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ケンドリンガーワックスでシステム手帳filofaxを磨く;追記あり。ワックス塗布のご注意を。

(元は2019年頃の記事なんですが、追記を加えてアップしたら、
 現在時間になってしまい、元の日付がわからなくなってしまいました。
 でも、ワックス使用に関して、最後の方に注意喚起をしていますので、
 読んでみてください。)

ーーーーーーー

前回は木製品を磨いたケンドリンガーワックス。

ケンドリンガーワックスでシステム手帳filofaxを磨く;追記あり。ワックス塗布のご注意を。_d0221430_17015939.jpg

もとは未塗装の木製品用のワックスなので、

留め具にピッタリなんだけど、私は革製品にも使ってます。

扱っているお店の説明文によっては「革は使えない」とあるけれど、

おおもとの取り扱いのあるエルデさんのHPには、

革製品の使用も◎になってるので問題ないと思います。

着色料がないので、ヌメ革の靴や鞄などに一番いいと思う。

薺nazunaの小物入れやバッグに使用しているヌメやオイルレザーなども、

乾いてきたら、是非是非これで磨いてほしい。

タピールは布用のワックスもあったりするので、

昔ながらの方法で防水や撥水したい場合はおすすめかもしれません。

けれども、ワックスというのは”蝋”なので、

布地を蝋引きするのは、よくよく試してからにしてください。

ちょっとベタっとした感触にもなり質感も色の雰囲気も変わるので、

アウトドア上級者向けかもしれません。。。



今回はこのワックスで長年酷使している革の手帳をお手入れ。。。

ケンドリンガーワックスでシステム手帳filofaxを磨く;追記あり。ワックス塗布のご注意を。_d0221430_17021990.jpg

filofaxのアスコット。24年物!今でも現役バリバリです。


filofax、90年代より以前はMade in Englandが主流だったけど、

95年のこのascotの時には既にMade in USAの刻印に変わってる。

これ以降、今では中国やアジアなどが主流になっているようで、

欧米本国での物づくりの最後の頃のもの。

表側の革の傷みが多少出たけれど、内側には殆ど傷みもない。


ケンドリンガーワックスでシステム手帳filofaxを磨く;追記あり。ワックス塗布のご注意を。_d0221430_17023642.jpg


縁返し(へりかえし)の仕立てがクラシカル。

切りっぱなしのものだと革の質と、

なめしやコバの仕上げの良し悪しで、

長年の使用に耐えられるかどうかが出てくる気がする。

もっとも、汚れたり傷んだら新しいものに買い替える、っていうのだったら、

何だってかまわないけど。。。(苦笑)

自分で使い込んでいく風合いの楽しさを味わうなら、

丁寧に作られているものがいい。

ケンドリンガーワックスでシステム手帳filofaxを磨く;追記あり。ワックス塗布のご注意を。_d0221430_17025440.jpg
背表紙のバインダー金具のある部分の傷みも殆どなし。

ただ、このベルト部分の亀裂が。。。。

ケンドリンガーワックスでシステム手帳filofaxを磨く;追記あり。ワックス塗布のご注意を。_d0221430_17030877.jpg

使い始めて、10年くらいのとき、タピールを知って、

なんとか傷が浅いうちにお手入れを、と

ケンドリンガーワックスで磨き始めて。。。

その成果もあって、本体の傷みは全然といっていいくらいに無くなった。


ベルトのヒビは一酷使する部分だから仕方がないかな。

ペンホルダーは細いので使いづらくて使わないままにしていたら、

やはりヒビが入ってしまった。

酷使も傷みの原因だけど、

使わない状態なのも革には良くない。

革は使った方がいいんだな。

靴でも鞄でも、革は使って丁寧に手入れする方が長持ちする。

使わないでいると、乾いて紙のようにクラックが出来てしまう。

たいしてお手入れをしていなかった10年間に、

色々なヒビだのクラックだのが出来てしまったけど、

その後、使用する度に馬毛ブラシで汚れ落としのブラッシングして、

ワックスで定期的に磨いていたら、

時が止まっていてくれてる感じがする。



革はオイルやワックスも大事だけど、

靴も鞄も小物も、ブラッシングする時が一番喜んでる感じがする。

ふわっと、ふっくらと蘇るというか、深呼吸するような感じがする。

そして、少し生まれ変わったような表情を見せる。

古いものだけど、

自分が使っているうちはなるだけ綺麗に使ってやろうと思う。

ときどき、他の手帳に目移りしてしまいそうになったりもするけれど、

やっぱりこれでないと。

ベルトがちぎれたら、お直しに出すよりも、

自分で修繕してみようかな。

その方が自分の愛用の道具としての愛着が湧く気がするので。



子供の頃から物を粗末にしてばかりの私だけど、

大人になって、

大事なものを大事にすること、

古いものを長く使うことの楽しみ、

自分だけのお気に入りを大事にすること、

そんなひそかな楽しみを、

少しずつ学ばせて貰ってるように思います。。。



まだまだ何も出来てないけど、

ちょっとずつ、

張り切らずに(笑)、

声高にならないように、

やっていければと思います。。。




薺nazunaの小物入れやかばんなど、

ちくちく修繕もやりますが、

自分で手直ししたい方がいらっしゃったら、

いつでもご相談に乗ります。

ハギレや革紐、

修繕用の素材などもご相談にのります。

追記;

2025.4.29
ワックスはあまりつけすぎないようにご注意です。
年一回、もしくは2、3年に一回でもいいかもしれません。
革の用途やその状態によりますが。
塗り重ねる前に、一度、タピールのレーダーオイルでワックスを落として、
渇かしてから、
そして、革用のオイルで栄養を与えてからでないと乾いた革に、
ワックスというコーティングをしてしまうので、
乾燥がひどくなります。

おすすめなのは、レーダーオイルで落としてから、
タピールのクリーム状のフレーゲクリームを塗布して、
しばらく経ってから、ワックスを塗布する、というのがいいです。

古いワックスをそのままで塗り重なると、硬い膜になって、ヒビ割れが出たりします。
ワックスが掛かりすぎていると、革に栄養のオイルが入らなくなるので、
一旦、古いワックスを落とすという作業が大事になります。

登山靴など歩いてワックスが磨耗したりするくらいヘビーな使い方の場合は、
すぐにワックスが自然に落ちていくのかもしれませんが、
机上で使うもの、普段の通勤に履く程度の革ものや革靴の場合は要注意です。

私自身、その後、革カバンに塗布したワックスから乾燥を引き起こしてしまい、
落とすのに苦労しました。
そのままだと、革が乾燥してベルトなどがちぎれてしまっていたかもしれません。

いろんなメーカーからワックス落としが出ていますが、
どれも有機溶剤なので革を痛めます。
タピールのレーダーオイルが一番落ちますし、優しく落ちます。
自然派と謳っているメーカーも、ワックス落としは完全に薬品なのでそこはご注意のほど。
ワックスを落とす際に、革の銀面もバラバラ剥がれてしまうこともありますから。(経験談として)









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by nazunanet | 2025-04-29 19:07 | 日々のあれこれ | Comments(0)

「袋もの屋 薺nazuna」と「nazuna_antique」作家兼店主の日々のあれこれ。布のこと 麻のこと Antique FOOD 古道具 手仕事する人々のこと 


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