有次で肥後守を購入するとき、
ネットで真鍮製のバターナイフもあることを知った。
でも、金属製や木製のバターナイフは何本か持っていて、
また道具が増えるのもどうかと思って、
そこは少し我慢したのだけど。。。
最近は定期的にパンを焼いているので、
バターナイフは毎日のように使う。
10代のとき、原宿のF.O.B.COOPで購入したものとか、
明治通りのZAKKAで購入した木製のものもあるし、
出雲の鍛冶屋さんの果物ナイフはバターナイフやチーズナイフにぴったりで。。。
最近はジャン・デュボのバターナイフに心惹かれていたけど、
有次の真鍮製のもいいなあ、なんて、
またキッチングッズに心奪われ気味だったけど、
ここは少し冷静になろう。。。
金属製のバターナイフはバターを切りやすいし、
熱伝導の良さもあるから溶けやすいし塗りやすい。。。
でも、なんとなく、パンの表面に金属の刃やヘラが当たるのがどうも抵抗感もある。
使っている木製のバターナイフは刃は勿論ないので、
もったりしていてバターやジャムを塗るとき、パンの表面を押し付けてしまう。
何か良いバターナイフは無いものか。。。
そこで、いつも使っている木の匙を思い出した。
塩やスパイスを少しだけ取るのに便利なように、
茶匙のような趣で自分でこしらえた木匙。。。
山桜の枝を削って作ったまんまの、いびつで素朴としかいいようのない木匙。
でも、長年使っているうちに、なんとも言えない艶も出て、
スパイスや塩をすくうのはこれでないと、と手放せない愛着が湧いてきた。
じゃあ、バターナイフも作ってみよう。
有次の肥後守で山桜の枝を削って、バターナイフを作ってみた。
上の小さいのは私用。
下の大きいのはダンナさん用。
3匹のクマのスプーンみたいだなあ。。。
画像では分かりにくいけど、刃部分も薄くエッジが出るように削ったのと、
持ち手の親指がかかる鍔の部分や柄の太さやゆるやかなカーブも、
いびつながら工夫して削ったので、バターを切るのも苦にならない。
とても使い易いバターナイフが出来上がった。
北国の山桜を使ったので、白い木肌のまま未塗装のもの。
そのうちオイル成分がどんどんしみ込んでいって、
艶も味わいも出てくると思う。
手にも、パンにも優しいバターナイフ。
なんだか、作っているときも、
使う時も、心がほっこりしてくる。
暮しの道具を自分で賄う喜び、というのかな。。。