良い布に出会ったら、
その布の手触り、肌触りを実感してもらいたい思いがある。。。
そんな素晴らしい布に頼りっぱなしになっているけれど、
布が主役なので仕方がない。。。
自分のデザインとか、新しいデザインとか、
そういうのは言ってしまえばどうだって良くて、
布を生かす、
布に合わせる、
これに尽きる。。。
70年から100年以上前の、家庭の主婦たち、名もなき女たちが手紡ぎして手織りした布。
その手仕事の美しさ、
素朴で織り紋様もなく、平織りに徹したシンプルな布が、
何でこうまで愛しく感じるだろう。。。
そういった布の多くは、織ったあとから藍染めしたもの。
細番手の布は糸の奥まで染まるけれど、
ガサガサと野太い繊維の糸で織られた布は、深い藍染めしたあとも、
布をハサミで切ると、ほんのり糸の芯に白さが残るものもある。
そういうのもそれはそれで、また”良い景色”になる。
袋ものを仕立てて使っていくうちに、縫い目や折り目にアタリがでてくる。
その色褪せや色落ちの美しさは何ともいえない。
藍染め布の使い込まれた美しさはデニムの味わいに似ているけれど、
高騰しているビンテージデニムを凌ぐと思っている。
それもそのはず、デニムの歴史よりも遥かに遡る藍染めの歴史。。。
(デニムは好きなので、ディスってる訳ではないのです。。。)
インディゴよりも透明感のある深みのある藍色。
まるで、一番星が出る頃の空のような。
果てのない夜空の透明感にも似た藍染めの色。
古くなっても味わいが深まっていく。
そういう魅力が藍染めの古布にあると思っている。。。