明治や江戸期の布や着物を手にしていると、
なぜにこんなに長持ちしているのだろう、と考える。
昔は洗濯機など無いので、たらいで手洗い。
しかも、石鹸すらも無かっただろうと思う。
米ぬかで体や髪を洗っていたように、
着物も基本は水洗いや米ぬかなどで洗っていただろうと思われる。
全自動洗濯機は特に布や衣類が痛む。
回転する羽がどんなに工夫されて丸みを帯びたり、ドラム式になっていようと、
布と布、衣類と衣類が混ざり合うと擦れて痛む。
手洗いは一枚一枚洗うしかないので、布同士衣類同士の摩擦がない。
だから、こんなに大昔のものが良い状態で残っているんだなと感心する。
やはり、洗濯機にドライマークモードがあったりしても、
手洗いに勝る手入れ法はないのかな、と思ったりも。
我が家ではクリーニング屋さんはあまり使わないので、
ウールも家で洗ってしまいます。
純石鹸だとウール100%も洗えるので。
古布に限らず、極細番手の糸で織られた繊細な生地など、
やはり洗濯機を使うとあっという間に劣化してしまうので、
手洗いがいいと思う。
でも、ガウンやコートや布面積の大きいものは、手洗いも限界があるので、
なるべく単体でネットに入れて、ドライモードで洗うのがいいと思う。
お気に入りの生地で仕立てたバッグやシャツなどは、
破れてもひたすらチクチクと繕って、長く愛用していこうと思います。