秋冬、春を通して、なんと乾燥した状態だったのか、
最近、石鹸洗剤に変えてから手指の乾燥とも無縁だったのに、
春になってから、唐突に手指が乾燥してきた。
まあ日々、買い物に行けばアルコール消毒液を手に塗り込むし、
自宅でも日に何度も念入りに石鹸で手洗いをしていたら乾燥してくるのは仕方がない。
でも、手指に限らず、冬から春にかけて、
革製品が妙に妙に、ヒジョーに乾燥し始めてきたのはウチだけなのかな。。。
靴もかばんも、手帖の革カバーや小物なども、
日々オイルやワックス、ブラシなどでいつもお手入れを欠かさないのに、
それでも、パリパリっと細かなひびが入っていて、みるみる乾燥ひび割れをし始めているので驚いた。
このまま放っておいたら、確実に劣化して使えなくなってしまう。
急いでオイルを塗布しようにも、はたと気づくと、
以前に靴の修理屋さんでおすすめされたミンクオイルしかない。
ミンクオイルは溶剤が入っているのを後で知って、もう使わないようにしていたんだけど、
ずっと愛用していた「革油」を切らしているのでこれしかない。。。
「革油」というのは、昔からよく行っていた浅草橋の革屋さんで扱っていた革用の油で、
見た目がコラーゲンの塊のようなトロッとした茶褐色の油。
瓶入りで蓋にマジックで「革油」と書かれて売られていた。
いわゆる市販品のようなものじゃなく、お店で瓶詰めされて売られていたもの。
そんな無骨な油が信じられないくらい優れもので、
革への浸透力、そして艶といい、保護力といい、あれを使ってしまったら、
市販の有機溶剤のオイルは使いたくなくなるというもの。
そろそろ作り始めた革を使ったアイテムにも使用したいので、
また新しく仕入れておかないと。。。
革屋さんは通販がないので、どこかで同じものが売ってないか探してみた。
革を扱うお店なら扱っているものだろうと安易に思っていたら、どこにも売ってない。
しばらく移動自粛で浅草橋へ行くのを控えていたけど、今になってどうしても欲しい。
一応電話で問い合わせてみようと尋ねてみたら、
電話の向こうで店主の方が、「残念ながらもうあの「革油」は扱ってない」という。。。(ショック)
あの「革油」は革なめし工場で使われる特別な油で、
それを扱っていた工場が数年前に廃業されてしまって、もう他のどこにも扱うところがないんだとか。。。
(あんなイイ油を、なんでどこも扱わないんだろう。。。)
「あのー、いわゆる巷で売られているニートフットオイル、というものとは違うんですか?」
と尋ねると、「ぜーんぜん!違います。全く別のものです!」と(笑)
「あれでないと困るんです。あれがいいんです〜〜」と泣きついてみたものの、
「うちもあれに代わるものをずっと探してるんですよ」って。。。
「見つかったら、ぜひ通販してください」とお願いして電話を切った。
本当に良いものって、宣伝されてないし、
知る人ぞ知るものなんだな、と改めて思った。。。
でも、オイルはないと非常に困る。
自分の私物もそうだし、今後作る革のパーツにも必要。。。
そういうわけで色々試したり探しているうちに、
革用の馬油を試してみた。(ワタシ、美容オイルとしても使っていた時期あり。。。)
これが非常に良い感じ。
革への浸透が素晴らしいし、しっとりとした仕上がりが革製品自体をランクアップさせてくれそう。
(浸透力がいいので、たくさん塗布すると革の色が濃くなってしまうので気をつけて。)
乾ききった革バッグやシステム手帖の革カバーに塗ってみたら、
どんどん吸い込まれていく。。。
もう千切れそうになっていた背表紙のところのダメージが抑えられたような感じ。
あの魔法の「革油」が手に入らない間は、馬油を使っていこうと思う。。。
そして、タピールのワックスオイルとブラシがあれば言うことなし。
布でオイルやワックスを擦り込むよりも、
ブラシで擦り込むと、格段に浸透していきますね。
布でオイル類を塗布する、というけれど、
存外に、それほど革自体に浸透していかないと思うのです。
きっと布の繊維がオイルやワックス成分を吸いこんでしまうのかもしれません。
逆に言うと、それほど浸透させたくないときは布で、
しっかり浸透させたい時はブラシで擦り込むと良いようです。
乾燥した季節が続くので、革アイテム、革の持ち手などのお手入れに、
馬油、いいですよ。
ひび割れが悪化してしまう前に是非やってみてください。