フィレンツェの旅 その2 メディチ家由緒のホテルで不可思議&恐怖の一夜

前回のフィレンツェの記事を読んでいて、
ふと、思い出した。
不可思議で、恐ろしくも妖しく、
美しくもあった夜のこと。。。
(ご注意。ちょっと怖いかもしれないので。。。)

旅行に行くときは、その間、友人夫婦がにゃんこ先生を預かってくれていた。
臆病な大きい猫の面倒を快く引き受けてくれていたので、
2週間弱の旅を満喫できていた私たち。

でも、長くにゃんこ先生と離れ離れになるのが寂しくて、
行きの飛行機の中でも「今頃どうしてるかなあ」とそればっかり。。。

当時、今のような格安航空もなく、
一番割安だったのがアリタリア航空。
ボロボロな状態でも飛んでいたのも有名で。
壁のコンセントからコードが出っぱなしとか、
映画を観たくてもイヤホンが壊れて使えない、
上の荷物入れの蓋がちゃんと閉まらない、などなど。。。
でも、一番格安だったので文句は言えない。

ミラノからフィレンツェへの国内線の乗り継ぎで何時間も待たされて、
ようやくフィレンツェの郊外にある空港へ到着したのは、
日をまたいだ未明の真夜中。
ラゲージエリアでトランクを手にした客が、
次々と猛ダッシュで出口へ向かって走っている。
「なになに~?」
何事かと思うほどの勢いに、私たちもワケも分からないままに
トランクを引きずりながら猛ダッシュで彼らの後を追う。
出口にはタクシーが待っていて、
次々に走っていった客はタクシーに乗り込んでいく。
あっ、もう一台しかない!
後ろから迫ってくる年配のおじさんを振り切ってタクシーに乗り込んだ。
「旧市街まで」とホテルの住所と地図を見せる。
タクシー運転手はイタリア人タレントのジローラモ氏にそっくり。

携帯を片手に猛スピードで運転。
前の車との車間距離は数十センチといった具合。
恐怖で凍り付く私とダンナさん。
そんな状態でも片時も携帯を離さず、
「プロント、プロント」とずっと早口でおしゃべりに熱中。
自分がイタリアに住むとしたら、こんな人達と運転を競いたくない。
ここでは運転なんて絶対にできないと思った。(笑)

電話でのおしゃべりに夢中のジローラモ(?)だったが、
スムーズに迷うことなくホテルまで連れて行ってくれた。
ホテル入り口に荷物を運んでくれて、
建物を見上げ、「メディチ、ヒュ~~」と口笛を吹く。

「チャオ~」と陽気に去っていくジローラモのタクシーを見送り、
ホテルへ入っていく。
入り口は狭く、建物的にも大きいわけではないけれど、
中へ入ると奥行きがあるホテル。
内装は新しくなっているとはいえ、
中の造りは確かに中世からの歴史が感じられる。

ルネサンス期にフィレンツェを治めていたメディチ家の
邸宅の一つだったと旅行会社のホテルガイドに書いてあった。。。

でも、そもそも、このホテルに泊まる予定ではなかった。
旅行会社に飛行機のチケットとホテルの予約だけをお願いして、
ホテルのリストから第一候補から第三候補を選んで担当者に渡した筈なのに、
決定事項として出てきた書類に、選んでないホテル名が書いてあった。

「あの、ここは選んでないですけど・・・?」
と尋ねたら、担当者が突然声を荒げて、
「ここしかないんで、ここでお願いします!いいですか!」
と何故か怒っている。。。
「は、はあ。。。」
と私たちはあまりの勢いにキョトンとしたまま。
まあ、そこでもいいんだけど。。。
というわけで、半ば強引な感じでそのホテルに滞在することになった。

旅行は好きだけど、私もダンナさんも団体旅行が苦手。
短い日程の中で時間を小刻みにあちこち大急ぎで巡るよりは、
一か所滞在型が好き。
その街に暮すように旅をしたい。
なので、エアチケットとホテルの予約だけを旅行会社に依頼して、
やって来た花の都”フィレンツェ”。

空港からのタクシー争奪戦が恐ろしかったので、
ホテルまでの送迎も予約しておけばよかった、と思いつつ。。。
チェックインしたのは真夜中で、
レストランもカフェやバールも閉まっている。
夕食もありつけないで空腹のままだったけど、
もうクタクタで、すぐにベッドで就寝。。。

と、真夜中、ふと目が覚めた。
真っ暗な中で妙な気配が部屋中に漂っている。
「なんか怖いよ~」
と隣のベッドのダンナさんを見ると、
ぐっすり眠っているけど、うう~ん、うう~んとうなされている。(怖)
起き上がって彼を起こそうとした時、
突然、金縛りになって全く身動きが出来なくなった。

声を出そう、起き上がろうともがいている間に、
部屋の空間という空間に、中世の貴族の人たちがびっしりと出現。
あまりの光景に驚いてビビッていたけど、
(真っ暗闇で見えない筈なのに、カラフルなドレスや衣装が綺麗。すごい。。。)
などと何故かマジマジと観察。(笑)

リアルな人間そのものな感じじゃなくて、
ルネサンス絵画からそのまま抜け出してきたような感じ。

(なんだ、これは。。。こんなの初めて見た。不思議だなあ。。。)

まさに絵画に描かれた人物たちが動いてしゃべっている。
二次元的というか、ストップモーションアニメのような。
なので、怖さもほんのちょっと和らいでるというか。。。(苦笑)

でもこんな体験したら怖いことには間違いないので、
心の中で「助けて~、神様仏様~」とひたすら祈る。(笑)

すると突然私の胸の上に、
ふんわりとした柔らかいものがそっと乗ってきた。
その気配、その重さ、その柔らかさ、間違いようのない存在感。
(にゃんこ先生!)
姿は見えずとも、その気配と感触は確かにそう。。。
思わず心の中で叫んでしまった。

それと、にゃんこ先生が喉をゴロゴロ鳴らして私の上に乗った瞬間、
(にゃんこ、可愛い~!)
という気持ちが反射的に湧きおこった途端、
身体がわずかに動けるようになった。
そしたら部屋中にびっしりといた怖いものが全部いなくなって、
金縛りも完全に無くなった。
と、同時ににゃんこ先生の気配も消えてしまった。

ベットサイドの灯りをつけて、
「起きて、起きて!」とダンナさんを揺り起こした。

目を覚まして驚くダンナさんに、これまでの経緯を説明した。
にゃんこ先生が天使になって助けてくれたんだったとしたら、

「にゃんこ先生に何かあったのかもしれない!」

と半ばパニック状態ですぐに日本に国際電話を掛けて、
にゃんこ先生を預けている友人に、
「にゃんこ先生はどうしてる?何かあった?!」と聞いてみた。
友人はキョトンとして、
「どしたの?ぐっすり寝てるよー。元気だよー」と。
突然のことで驚いていたけど、心配しなくて大丈夫だよと言ってくれた。

あれは何だったんだろう。
にゃんこ先生は確かに、私を助けに来てくれたと思う。。。

とダンナさんに言ったけど、彼はちょっと苦笑い。
今でも半信半疑だと思う。。。

ホテルで怖い思いをしたのはその夜だけで、
あとは楽しい日々ばかりで、
旅の間はすっかりそんなことも忘れてしまった。

我が家の巨猫さんが”にゃんこ先生”と呼ばれるようになったのは、
そういう不思議な出来事があったからで。

大きなふわふわの猫に変身して、時空を超えて助けてくれたのかな~。
「夏目~」なんて。。。(笑)

あれは私の妄想なのか、夢なのか今となっては定かでないけど、
確かに当の本人(猫)は全く自覚もないようで、
それ以降も相変わらずの食っちゃ寝の巨猫のままだったし。。。

たしかにあの一夜はあまりに驚いてしまって怖かったけど、
日本にはない、濃厚な歴史の詰まった時間の幻影を見たのかなとも思う。

見事なまでに美しかった。
何故なら、ボッティチェリの絵画がそのまま抜け出して来ていたから。
”生きた”ルネサンス芸術そのもの。。。
あの濃密で豪華絢爛な中世ルネサンスの息吹を
”ライブ”で見て、感じられたなんて、
なかなか体験できるものじゃない。。。
貴重な体験になったのかも。(喜)

また行けたらいいなあ、フィレンツェへの旅。。。





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by nazunanet | 2018-02-21 18:25 | 旅と街歩き | Comments(0)

「袋もの屋 薺nazuna」と「nazuna_antique」作家兼店主の日々のあれこれ。布のこと 麻のこと Antique FOOD 古道具 手仕事する人々のこと 


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