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夏の夜のミステリー小説を堪能。”ドクター・スリープ”S・キング著

スティーブン・キングの小説は怖くて、

でも、大好きなブラッドベリを思わせる世界感もあって、

長編小説”ダークタワー”も、見逃せなくて、

ついつい怖い怖いと思いながらも、

読んでしまうところがある。

結構昔の短編集で、一人で読んでいたらあまりに怖くて、

後から後悔したくらいの。

友人に話すと「読みたい、貸して!」というので貸したら、

やっぱり読んでる途中で「なんで読んでしまったんだろう!」と

思いっきり後悔した、という短編、「浮き台」。(本当に怖い)

でも、この短編、映画化されたんだけど、

それは非常に不出来なもので、

全く怖くない。

映画を見てから読んだら、きっとあんなに怖いと思わなかっただろう。(笑)

でも、スタンリー・キューブリックが映画化した「シャイニング」は別格。

あの冒頭の俯瞰図から雪山を背景にしたホテルへのシーン、

映画の中のすべてのシーンが美しく、恐ろしい。

原作の小説を読むと、かなりの部分が監督が作り直したものと分かった。

クライマックスの生垣迷路も結末も違う。

これは全く別ものの作品とでも感じるくらい。

だからなのか、キューブリック作品をS・キング氏は酷評だったし、

全く認めていないらしかった。

後にキング自身がメガホンを取って「シャイニング」を”完璧に映画化した”けれど、

なんだろうなあ~~。

なんだかギャグ映画のようにさえ感じる仕上がりになっていた。

作者の思い入れが強すぎて、映像化すると滑稽になってしまうのか、何なのか。。。

そして「ダークタワー」の映画化も、

どんな風に映像化したのか興味があったけど、

あの長編を短くしなきゃいけないんだし、こんなになっちゃったんだね。。。

と残念でしかない。

「ダークタワー」は「アトランティスのこころ」という作品にも出てくる

ちょっと謎な男たちが出てくるので、

どんな表現なんだろうと楽しみにしていたけど、

描き方がごくごく平凡な感じだった。

「アトランティスのこころ」(主演の少年がアントン・イェルチンなの!悲)

も小説は本当に面白くて、やはりブラッドベリの匂いがしていて。

アンソニー・ホプキンスもアントン少年のキャスティングも申し分ないけど、

暗黒からやってきた男たちの描写がねーーー。

原作を読んだものにとっては残念なのよね。


そんなこんなで、最近シャイニングの続編が映画化されるというのを耳にして、

「あー!まだ読んでなかった!」と焦ったのなんの。

映画化されてしまってから原作を読んだら、

配役も場所も背景もすべて映画のまんまになってしまう。

それでは楽に読み進められるだろうけど、あまりにもつまらなくなってしまう。

小説を読む面白さは自分の想像世界の羽ばたきにあるわけだし。。。



そう、その続編というのは、

「シャイニング」で脅威の第六感少年、ダニー君が大人になってからの話し。

大急ぎで「ドクター・スリープ」(分厚い上下巻、しかも一頁2段構え)を

手に入れ、丁度上巻を読み終わったところ。

最初はこんなに分厚いから大変、と怖気ていたけれど、

怖いというよりも圧巻のエンターテイメントで、

ぐいぐい引き込まれて読み進み、あっという間に上巻を読破。

もう下巻はどうなるのか、今からワクワクドキドキ。。。。

やはり巨匠の作品は面白い。

でも、これを映画化するって、また大変だなあ、、、と思う。

どんな風に、どこを切り取るのか、

そういうのが映画監督の腕の見せ所。

是非、楽しませてほしいね。

キングの作品の映画化はアタリはずれが大きいので。。。



そうそう、「砂の惑星」もリメイクするというので、

全巻読破しました。

面白い!

でも、航宙士ギルドや”香料=スパイス”で宇宙を航行する映像表現は

デビッド・リンチ独自のものと分かって、

やっぱりリンチは凄いなあ、と思いました。。。



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by nazunanet | 2019-09-07 23:08 | art、 music,movie,etc | Comments(0)

「袋もの屋 薺nazuna」と「nazuna_antique」作家兼店主の日々のあれこれ。布のこと 麻のこと Antique FOOD 古道具 手仕事する人々のこと 


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