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カテゴリ:小物入れ( 30 )

アイテム制作の大詰めで、

かぶせの部分の布に傷みを発見して、お蔵入りした蛇腹式小物入れ。


お蔵入りの網代網尽くしの小物入れ(HPのニッキから)_d0221430_17020567.jpg


目立たない傷みだけど、使っているうちにすぐに破れてしまったら大変。。。

なので、これはお蔵入り。

 

この網代文様の染めや織り布がどうも大好きで、

よく登場させてしまう。

表も内布も網代編み文様なので、留め具も網代文様を彫ました。

 

花柄とか可愛らしい柄よりか、こうした江戸っぽい文様がなんだか好きで。

男っぽいといったら男っぽい。

なので、男性向きともいえるけど、女性がこうした渋めの小物をサっと手にしていると、

『粋な姐さん』的な風情が醸し出されて素敵だなと思うワケで。。。


お蔵入りの網代網尽くしの小物入れ(HPのニッキから)_d0221430_17021566.jpg

渋めの見た目に、裏地は華やかで艶やかなのが江戸っぽい。。。

そういう時に持ちたいのが、薺nazunaの小物入れだなあと思って、ひたすら作っている。


お蔵入りの網代網尽くしの小物入れ(HPのニッキから)_d0221430_17022695.jpg

木綿の中形の型染め。

なんてことのない襦袢や日常着にも、昔の人の手仕事は繊細で手抜きなど一切なし。

せっかく作ったのにお蔵入りは忍びないので、ニッキの上でお披露目です。。。


by nazunanet | 2020-02-13 17:14 | 小物入れ | Comments(0)

ありがとうございます

新作の小物入れのお品二つ、

干支と吉祥紋の前飾り。。。

ありがとうございます_d0221430_03330177.jpg


ありがとうございます_d0221430_14170300.jpg


福ねずみと波うさぎ、

めでたく、どちらもお嫁入となりました。

ありがとうございました。


感謝!





by nazunanet | 2019-12-14 23:15 | 小物入れ | Comments(0)
来年の干支にちなんで、

ねずみの留め具を彫りました。

福ねずみと縞の大麻布の小物入れ_d0221430_18253567.jpg


ねずみもうさぎと同様に、多産の繁栄の吉祥紋です。

令和二年の干支と吉祥のモチーフなので、「福ねずみ」としました。

おおあさで手織りし、縞を型染した大麻布。

内布には、やはり干支の柄が染められた木綿の布。

ユーモラスなデザインが素敵な布なのです。


福ねずみと縞の大麻布の小物入れ_d0221430_18255178.jpg


現代の華やかで派手な色の取り合わせのものとは違って、

一見すると地味に思われる色合い。



福ねずみと縞の大麻布の小物入れ_d0221430_21092480.jpg


でもそれは化学染料ではなく、

天然の藍染めや草木染めで染められた着物に、

しっくりとくるように選ばれた柔らかな色合いだからです。

本当は日本人の肌の色には、こうした繊細な色のグラデーションや、

藍や草木染めの柔らかな色が品良く似合うのだと思うのです。



江戸時代の染め見本には、

一見すると同じ色に見えるほど微妙な色の違いにも、

全てに粋な名前がつけてあって、

ことに、贅沢華美を禁じられた時期に、

ねずみ色や茶、藍や黒しか着用を許されなかった庶民らが、

許された色の中でのお洒落を競うように、

数えきれないほどの美しい”質素な”色を生み出したとされます。

今でも日本の色辞典でその一部を見ることができます。

それほど、昔の日本人は微妙なまでの色の違いを見分けられるほどの

繊細な美学を持っていたのだろうと感心してしまいます。


そんな江戸のお洒落は、表は地味な色の着物でも、

長襦袢や肌襦袢をめいっぱい派手にしてお洒落を楽しんだのだそう。

それが”江戸の粋”、と言われるものなのでしょうか。。。



薺nazunaは、生まれ育ちは”派手の大阪”ですが、

好みは長年暮している東京好み、まさに江戸好みです。

なので、薺nazunaの商品の見た目は一見地味かもしれないですね。

見るヒトが見れば細部が凝っている、

珍しい布で作られている、

そんな”粋”な合わせが大好きです。。。



福ねずみと縞の大麻布の小物入れ_d0221430_18260600.jpg

小物入れのかぶせには、出雲の山で間伐採された山桜を手彫りした前飾りを。

何十年も乾燥されたものを留め具の材として使っています。

材から糸鋸で切り分け、彫刻刀の平刀で彫っています。

機械は使わず、全部手仕事で作りあげるのが薺nazunaの信条です。


福ねずみの小物入れはスッキリとした布合わせなので、

男性も女性もお使いになれます。

札入れにもよし、

お守りた数珠入れ、お年玉やご祝儀入れに、

また、革紐を取り外せば、お茶席の際の懐紙入れにも素敵です。

(お茶席などでは革紐の先の留め具が、お道具に当たってしまうかもしれないので、 お外しになってお使い下さい)


薺nazunaのHP、またはIICHIで扱っております。

IICHIはクリスマスキャンペーンのお買物券プレゼント企画が開催中です。

是非、チェックしてみてください。


by nazunanet | 2019-12-14 21:26 | 小物入れ | Comments(0)
新しいお品を薺nazunaにアップしております。


波うさぎと珊瑚の小物入れ_d0221430_14170300.jpg


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波うさぎと珊瑚の小物入れ_d0221430_14171664.jpg


「波うさぎ」は、古来から日本人に好まれてきた吉祥の紋様です。


「波うさぎ」は、醍醐天皇の時代の演目の能の謡曲「竹生島」から生まれたと


伝えられています。

  

「緑樹影沈んで魚木に登る気色あり 


月海上に浮かんでは兎も波を奔(はし)るか 


面白の島の景色や」


     ~醍醐天皇の臣下が琵琶湖の竹生島へ弁財天を詣でるためにやって来ます。

      湖畔で出会った老漁師と若い女が乗る釣り舟に乗せてもらい、

      くだんの歌は、その舟から見えた景色を詠んだものです。

      若い女は弁財天の化身、老人は龍神の化身という、吉祥尽くしの演目です。~

 

「波うさぎ」の紋様は、そのめでたさにあやかろうと古来から愛されてきたモチーフです。


「うさぎ」は多産で繁栄を意味して、「波」などの水に関わるモチーフは火伏せの紋様。


内布には、ぴょんぴょん跳ねるウサギに掛けて、


テニスのラケットの模様が並ぶ藍らしい昔木綿を。


仕切りポケットにはなでしこ紋の藍の型染め布、


前ポケットにはおもちゃ尽くしの華やかな絹布を合わせました。


かぶせを開けると、弁天様をイメージして、


珊瑚と珊瑚玉の飾りが眼を喜ばせてくれるように配しました。


令和元年から令和二年へ、


新年のお祝いにふさわしいお品が完成したように思います。


IICHIのショップにもアップしました。


クリスマスキャンペーンのサービスもございます。


お時間ございましたら、是非、お越しくださいませ。



薺 nazuna




 



by nazunanet | 2019-12-14 14:23 | 小物入れ | Comments(0)

樹と革と布と

布のアイテムを制作しているけれど、

木彫は切り離せない。

元は木彫がやってみたくて、始めた物づくりなので、

薺nazunaに木彫は無くてはならないものになりました。。。

それで小物入れや袋ものには、

木彫りした前飾りや留め具がついているのです。

樹と革と布と_d0221430_00562259.jpg


「樹と革と布と」という名前の小物入れ。

戦前の日本で作られていた生成の木綿布で仕立てたもの。

今のコットンに比べると、肉厚で木綿の繊維が豊かでフワフワしている。

織りや染めの凝ったものよりも、

こういう何でもない平織の昔の布にどうしても惹かれてしまう。


樹と革と布と_d0221430_00564790.jpg

この布に、ひたすら針と糸で施したカンタ刺繍。

内側は京都の青土さんが中国の工房で制作された大麻布と、

ポケットにはイタリアの大麻布。

生成尽くしの小物入れ。


汚れるから、と生成や白は敬遠されるそうだけど、

私は古布やアンティ―ク布も生成や白が好き。

古びた白を先人が一生懸命白く晒そうとした手間のあとや、

植物の繊維そのものの色がとても惹かれてしまう。

そして、樹のそのものの色を布に合わせるのが好きだなと思う。


樹と革と布と_d0221430_00570252.jpg



さあ、何を仕舞いましょうか。

それを考えるのが、また楽しいのです。

これは何に使うものなのか、どういうものに役立てるのか、なんて。

役に立つもの、機能性のあるものばかりも大事だけど、

特に、無くても、

なんとなく、このカタチが好きなので・・・

というのが、自分にとってはすごく大事だったりすることもあるのです。

何でもないものなのに、

手に取ったときに、なんだかホッと和むもの、

ちょっと嬉しい気持ちになるもの、

そういうものに、心惹かれるのです。



・・・・そういえば、


昨日、山崩れのことで専門家の談として話しているのを小耳に挟んだ。

日本の林業が衰退しているから山が崩れていく、と。。。

それを防ぐための林業なんだ、

というような話しだったけど、

でも、どうなんだろう。。。

まっすぐに伸びて、早く生育する杉の木ばかりを

植えてしまったこともあるのでは。

山の杉の木の根が岩肌の上の薄い表土しか這わなくて、

手入れもされずに伸び放題になって、

水を抱えきれずに山崩れが起こる。。。

近年、ずっと言われてきたのは、

太古の昔から山や森を作ってた広葉樹が無くなったからとか。。。

岩の隙間や割れたところに芽を出し、根をのばす、

広葉樹たちがいなくなったのもあるのだそう。。。

その中でも、

橅(ぶな)という木はその名の通り、

「木では無い」と言われ、

幹は不格好に曲がって、生育も遅くて、

製材できずに何の役にも立たない、薪にしかならないと言われて、

「橅」という名前をつけられたって聞いた。

同じような理由で沢山の橅の森が世界中から無くなって、

日本の秋田の辺りや、ヨーロッパでも

ほんのわずかの場所しか残っていないんだそう。


でも、その木では無いと蔑まれた木が、

山の水を守っているというのが、現代になってから分かったこと。

人間の都合で”役に立たない”と言われたものが、

本当は山を動物を水を、里の人の命を守ってくれてたんだな、と思う。

都合のいいもの、役に立つかどうかだけの物差しで見ていると、

大事なものがどんどん失われていくのだな、と思った。。。



それとはまったく関係ないんだけれど、

用途のないものの用途があってもいいよね、

と思ったりもします。。。(笑)








by nazunanet | 2019-10-17 01:34 | 小物入れ | Comments(0)

江戸葛布の重ね

江戸幕末の武士が着用していた裃(かみしも)の布を

小物入れに仕立てました。

江戸葛布の重ね_d0221430_15052586.jpg

江戸時代、武士に好まれていたという葛布。

和紙のような質感は、折り目正しい裃の装束にまさにぴったり。

明治になり、途絶えてしまった葛布の織り。

繊細な糸を極細番手の布に織る技はもう不可能なのかも。。。

均一な織り、そして「江戸小紋」と呼ばれる極細の縞の型染。


江戸葛布の重ね_d0221430_15082716.jpg


光沢ある葛布は、薺nazunaを始めてから一度だけ出会った珍しい布。

過去にわずかに一点だけ小物入れを制作したきり。

その後、もう一枚、別の葛布を手に入れることができたので、

葛布の重ねが実現できました。


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経糸は木綿、緯糸を葛糸で織られたもの。

こちらの縞もやはり織り上げた後に、型染で染めたものです。

江戸葛布の重ね_d0221430_15070397.jpg

武士の装束を小物入れに、ということで、

流しの着物の懐に入っていそうな雰囲気に。。。

竹も幕末から明治頃の煤竹を使って、手彫りで留め具にしています。


江戸葛布の重ね_d0221430_15080571.jpg

表のかぶせの前飾りには、出雲の山桜。

40年以上乾燥させたものなので、赤味がかった艶がお使いのうちに

どんどん色艶が増していきます。

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緒締玉は、ローマ時代の古代ビーズ、カーネリアン。

麻糸を四つ組にした組紐に通してあります。

大切なものを仕舞うための道具、小物入れ。

バッグやジャケットの懐に、

お好きな香りを包んだ文香や香袋を忍ばせたり、

アクセサリーやお守りを仕舞ったり、

ジュエリーに添えて贈り物にも。。。

さあ、何を仕舞いましょうか。




by nazunanet | 2019-04-18 15:27 | 小物入れ | Comments(0)
先日、久しぶりに小物入れをおしなものにアップしました。

古い時代に手で糸を績み、手織りされた麻の布で仕立てた小物入れ。

麻の重ね 手績みと手織りの麻の手触り_d0221430_21020202.jpg


一見、地味で素朴な布なのに、

同系色の麻のグラデーションに合わせると、

やはり手織りの、極細番手のものから上布のものまでを、

重ねるほどに手に持ったときに、すっと入ってくる感じ。


麻の重ね 手績みと手織りの麻の手触り_d0221430_21022108.jpg


麻の重ね 手績みと手織りの麻の手触り_d0221430_21023710.jpg


久しぶりに心地の良い小物入れを仕立てることが出来て、

嬉しい気持ちになりました。


麻の重ね 手績みと手織りの麻の手触り_d0221430_21025422.jpg

上布という極細の糸で織られた麻の布は、

一重では小物入れとしては薄すぎるので、

表の麻に、また麻を重ねて、二重に三重に、四重に。。。

重ねれば重ねるほど、心地よく感じる。

巾着での麻の重ねは二重のものだったけど、

これは4重になるところもあって、

ふんわりとやわらかなワタのようにも感じるほどに。

着物や衣類での麻の重ねの着心地が小物入れで再現できたんだなあ、と思う。。。



by nazunanet | 2018-08-20 21:13 | 小物入れ | Comments(0)

網代編尽くしの小物入れ

和紙を紙縒りした堅牢な糸で織られた布=長門の小物入れ。

網代編尽くしの小物入れ_d0221430_18171812.jpg

見れば見るほどに、まるで煤竹を極細に裂いて編んだ竹細工のような風情。

網代編尽くしの小物入れ_d0221430_18193882.jpg

そんな布の織りから、賛崩しを合わせた網代編尽くしにしようと思い立ちました。

網代編尽くしの小物入れ_d0221430_18183705.jpg

明治期に織られた上布(麻)の算崩しは、琉球のもの。

網代編尽くしの小物入れ_d0221430_18185135.jpg
同じく明治期の木綿の算崩し。生成り糸と藍染の糸で織られた柔らかな布。

網代編尽くしの小物入れ_d0221430_18192145.jpg

花田色の算崩しは昭和頃のもの。
網代編尽くしの小物入れ_d0221430_18181859.jpg
こちらも昭和の初期頃の、

様々に先染めした手紡ぎの糸で手織りされた風合いの良い布。

算崩しのアレンジが美しい織りのもの。

網代編尽くしの小物入れ_d0221430_18190989.jpg

アクセントに前ポケットには、太綱をべんがら染めした木綿布。


網代編尽くしの小物入れ_d0221430_18195329.jpg

かぶせの前飾りも網代編み文様を、

30年以上乾燥させた山桜を使って、彫刻刀で手彫りしています。

網代編尽くしの小物入れ_d0221430_18200798.jpg

緒締玉は、noriko yamamotoさんの作品。

古布や藍染などの布に合うように、色や艶など気遣って作って下さったもの。

穴も紐が痛まないようにと、何度も手を掛けて磨いて頂いています。

  今年でとんぼ玉制作を一旦お休み、とのこと。

  なんとも残念な限り。。。

  手元に残ったとんぼ玉、大事に使わせてもらいます。


長門を使ったアイテムを仕立てることが出来て楽しかったです。

手に入れることが出来たのは、わずかなハギレ。

古い時代のものなので、ところどころの穴や破れも多くて、

まとまって無傷な部分が取れるのは、

小物入れが少しだけ作れるほどのもの。

ほんの少しだけのご紹介となってしまいました。

是非、楽しんで頂けたらと思います。





by nazunanet | 2017-10-07 18:52 | 小物入れ | Comments(0)
和紙をこよりにして、柿渋染、または漆塗りした布、長門(ながと)。

この珍しい古布は、

薺nazunaを始めてから一度だけしか出会ってない。。。

和紙で織られた布 その2 ~過去の作品から~ そして布のこと_d0221430_16221757.jpg


紙布というものを何度か見たけれど、やはり全く違う。

和紙で織られた布 その2 ~過去の作品から~ そして布のこと_d0221430_16232060.jpg


織り糸の一本一本が和紙を紙縒りして柿渋で染められている。

もしくは漆がかかっているようにも思える。。。

和紙を糸にする工程は素人目にも手間のかかったもので、

かなり堅牢なもの。とても紙とは思えない。

そして綾織りにされた網代織がまた趣味人的な仕上がりで美しい。


和紙で織られた布 その2 ~過去の作品から~ そして布のこと_d0221430_16225503.jpg


手元にあった柿渋染のおお麻の布を合わせて。

この「おお麻」はサンベという、韓国の手織りの大麻布。

それを柿渋染したもの。

韓国にはまだ一度も行ったことがないけれど、

こうした麻の織物が今でも市場に出回っているのだと聞くと、

麻好きとしては少々羨ましい限り。


和紙で織られた布 その2 ~過去の作品から~ そして布のこと_d0221430_16233964.jpg

和紙で織られた布 その2 ~過去の作品から~ そして布のこと_d0221430_16235890.jpg


柿渋と藍染は、かなり好きな色の取り合わせ。

麻は麻素材同士を合わせると、縫いやすいし、布同士の折り合いがいいと思う。


和紙で織られた布 その2 ~過去の作品から~ そして布のこと_d0221430_16242361.jpg


桜材の手彫りの留め具、革紐、アンティークビーズ。。。

この異素材の取り合わせが小物入れのシンボル。

小物入れ、また作っていきたいと思う。。。



こういう珍しい布についての思いを少々。。。


やはり、色々な文献や古布の背景を知るにつれ、

日本は古来から山岳地帯の多い国土で、

綿の栽培は近世になってからのようで、

気候風土などで、綿花の栽培は温暖な地域に限られて、

東北などの寒冷な土地では大麻繊維のほか、

沖縄、琉球地方では芭蕉の繊維、

そのほか、全国域でも葛や楮、苧麻、

あらゆる植物を繊維に試して、

衣類や布製の日用品を作っていた模様。。。


当時は、特権階級や上流階級、裕福な商人などは

絹織物や木綿の衣類が手に入ったろうけど、

貧しい庶民や農民の多くは、絹や木綿の衣類を身に着けることがなかったそうで。

柔らかな絹や木綿の布が手に入らない貧しく厳しい環境の中での

衣料繊維を確保するには、

想像を絶するような苦労と工夫だったと思われる。

今となっては、皮肉なことにそれらの繊維で作られた布は

庶民にはなかなか手が出せないような

大変貴重なものになっているものもある。。。

(芭蕉布などは大戦直前まで庶民の野良着で、

雑布のような扱いもあったそうだけど、

今では着物一枚で高級車が買えるくらいに珍重されているようだし。。。)


長く丈夫な繊維を採るために、

草だけでなく、樹木の樹皮や蔦なども。

京都の北の地方では、藤の木などもなめして繊維にして布を織っていた。

(堅い樹皮を糸にする作業はどれほどのものだっただろう。

その藤の布も今では幻の貴重で高価な布。)


そんな創意工夫の日本の先人たちが、

和紙を糸にする技術の高さは凄いものだったんじゃないか、と。

代々研鑽していったに違いない。。。


大陸から木綿が大量に日本に出回るにつれ、

それらの布は無くなっていったようで、

なんだか非常に残念のようでもあるし、

苦労しないで布が手に入って良かったね、とも思うし。。。


布を生み出すのは、ずっと女の仕事だったようなので、

(そういえば日本の女神アマテラス神も機織りの神。。。

布や絨毯を織るって、そういうルーツなのかも)

農作業や家内作業、家事育児、様々なことをこなしての、

繊維の元を栽培したり採取しするところからの布制作。。。


時々、そういう苦労の末の布なんだろうなというものを

手にするときがある。

今回の「長門」や、

以前山ぶどうの持ちてのバッグで使用した「しな布」も、

しなの木の樹皮で作られた布、

東北の「南部麻」も農閑期や日常のわずかな時間の合間に、

少しずつ作られてきた、まさにそんな貴重な布。


そういうものは、とてもすぐにハサミなど入れられるものじゃない。

どこにでもあるものなんて作れない。

これぞ!、というものでないと。

なので、「長門」のアイテムはまだ二つしか作っていない。。。


by nazunanet | 2017-09-14 16:52 | 小物入れ | Comments(0)

藍と黒のカンタ

黒に限りなく近くなるまで染められた藍染の布。

白糸ではなく、木綿の黒糸で施したカンタ刺繍。

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藍と黒のカンタ_d0221430_01174923.jpg

東北の刺し子も、

藍染に黒や藍の糸で刺してある男刺しの、

奥ゆかしい、というか、シャイな糸仕事が好きというのもあって。。。

また、カンタ刺繍の細い糸でびっしりと刺す地刺しが、

テクスチャーの面白さに魅了されているというのもあります。

画像では地刺しが見えにくいけれど、

細かに刺した糸のうねる様子と手触りの対比として、

ツルツルとなめらかな手触りの亮布を

内布やアクセントのパイピングに配しました。

藍と黒のカンタ_d0221430_01181236.jpg
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貴州省の少数民族の手織りする藍染布を卵白などを塗布し、

砧でたたき続けることで布とは思えないほどの輝きと滑らかさと、

和紙のような薄さと軽さに変化した木綿の布。

同じ木綿ながら、戦前の日本で手織りされた生成木綿を内布に合わせました。

木綿の繊維が今のものにはないほどに、

ふっくら、ふんわりした手触りのものです。

細かな地刺しを施した部分を亮布に合わせて、

ここでもテクスチャーの対比を遊んでみたり。。。


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桜材を手彫りした留め具とビンテージビーズの玉。

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30数年もの間、乾燥させた山桜。

手彫りしたあとに数工程の磨きを経て、

赤味がかった木肌と木目は、お使いのうちにどんどん艶が増していきます。

ちくちく縫いのニードルワークと、

先人の匠な手仕事の詰まった古布の味わいを楽しんで頂ければと思います。



長くご愛用頂きたいので、

薺nazunaの製品は、ご購入後のメンテナンスなども承っております。

いつでも、ご遠慮なくご相談ください。







by nazunanet | 2017-08-27 01:20 | 小物入れ | Comments(0)

「袋もの屋 薺nazuna」と「nazuna_antique」作家兼店主の日々のあれこれ。布のこと 麻のこと Antique FOOD 古道具 手仕事する人々のこと 


by nazunanet
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