アンティークの藍染帆布とオーガニックコットンのこと

今週はひたすらチクチク縫う日々。

去年はあまり製作が進まなかったので、

今年は精力的に色々やっていきたいと思ってもいる。

気持ちは高まっているとしても、作業は一針一針、と確実に進めていく。


前に、状態の良い藍染の厚手布を見つけたので、

これでずっとバッグを作りたかった。

現在市場で出回っている帆布よりも織り目が詰まっていて、

薄手ながら丈夫でしっかりとした後染めの藍染め木綿。

(藍染布は、糸の段階で染めて織られたものや、

生成り糸で織ったものを晒してから藍染するものなどある。)

タイプライタークロスのような密な織りの布を、

殆ど黒に近いほどに繰り返し染められたもの。

その手間を考えると今では容易に手に入らないものだと思う。

 

薺nazunaを始めてから、このような藍染布はあまり見たことがなかった。

古布は基本、着物や半纏に使われていたものが多く、

そういう衣料用に織られたものを解いて、

または解いた反物やハギレを袋ものに仕立て直すけど、

この厚手木綿は、衣料用とは違う、別の用途で作られた布だろう。

道具や大きな荷物をまとめる際に使った大風呂敷なのか掛け布だったか。。。

そういう日用の道具のものは、衣服と違って酷使されることが多く、

状態の良いまま残っているものは少ない。

同様に、醤油や地酒の仕込みで使われる酒袋も、

古布の市場に出回る頃には布自体にダメージがあるものも少なくない。

美しい艶と味わい深いこっくりとした色が魅力の酒袋だけど、

はっと目をひく色艶と、布自体の状態も良いものが手に入ることは

なかなか無いので、見つけたらとても嬉しくなってしまう。

そんな酒袋も、元は白い生成りの厚手木綿の生地。

もろみや麹などを仕込む際に、抗菌として柿渋で染めて使用されて、

年月と酒やしょうゆの成分が天然の染料となって、あの色と艶が生み出されたもの。

この厚手の藍染布も、そういう酒袋用の厚手布を製造していたような

織り元が作ったものなのかもしれない。

藍染で染められたものは虫が喰わないというので、

防虫用に染めて使われたのだろうか。

 

何にしてもそれを手に入れた時から、まずはバッグを仕立てようと決めていた。

厚手のものと、しなやかな布、2種類の藍染の布を使うことで、

それぞれの布の手触りの違いや良さがはっきりと感じられるように。

 

内布には(やっと見つけた!)、

薬品を使わずに昔ながらの力織機で織られた木綿の布。

オーガニックの綿から糸を紡績して織られたもの。

通常では糸を機械で織るときに滑りの良いように切れないように、

薬品や糊をつけて織るのがセオリーの業界の中、

薬品は一切使わずに切れ易いならゆっくりと織れば良いと、

年輩のご夫婦二人っきりで切り盛りされて織られている布。

(奇跡のオーガニック木綿と心の中で呼んでいる。)

 

バッグの内布に使うために、昔に織られた生成りの麻や木綿のデッドストックを

探して仕立てることにしていたので、労力も時間も掛って大変だった。

でも、このオーガニックの生成り生地を見つけて手を触れたときに、

「なんて柔らかくて心地良いんだろう!」と驚いて、

製造工程のこだわりを知って、更に感激して。。。

この布が手に入るから、もうデッドストックの生成り生地を探さないでいいんだ、

と安堵したのは勿論のこと。

 

布は、生成りの状態が一番布の質を確かめられる。

染めると若干染料が載るので多少ゴワゴワするし、

白生地も、自然のままのものを白く漂泊するので生地の手触りが違ってくる。

 

小物入れは特に、大切なものを仕舞ったり、

いつも肌身離さず持っているものとして使うので、

手にしたときの心地よさを重視して素材選びしているので、

バッグや袋ものも手にしたときに、

それこそ細胞が喜んでくれるものを作りたい、とも思う。。。(オーバーな?)


でも、確かにこれまで薺nazunaでご注文して下さったり、

代官山のSTORさんで実物を手にされたお客さまの反応は、

本当に心から喜んで下さって、

(今は実店舗を閉店されたけれどweb shopオープンしてます)

当時、storさんは、

「薺nazunaの商品を気に入って買っていかれるお客さんは、

他の商品を買っていかれるお客さんとは明らかに全然違う反応をされる」

とビックリしたとおっしゃって下さった。(感謝!!)

 

それは”物との相性”というのもあるからだと思うんだけど、

薺nazunaで意図してこだわっている部分が、

お使い手の方の好みとドンピシャと合ったときに、

きっと相乗効果で嬉しくなるのかもしれない。。。

 

薺nazunaでは大量に作れないけれど、

他にはないような珍しい素材や質の良い素材を少しずつ手に入れて、

少しずつ作っていく。。。

(物理的に自分でデザインして自分で作るので当然といえば当然なのだけど。。。)

いいなと思う素材を見つけて、是非、これで作りたいと思うものをまず作る。

そういう素材は、ほんの少しずつしか手に入らないので、

一気に布を使い切って作ってしまうことは、まずない。。。

一度仕立てて、今度は違う素材同士を組み合わせたり、

またはアイテムを変えて、その素材をゆっくりと、味わいながら使って仕立てる。。。。

つくる度にその素材の良さを引き出させてあげられるといい、と思う。

 

新しいアイテムの完成まで、もう少し。。。


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by nazunanet | 2018-01-25 23:50 | 布のこと | Comments(0)

「袋もの屋 薺nazuna」と「nazuna_antique」作家兼店主の日々のあれこれ。布のこと 麻のこと Antique FOOD 古道具 手仕事する人々のこと 


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