来年の干支にちなんで、
ねずみの留め具を彫りました。

ねずみもうさぎと同様に、多産の繁栄の吉祥紋です。
令和二年の干支と吉祥のモチーフなので、「福ねずみ」としました。
おおあさで手織りし、縞を型染した大麻布。
内布には、やはり干支の柄が染められた木綿の布。
ユーモラスなデザインが素敵な布なのです。

現代の華やかで派手な色の取り合わせのものとは違って、
一見すると地味に思われる色合い。

でもそれは化学染料ではなく、
天然の藍染めや草木染めで染められた着物に、
しっくりとくるように選ばれた柔らかな色合いだからです。
本当は日本人の肌の色には、こうした繊細な色のグラデーションや、
藍や草木染めの柔らかな色が品良く似合うのだと思うのです。
江戸時代の染め見本には、
一見すると同じ色に見えるほど微妙な色の違いにも、
全てに粋な名前がつけてあって、
ことに、贅沢華美を禁じられた時期に、
ねずみ色や茶、藍や黒しか着用を許されなかった庶民らが、
許された色の中でのお洒落を競うように、
数えきれないほどの美しい”質素な”色を生み出したとされます。
今でも日本の色辞典でその一部を見ることができます。
それほど、昔の日本人は微妙なまでの色の違いを見分けられるほどの
繊細な美学を持っていたのだろうと感心してしまいます。
そんな江戸のお洒落は、表は地味な色の着物でも、
長襦袢や肌襦袢をめいっぱい派手にしてお洒落を楽しんだのだそう。
それが”江戸の粋”、と言われるものなのでしょうか。。。
薺nazunaは、生まれ育ちは”派手の大阪”ですが、
好みは長年暮している東京好み、まさに江戸好みです。
なので、薺nazunaの商品の見た目は一見地味かもしれないですね。
見るヒトが見れば細部が凝っている、
珍しい布で作られている、
そんな”粋”な合わせが大好きです。。。

小物入れのかぶせには、出雲の山で間伐採された山桜を手彫りした前飾りを。
何十年も乾燥されたものを留め具の材として使っています。
材から糸鋸で切り分け、彫刻刀の平刀で彫っています。
機械は使わず、全部手仕事で作りあげるのが薺nazunaの信条です。
福ねずみの小物入れはスッキリとした布合わせなので、
男性も女性もお使いになれます。
札入れにもよし、
お守りた数珠入れ、お年玉やご祝儀入れに、
また、革紐を取り外せば、お茶席の際の懐紙入れにも素敵です。
(お茶席などでは革紐の先の留め具が、お道具に当たってしまうかもしれないので、 お外しになってお使い下さい)
薺nazunaのHP、またはIICHIで扱っております。
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是非、チェックしてみてください。