地域猫、風雨の中で。

二、三週間前に見かけたときは、
丸々して、毛艶も良くて、
ごきげんのていで、毛づくろいに熱中しているところだった。
いつものように名前を呼ぶと、
こちらを見て、ゆっくりとまばたきを返してくれた。

寒かった冬が終わって良かったなあ、と思っていた。

でも、その後から急に寒の戻りが激しくて。
次に近くを通ったときに、いつもの場所を見に行ったら、
晴れた日には毛づくろいしていたお気に入りの場所に、
黒っぽいタオルが落ちているだけ。
どこかに地回りに行ってるのかなと近づいてみたら、
平たいタオルだと思っていたのが地域猫だった。
「まさか!」と更に身を乗り出すと、ただ眠っているだけだった。
呼びかけにも顔をあげることなく、静かに眠っている。

私のことは”知った顔だ”と認識してくれてるけど、
あまり近づくといつも警戒して逃げようとする地域猫。
弱ってる時にそんなことをしたら体力を使ってしまう。
そんなわけで離れたところから見守っていた。

その後、お世話係の方に会ったら、
「どうも風邪をひいたみたいなの」と。。。
鼻がつまって呼吸しにくいらしい。
「もう12才にはなるからね。。。」とちょっと寂しそうに。

私はにゃんこ先生のことでペットロスになったことがあるので、
そういう話しを聞くと、チョイとつらくなってしまう。。。

「でもね、ご飯はちゃんと食べてるから、まだまだ大丈夫」
そんな風に言っていたので、ちょっと安心なキモチもあった。

今日、近くまで来たので地域猫の縄張りへ行ってみたら、
いつもの場所で地域猫が寝転んでいた。

元気になったみたい。

この間のような平たいタオル状態じゃなかった。
まだ毛艶は戻ってないけど、起き上がって毛繕いをしている。

なんという強さ。。。

一番最初、植え込みの中で佇んでいる猫を見つけたときは、
飼い主に置き去りにされたのでは、と思った。
ずっと同じ場所で待ち続ける忠犬ハチ公のように、
木の根元にお狐座りで来る日も来る日も佇んでいた。

男の人が通りかかると、甘えたような声で近づいていく。
でも、女の人には近づかない。
飼い主さんが男性だったのかなあ。。。と

それが数年前のこと。
まだ我が家のにゃんこ先生も健在だったとき。

保護して里親を見つけた方がいいんじゃないか、と最初は私も思った。
で、にゃんこ先生のご飯を失敬して、
何度かゴハンと水を持っていったりしたけど、
見知らぬ私を警戒して逃げてしまうばかり。(笑)

お世話係の人と一緒にいるときは撫でさせてもらえるけど、
独りで地域猫のそばに行くと、「シャー!」と怒られる。
でも、それでいい。
巷には色んな人がいるから、誰でも懐いてくっついていったら危ない目に遭う。

動物写真家の岩合さんが「自由猫」と呼ぶように、
彼は立派な自由猫。

彼は本当にすごい。
過酷な夏や冬、雨、風、雪を耐えて、
自由に飄々と生きている。
誰の束縛も、部屋の中に閉じ込めておくこともできない。

子猫の時代からお世話されてる方々がいて、
毎日、朝から昼、晩、そして夜中も、
天気が悪い日や寒い日は夜中に何度も避難場所を作ってやってる。。。

私などは時々、地域猫の姿を見かけるくらいの傍観者にすぎない。。。
そんなだから、勝手気ままにご飯をあげたりして、
近隣の迷惑になるようなことはしない。
いつもお世話している方々の邪魔をしないように、
彼が少しでも自由にのびのびと生きていけることを望む。
でも、見かけたら、愛情を示したくて名前を呼ぶ。
そしてちゃんと呼びかけにまばたきで返してくれる地域猫。

今日は会えてホッとした。

もうちょっとゆっくり休んで、元気になるんだよ。。。





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by nazunanet | 2018-04-16 17:16 | | Comments(0)

「袋もの屋 薺nazuna」と「nazuna_antique」作家兼店主の日々のあれこれ。布のこと 麻のこと Antique FOOD 古道具 手仕事する人々のこと 


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