

現代でも殆ど変わらないような。。。

 

厚手のフェルトのようなウールの生成り生地を、

フードつきのチュニックローブに仕立てていく作業も興味深く。。。

シンプルなカタチ、そして小さなポケット、ずっしりとした生地、

縫うこと、仕立てることも助修士の日々の勤めの一つであり、

沈黙のうちに仕立てられていく。

肉厚のフェルト生地のチュニックローブは見るからに重そうで、

それを着用して、ただじっとしたまま祈るだけで修行のようにも感じるけれど、

あの中世から変わらぬ暮らしの、静謐さと清貧の美しさが忘れられない。

 

ああいうチュニックやローブは暖かそうだなあ、なんて思ってみたり。

修道士の持つかばんや袋にも興味ある。

素朴でいながら、いつも肌身離さず持っていたくなる袋もの、仕立ててみたいなあとも思う。




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by nazunanet | 2018-11-20 23:09 | art、 music,movie,etc | Comments(0)

藤田嗣治展にて

先月の終わりに、

やっと観覧できた藤田画伯の展覧会。

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活動期の年表を眺めながら、

戦前にパリへ渡り、絵画を学びながら模索していた藤田氏。

日本男子が一番生きづらい時代に、

パリで、画家として、芸術家としての活動を謳歌されてたんだなあと。。。

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当時の日本人画家の作品が、ゴッホ風だったり、ピカソ風だったり、

欧米の画家の作品の影響を色濃く受けてた画風が多い中で、

”乳白色の肌”という確固たるスタイルを表現し、

人気を博した日本人画家、藤田嗣治氏。

時代性や画風、キャラクターなど様々な要素が絡み合い、

戦前、戦中、戦後と、

日本からバッシングを受け続けた藤田画伯。

ついに日本を脱し、フランスに帰化したけれど、

その生活や制作活動の姿勢は、日本人気質に溢れるものだった。

渇望するほどの望郷の思いが、

パリ郊外の小さな農家での、

質素で清々しい暮らしぶりから読み取れる。。。



今だったら、当時ほどに世間から誹謗中傷されなかっただろうか。

・・・・どうかな・・・。

そういうのが、国を問わず、”世間の声”とされるものなのかもしれない。。。




迷いの中から生み出された教会のフラスコ画、

教会の模型、十字架像などの祈りのかたち。

でも、やっぱり一番好きだなと思うのは、

藤田画伯の描く猫たち、動物たち。

彼らの何と生き生き、ふさふさ、もふもふしていることか。。。

猫好きの浮世絵画家の歌川国芳のように、

懐の中に猫を入れている自画像もあった。

ワタシ的な好みとしては、

あの辺りの画風を、もっと究めてほしかったなあ。。。

でも、藤田氏の”迷いの中南米の旅”(勝手な私の感想)の中でも、

メキシコで描かれた”狐売りの男”の絵は秀逸だと思う。

紙に水彩で描かれたものだけど、

藤田作品の中では一番好きな絵かもしれない。


近年になってやっと再認識、再評価されたそうなので、

まだこれからの評価もどんどん変わっていきそうな気がする。












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by nazunanet | 2018-10-07 23:45 | art、 music,movie,etc | Comments(0)

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春から楽しみにしていた「縄文」展!

やっと、行ってきた。

夏休み前だったからか、比較的空いていたのでゆっくり見学。

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展示の殆どが撮影禁止だったのが残念だけど、

その分、ゆっくりじっくり、
縄文時代草創期BC1万1000年からの歴史をみていく。。。

すでに当時から土器に漆を使用したものが作られていてビックリ。
装飾も美しく実用にも秀でた土器の完成度が高い。
年代を追ってみていくごとに、土器は装飾豊かになり、
更に紋様の磨きが洗練され、
江戸時代の名工が制作したかのような美的感覚に優れた土瓶まで。。。

土偶や土器、装身具の数々は、
どれも緻密な彫りや装飾がなされてて、
感覚的に思いつきで作られたものではなく、
きっと、「名人」と呼ばれる人達が存在したのだろうなあ、と思わせる。
家族の中の誰かが思い思いに作る、というよりは、
集団の中に、土器、装身具、狩猟道具、宗教的土偶など、
それぞれの名人たちがいて、
他の地域との物流など、物々交換で交易があったのじゃないか、と思う。。。

国宝で有名な火焔型土器は新潟で作られ、
黒曜石の採れる産地は限られていたようで、
北海道、本州では長野県のものが関東から北陸に広く出回っていたことが、
各地の遺跡発掘した調査から特定されたようで。。。

生きることに直結する道具に使われてきた黒曜石。
矢じりや槍、モリ、獲物をさばくためのナイフ、
それらも全て、割った石を更にエッジを包丁の刃のように、
切っ先をナイフのように薄く鋭利に仕上げていく技の見事さ。
今でいうところの刃物職人や刀鍛冶のように、
そういう工房があったんだろうなあ、と思う。

もう、カタチが本当に流麗で、そのままペンダントヘッドにしたい感じ。
翡翠や貝殻や鹿の角など、装身具に使われたものなど、
カタチも見目麗しく、特に凝りに凝っていたイヤリング。
当時の女性のファッションも目に浮かぶ。

残された発掘品を順を辿って眺めていくうちに、
何と美的意識の高い民だったかと感嘆する。

のちの弥生時代、古墳時代になると、
凝った装身具などは権力者の墓から見つかることが殆ど。
縄文時代は皆で収穫を分配する狩猟採集生活なので、
誰か一人だけが独り占めするのではない。。。

縄文期の人々が、いかに美しいものを自由に身につけ、
装飾に凝った土器や土偶を大事にして、
日々の暮らしを潤いのあるものにしていたかを感じる。

なんといっても、一万何千年以上もの長い時間の中で、
熟成されていった文化、価値観というものを、
自分はまだ想像することができない。

いにしえの民が作り出していた美の数々。
その後の現代にまで続く中で、
これほど自由にモノづくりしていた時代もないんじゃないかと思う。

館内で唯一撮影できたのは、岡本太郎氏が所蔵していた土器だけ。


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力強い土器からのエネルギーが岡本太郎氏の創作の源にもなった。。。

土器の渦巻き、中には雲紋様というのもあって、

私も縄文土器に魅了される一人なのかも。


ふと、思い出すと、実家の床の間に遮光器土偶が飾ってあったっけ。

物心つくまえからこういう土偶を普通に見ていたというのも、

不思議と縄文の美にワクワクする理由の一つなのかも。。。

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特設ミュージアムショップで縄文展グッズをゲット。

日々愛用している測量野帳が縄文コラボになってて、

これは迷わずゲットでしょう!

クッキー型の火焔型土器もあったので、これで縄文クッキーを作らねば。


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私の大好きな「縄文ポシェット」がポストカードになっていた。

縄文中期BC3000年頃のもの。

ポシェットの中には、くるみの殻が入ってた。。。

山や森の中に採集しにいくときの、おやつポシェットだったのかな。

可愛いーー。

私が丁度持っていた籠バッグと色も編み方も同じだった。

現代でも人気の山葡萄やくるみ、あけびや竹の籠、

そんなお洒落が古代と変わらないのもいい感じ。


ぐるりぐるりと博物館を見て回って、

表へ出たら、もうとっぷりと日が落ちていた。

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各地の博物館でちょっとずつ見てきた縄文の発掘品、

一挙に見学できて、満足満足。。。

今度は、関西地方の古墳も見に行きたいなあ。。。




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by nazunanet | 2018-07-21 17:45 | art、 music,movie,etc | Comments(0)
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戦前の写真芸術を見る。

展示されているのは、内外の作品。

風景や商業写真や人物など多彩。

デジタルカメラが主流の今、こうしてフィルムに焼き付けられた写真を見ていると、

やはり「芸術写真」という言葉が沸き起こってくる。

「アート」じゃない。「芸術写真」。。。

陶磁器の焼き物のように、登り窯の炎をくぐって生み出されるように、

フィルムやガラスに光によって焼き付けられ、

化学薬品や銀の液体をくぐり、現れ出る画像。

それは時間や光や化学反応や手の仕事を通って、

意図せず偶然に生み出されるものでもある。

あとで修正や加工が可能な現代写真において、

この時代の写真は絵画と同等の価値にもなってくるんじゃないのか、と思ったりも。

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展示会場の外の2階に、置かれていた”携帯暗室"

"portable Dark room”という。1877年 明治10年頃のもの。

制作者は不明。上野彦馬旧蔵 長崎歴史文化博物館の所蔵とある。。。

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手製の金属を溶接して作った箱には、布団や夜具に使われていたと思われる古布が。

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この布をすっぽり身体ごとかぶって、

暗闇の中で手さぐりで現像やプリントやしていたのだと思う。

よく作ったなあ、と感心してしまう。

ところどころの継ぎはぎは写真家の奥さんが施したのかな、と想像したり。

こういうものが現存しているのは実に面白い。。。






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by nazunanet | 2018-05-04 22:53 | art、 music,movie,etc | Comments(0)
先日、富士フィルムがモノクロームフィルムの生産を終了したという。

富士フィルムの他にもフィルムは作られているけど、

無くなっていくんだな、とちょっと感慨深いニュースだった。

子供の頃、父親が持っていた一眼レフカメラーオリンパスOM1。

それを譲り受けたあと、大人になってもずっと使っていた。

さすがに経年でレンズ内部がカビで劣化してしまったのちには、

ダンナさんが譲ってくれた同じ機種のカメラを旅先に必ず携帯。

そしてフィルムはやはりモノクロームで。

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旅先で撮影しても、デジタルと違ってどんな風に撮れているのか、

現像してみないと分からない。

カメラ屋さんでネガを受け取るときのドキドキ感。。。


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自分でフィルムを印画紙に焼き付ける。

空を少し焼き込む、黒をぐっと締めるなど、

撮るだけでなく自分でイメージ通りに仕上げていくのが魅力だった。


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イタリア・ローマに滞在した際、

ナポリとポンペイにバス観光へ。

途中、バスの運転手さんが高速で何度も居眠り運転しているのに気づいたときは、

かなりの恐怖だった。。。

ポンペイは写真を撮るのに夢中で、

せっかくガイドしてくれた人の話しも上の空。。。


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イタリアはどこへ行っても、絵になる、というか写真映えする。。。

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カラーも一応おさえておく。。。

今は観光客でごった返しのスペイン広場だけど、

当時は静かな風景が広がっていて、

コロッセオの中は地域猫たちがわんさか。

イタリアは人は勿論のこと(嬉)、

猫たちがとても人懐っこい。(笑)

ローマでもトスカーナでも、自由猫たちが肩によじ登ってゴロゴロと懐いてくれる。

連れて帰りたくなるほどに。。。


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トスカーナの小さな町、アッシジ。

フランチェスコ修道院で有名な中世のままの町。

静かな石畳の小路。

聖フランチェスコも思索しながら歩いたのだろうか。。。



昔、F・ゼッフィレッリ監督の「ブラザーサン・シスタームーン」を観て、

一度行ってみたかったアッシジのフランチェスコ修道院。

ジオットのフレスコ画が見事だった。

その後の大地震でひどく損壊されたけど、修復されたということで安堵。。。

フランチェスコ修道院と向き合うように、

一本道の奥にはセント・キアーラ女子修道院が。


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眠るように横たわる聖キアーラ(クララ)の美しかったこと。



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通りにある古いステーショナリーのお店の風情や、

カフェやレストランのこじんまりとした佇まい。

喧噪の都市ローマよりもアッシジに滞在したかったと思ったほど素敵なところ。


イタリアは、すべてが素晴らしく美しい国。

どこを切り取っても絵になるけれど、

また旅することが出来たら、

フィルムカメラを持っていって、

一枚一枚、じっくり撮影したい。

そして、また自分でプリントして仕上げてみたいと思う。。。




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by nazunanet | 2018-05-04 02:26 | art、 music,movie,etc | Comments(0)


”史上初!縄文の国宝6件が勢ぞろい 『縄文―1万年の美の鼓動』

報道発表会より見どころをレポート”


展示の詳細なども載っていて、
縄文好きとしてはドキドキワクワク、です。

詳しくは下記リンク、または東京国立博物館HPをご覧ください。
https://spice.eplus.jp/articles/175106

-----------------------------------------
イヤハヤ、
これまで殆ど陽の射さない時代の芸術だったけど、
ここに来て、やっとやっとの、まさかまさかの縄文ブーム!?(喜)

一堂に会する縄文の美を堪能できる機会はそうそう無い、です。
縄文の火焔型土器の宝庫の新潟の博物館にも行きたかったくらい。。。
今から楽しみで仕方がないです。。。

なんで、私がこうも縄文に惹かれるかというと。。。

縄文人は、
日本固有の日本最古の古代芸術を生み出した人たち。
その後、圧倒した勢力で日本を統治した弥生や古墳時代とは、
全く異なる独自の美意識を持ち、
1万5000年以上も平和に、
自然と動物と共に暮らした人たちの足跡を辿りたい。。。
その独自の死生観、宗教観、美の神髄に是非とも迫りたい。。。

文字を持たなかった民族なので、
誰にも詳細は分からない。
けれども、遺跡や発掘品、土器のデザイン、装飾品、
生活の痕跡などで推し量るのみ。。。

文字を持たないのは”文明”とは呼ばない、などと欧米の主だった学者などは言う。
おまけに、総じて文明レベルが低い、などというレッテルを貼るけど、
そうじゃないと私は思う。。。
争いや略奪を繰返す文明の方がよっぽどレベルが低い、と(笑)。
(現代でもニュースでよく見るね。災害時に略奪や暴力に走ったり、とか。。。)
文字をあえて持たずとも、
高い精神性、哲学、理念や文明を持った民族もあった筈。
なんでも自分の時代の物差しのみで推し量るのはどうかとも思う。

以前の記事にも書いたことがあるけれど、
漢文学者の白川静博士の著作によると、
古代に文字というものが生み出された背景には、
権力の社会構造があったとされているそうで、
権力者が広大な領地を領民を統治するために生まれたもの。。。
白川博士の著作には、”文字”はいわば敵方、敵国への呪術のようなもの。
羽生結弦さんの演じた”陰陽師”の中で、
安倍清明のセリフに同じようなのがあったような。。。
そういえば、別冊太陽で白川静特集の巻末に、
漫画の方の”陰陽師”の作者岡野玲子氏との対談があったっけ。。。)

話しは大いに逸れてしまったけれど、
太古に日本列島に暮していた縄文人と私たちが呼ぶ存在が、
どんな風に暮らし、どんな言葉を話し、
どんな風貌で、どんな秩序の中で営々と長い年月を送っていたのか。。。
想像すればするほどに、果てしなく。。。

でも厳しい自然と共存しての暮らしだったわけだし、
近年までですら、日本の厳寒の農村や山間部で、
”姥捨て山”というような民間伝承が残っていたのを思うと、
かなり厳しく非情な掟もあったのでは、と勝手に想像したりしていたけど、

博物館の展示などを観覧する中で、
生まれつき四肢が不自由であっても、
家族や集落で大事に育てて皆で助け合って暮らし、
長く生き延びることが出来ていたという痕跡などを、
発掘された墓での遺体の状態などで推測出来た、とあって。。。

なんと助け合いの心が行き届いていることか、
なんと平和で穏やかな民であったのだろうと感動したのをキッカケに、
ぐいぐいと縄文時代に魅せられていったワタシ。。。

以前の”縄文期の日本人にも触れたけれど、
人口密度が低かったり、食物が広く分布されていたりと、
日本の縄文期はその他の海外の同じ時期の狩猟採集時代と比べると、
明らかに暴力での死亡率は1%だったという。

記事の中で、
(以下抜粋----山陽新聞デジタルより引用--------
岡山大大学院社会文化科学研究科の松本直子教授(認知考古学)、
山口大国際総合科学部の中尾央助教(科学哲学)らの研究グループが、
全国の縄文遺跡で出土した人骨を調べ、暴力による死亡率を分析。欧米などのデータと比べ5分の1以下の「1%台」と算出し、英国の科学雑誌に30日発表した。

-------中略-------
(詳しくは”縄文期の日本人 ”
もしくは、山陽新聞デジタルの記事を参照してください)

松本教授は「縄文期の日本列島は、
狩猟採集できる食糧がまんべんなく分布し、人口密度も低いことから
集団間の摩擦が少なかった」と分析。
さらに「人類が必ずしも暴力的な本能を持ってはいないことも示す。
戦争の原因を人の本能に求める風潮に再考を迫る一歩になる」としている。

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この言葉、深くココロに刻みたい。。。

「人類が必ずしも暴力的な本能を持ってはいないことも示す。
戦争の原因を人の本能に求める風潮に再考を迫る一歩になる」

日本の和の精神は、ここから始まっているのかなあ・・・と。

宗教の原典などで人間は生まれ持って罪深い、とか
人間は欲望や暴力を利己的に優先する性悪説など言われたりしていたけど、
縄文時代の発掘や見直しによって、
人間本来は性善説でも成り立つのだということは本当に大事。。。

縄文時代の後からこの土地を治めた民族、
そしてどの時代でも、
それは世界中の国々も同じ、
現在も尚、一度だって戦争がやむことがない。。。

”戦争”は恐ろしい。。。
でも、それはヒトの本能ではない、と言ってくれている。。。

”戦争”は、
国家やヒトの精神状態が負の極限になったもの。
それが”狂気”というのものであって、
狂気は人間の本能の一つではない、特殊な状態をいうのだと思う。

「日本は戦争をせざるを得ない」
などと言い出すトップが出てこないよう祈るばかり。。。

戦争や権力、貧富の差、そんな暗いもので世界が満ちる前に、
豊かな大地や山や川や海を分かち合いながら、
存分に楽しんでいた民族が”縄文人”だった、と想像する。。。

アレレ、指輪物語のホビット族みたい。。。?

リアル中つ国の話しが現代で継続されているのか、と錯覚しそうですが。。。

一応、日程など掲載されていた記事を抜粋しますね。

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特別展『縄文―1万年の美の鼓動』
会期:2018年7月3日(火)〜9月2日(日)
開館時間:午前9時30分〜午後5時
(毎週金・土曜は午後9時まで、日曜および7月16日(月・祝)は午後6時まで)※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(ただし7月16日[月・祝]、8月13日[月]は開館)、7月17日(火)
会場:東京国立博物館 平成館
観覧料:当日一般1,600円(1,400円)、大学生1,200円(1,000円)、高校生900円(700円)中学生以下無料
・()内は20名以上の団体料金。
・前売券は4月3日(火)〜7月2日(月)まで、東京国立博物館正門チケット売場(窓口、開館日のみ、閉館の30分前まで)、展覧会公式サイト、
各種プレイガイドにて販売。

--------------------------------------------

是非是非行ってみたい。
ええ、ええ、行きますとも。。。

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by nazunanet | 2018-03-05 00:14 | art、 music,movie,etc | Comments(0)

先日、ネットで見つけた情報サイトの記事。


”史上初!縄文の国宝6件が勢ぞろい 『縄文―1万年の美の鼓動』

報道発表会より見どころをレポート”


展示の詳細なども載っていて、
縄文好きとしてはドキドキワクワク、です。

詳しくは下記リンク、または東京国立博物館HPをご覧ください。
https://spice.eplus.jp/articles/175106

これまで殆ど陽の射さない時代の芸術だったけど、
ここに来て、やっとやっとの、まさかまさかの縄文ブーム!?(喜)

一堂に会する縄文の美を堪能できる機会はそうそう無い。
縄文の火焔型土器の宝庫の新潟の博物館にも行きたかったくらい。。。
楽しみで仕方がないです。。。


縄文は日本固有の日本最古の古代芸術。
その後、圧倒した勢力で日本を統治した弥生や古墳時代とは、
全く異なる独自の美意識を持ち、
1万5000年以上も平和に、
自然と動物と共に暮らした人たちの足跡を辿りたい。。。
その独自の死生観、宗教観、美の神髄に是非とも迫りたい。。。

一応、日程など掲載されていた記事を抜粋しますね。

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特別展『縄文―1万年の美の鼓動』
会期:2018年7月3日(火)〜9月2日(日)
開館時間:午前9時30分〜午後5時
(毎週金・土曜は午後9時まで、日曜および7月16日(月・祝)は午後6時まで)※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(ただし7月16日[月・祝]、8月13日[月]は開館)、7月17日(火)
会場:東京国立博物館 平成館
観覧料:当日一般1,600円(1,400円)、大学生1,200円(1,000円)、高校生900円(700円)中学生以下無料
・()内は20名以上の団体料金。
・前売券は4月3日(火)〜7月2日(月)まで、東京国立博物館正門チケット売場(窓口、開館日のみ、閉館の30分前まで)、展覧会公式サイト、
各種プレイガイドにて販売。

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by nazunanet | 2018-03-04 22:29 | art、 music,movie,etc | Comments(0)

記述していた国芳の猫絵。


ポストカードをスキャンしたので、画像をアップ。


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これは上野の国立博物館のギャラリーショップで
見つけた国芳の「鼠よけの猫」のカード。


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国芳の名作”猫飼好五十三疋”のカードは

没後150年記念の展覧会のあった森美術館で。

 

お気に入りの猫や動物のカードが増えてきて、カードケースがたまっていく。


ギャラリーだけでなく、アンティークのカードも探したりもする。

今には無いデザインのものや、

丁寧な細密絵の猫やうさぎのものが可愛くて。

カード集めはやめられない。。。



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by nazunanet | 2018-02-13 20:11 | art、 music,movie,etc | Comments(0)

09. 師走(FRI) 晴れ

竹橋の美術館へ「熊谷守一展」へGO!


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初期からの作品が展示されているので、

晩年のあの画風になっていく過程を見ることができる。

光が後ろから当る、逆光での光のラインが

あの赤い線で表わされていたんだなと分かる。


暗闇の中に浮かび上がった女性の屍「轢死体」の絵。

その後も何度も登場するモチーフ。

目の当りにした人間の死、肉体、魂、魂の容れ物としての肉体。。。


実子の死にも何度も遭遇し、その死を描くことの苦悩。

それらの思いなどが吐露された記述。

その後、晩年に暮らした木造屋の庭で、生き物、雨、猫を写していく守一。

猫をことさら可愛がっていた様子が、絵に現れている。

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初期の作品の綿密な絵から、晩年の赤い線で輪郭を描き、

単純化、まるで記号化されたような絵へと変っていく。

単純化された絵だけど、何度もスケッチを繰り返し、

何度も繰り替えし同じモチーフを描き続ける姿勢。

そのこだわり。

庭を観察し続けての有名な言葉、

「蟻は左の2番目の足から歩き始める」

どれだけ観察しても、それを見つけられるのは至難の技。

水たまりに落ちる雨の雫がはねて王冠をつくる様子を、

(ミルクが滴り落ちて、ミルククラウンが出来るような)

高速度カメラでスローモーションを撮影したような絵を描いている。

単純化された絵だとしても綿密なスケッチを何枚も繰り返したであろう、

その絵からは、雨粒が落ちて跳ねる様子がまざまざと感じられる。

 

海岸線、砂浜、海、動物、蛙、猫、シンプルな輪郭線、

少ない色数の中でも、選び抜かれた色と、

丁寧に塗り重ねられた画面は眺めるだけでも心地よい。


辛い経験や戦争の只中でも病で外へ思うように出かけられなくても、

身近なものを対象に、生き物、いのちの本質を描き続けた守一。


丁寧に描かれた輪郭線が、どこかミッフィーの面影を感じてしまった。。。

PCで簡単にトレースするイラストレーターが多い時代に、

丁寧に丁寧に筆で描くブルーナさん。

印刷する上で、指定した色が正確に表現されるように、

色数と種類を決めて組み合わせながら制作していったブルーナの絵と、

光と影を追い求め、光の輪郭線を描き続けた熊谷守一の絵。

スラスラッと適当に描いたのでは決して出来ないラインと色。

心和むという点で、猫やカエルや蟻などの小さな生き物たちを描いた絵を見ているうちに、

ブルーナさんの絵をちょっと彷佛としてしまった。

 

生前の守一の私物が公開されていた中で、

光を照らすためのランプなどの他に、

ネジや金具や豆電球などが雑多に入った箱もあった。

私の道具箱と全く同じようなものが展示されていて、何か親近感さえ感じてしまった。

 

我が家のベランダの小さな植木鉢の野花や水盤、

そこへやってくる小鳥たちの観察の楽しさを知っているので、

守一がどれほど嬉々として蟻やカエルや猫たちを描いていたかが分かる。。。

自宅アトリエの美術館にも足を運んでみたい。。。

 

美術館の所蔵品展示の会場も見に行く。

つくづくと、日本の洋画の画壇の主流が

海外の有名画家の影響が多大なんだなと。。。

オリジナリティを追求している画家の多くが、

派閥や画壇から抜け出しているのでは、とも思う。

権威あるところから認められてデビューも出来るし、注目も受けるし、

また仕事としても成り立って行くのだろうけど、

芸術家としての制作と、

ビジネス的アート制作は別のところにあるんだろうな、と思ったりも。。。


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”眺めのいい部屋”から皇居の森を臨む。

展示会場を後にして、ギャラリーショップでポストカードを選ぶ。

猫絵のカードはコレクションにしている。

ポストカードはよく使うけど、猫カードは使えない。(笑)



P.S.

東京国立近代美術館。2階に”ミクニ”のカフェがあったけど、早々に営業終了になっていて、

展覧会を廻って喉がカラカラなのに他にドリンクコーナーも無く。。。

冷却水で飲むのも何だか。。。

そこかしこに結構広々としたスペースがあるのになあ。

バチカンの美術館でさえ、気軽に利用できる学食のようなカフェテリアがあったのに、

最近の都内の有名美術館や博物館のカフェは、

色んなニーズに向けて作ればいいのになあ、と思う。

ランチやティータイムを悠々と優雅に過ごせるカフェと、

学生さんや子供連れの家族が気軽に利用できるカフェ。

両方があったら、もっと外国人観光客もやって来れると思う。

東京は外国や地方にくらべると何でも割高傾向にあるし。。。

どこも”ハコもの”は立派だけど、

ゆったり心地よく過すための何かが大いに足りない。。。

”おもてなし”とは何ぞや、などと思いつつ、会場を後にする。(笑)

 

どこかで休憩したいけど、美術館を出たらあまりに殺風景で

憩いの場所があるとは思えない。。。


ふと、毎日新聞社が目に入った。

あのビルに行ってみるべし。

中に入ったことはないけど、思いのほか飲食店が並んでいる。

ファスト系のカフェも幾つかある。

ふと、スタバを覗くと店じまいかと思うほどお客さんがいない。

椅子もソファー席も選び放題。

ウチの近所に3軒~4軒もスタバがあるのに、これまでどこも座れたためしがない。

それなのに。。。ここは穴場なのかも。。。


美術館や博物館を廻って、見た感想などを話しつつ、

ゆっくりくつろげるってイイね。

そんな場所が、”ハコもの”の中にもっとあったらいいのにね。。。


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by nazunanet | 2018-02-13 20:04 | art、 music,movie,etc | Comments(0)

「袋もの屋 薺nazuna」と「nazuna_antique」作家兼店主の日々のあれこれ。布のこと 麻のこと Antique FOOD 古道具 手仕事する人々のこと 


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