藍や染めの布が好きだけど、
どうにも好きなのは、生成の布。
繊維そのものの色だからなのか、
染料が入らないので、洗うごとに柔らかく心地よくなっていく。
戦前に織られた日用の木綿のたっぷりした繊維の心地よさの布に、
また出会いたいと思うけれど、
なかなか出会えない。
カディなど手紡ぎ糸で手織りされている布などは、
甘く織られたもの特有の柔らかさがあって心地よいけれど、
袋ものなどに使うと傷みやすくなってしまうので、なかなか難しい。
丈夫で密に織られたものに出会えればいいなあと思う。
昔の日本の布の素晴らしいところは、
手紡ぎで手織りなのに丈夫で長く使えるということ。
なんて凄いんだろうと古布を手にして実感する。。。
そうは言っても、古布には寿命もある。
衣類や小物に使えても、重いものを入れるバッグにはなかなか向かない。
そこのジレンマもある。
見た目で古布が良くても、
耐久性を思うと新しい布がいいけれど、
どうしても昔の布を探してしまう自分がいる。
でも、
これまで新しい生成の布で小物入れやバッグを仕立てたりもした。
岡山にあった帆布を昔ながらの力織機で織っていたところのもの。
織られた糸が繊維豊かで、
風合いも表面の表情が使い込めば使い込むほど良くなっていく。
もう廃業されてしまっているのがいまだに惜しい。
定番のトートバッグやショルダーバッグは、今も毎日のように使っている。
何度も洗いを掛けたのでクタクタになってどんどん良い感じになってきた。
少しだけ残っている布で、またバッグを作ろうと思う。
古布の良さ、新しい布の良さ、
それぞれを上手く使い分けて、
手にするたびに心和むものを、
少しずつ作っていこうと思う。
腕の具合も良くなってきたので、そろりそろりと制作開始しています。