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和紙で織られた布 その2 ~過去の作品から~ そして布のこと

和紙をこよりにして、柿渋染、または漆塗りした布、長門(ながと)。

この珍しい古布は、

薺nazunaを始めてから一度だけしか出会ってない。。。

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紙布というものを何度か見たけれど、やはり全く違う。

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織り糸の一本一本が和紙を紙縒りして柿渋で染められている。

もしくは漆がかかっているようにも思える。。。

和紙を糸にする工程は素人目にも手間のかかったもので、

かなり堅牢なもの。とても紙とは思えない。

そして綾織りにされた網代織がまた趣味人的な仕上がりで美しい。


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手元にあった柿渋染のおお麻の布を合わせて。

この「おお麻」はサンベという、韓国の手織りの大麻布。

それを柿渋染したもの。

韓国にはまだ一度も行ったことがないけれど、

こうした麻の織物が今でも市場に出回っているのだと聞くと、

麻好きとしては少々羨ましい限り。


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柿渋と藍染は、かなり好きな色の取り合わせ。

麻は麻素材同士を合わせると、縫いやすいし、布同士の折り合いがいいと思う。


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桜材の手彫りの留め具、革紐、アンティークビーズ。。。

この異素材の取り合わせが小物入れのシンボル。

小物入れ、また作っていきたいと思う。。。



こういう珍しい布についての思いを少々。。。


やはり、色々な文献や古布の背景を知るにつれ、

日本は古来から山岳地帯の多い国土で、

綿の栽培は近世になってからのようで、

気候風土などで、綿花の栽培は温暖な地域に限られて、

東北などの寒冷な土地では大麻繊維のほか、

沖縄、琉球地方では芭蕉の繊維、

そのほか、全国域でも葛や楮、苧麻、

あらゆる植物を繊維に試して、

衣類や布製の日用品を作っていた模様。。。


当時は、特権階級や上流階級、裕福な商人などは

絹織物や木綿の衣類が手に入ったろうけど、

貧しい庶民や農民の多くは、絹や木綿の衣類を身に着けることがなかったそうで。

柔らかな絹や木綿の布が手に入らない貧しく厳しい環境の中での

衣料繊維を確保するには、

想像を絶するような苦労と工夫だったと思われる。

今となっては、皮肉なことにそれらの繊維で作られた布は

庶民にはなかなか手が出せないような

大変貴重なものになっているものもある。。。

(芭蕉布などは大戦直前まで庶民の野良着で、

雑布のような扱いもあったそうだけど、

今では着物一枚で高級車が買えるくらいに珍重されているようだし。。。)


長く丈夫な繊維を採るために、

草だけでなく、樹木の樹皮や蔦なども。

京都の北の地方では、藤の木などもなめして繊維にして布を織っていた。

(堅い樹皮を糸にする作業はどれほどのものだっただろう。

その藤の布も今では幻の貴重で高価な布。)


そんな創意工夫の日本の先人たちが、

和紙を糸にする技術の高さは凄いものだったんじゃないか、と。

代々研鑽していったに違いない。。。


大陸から木綿が大量に日本に出回るにつれ、

それらの布は無くなっていったようで、

なんだか非常に残念のようでもあるし、

苦労しないで布が手に入って良かったね、とも思うし。。。


布を生み出すのは、ずっと女の仕事だったようなので、

(そういえば日本の女神アマテラス神も機織りの神。。。

布や絨毯を織るって、そういうルーツなのかも)

農作業や家内作業、家事育児、様々なことをこなしての、

繊維の元を栽培したり採取しするところからの布制作。。。


時々、そういう苦労の末の布なんだろうなというものを

手にするときがある。

今回の「長門」や、

以前山ぶどうの持ちてのバッグで使用した「しな布」も、

しなの木の樹皮で作られた布、

東北の「南部麻」も農閑期や日常のわずかな時間の合間に、

少しずつ作られてきた、まさにそんな貴重な布。


そういうものは、とてもすぐにハサミなど入れられるものじゃない。

どこにでもあるものなんて作れない。

これぞ!、というものでないと。

なので、「長門」のアイテムはまだ二つしか作っていない。。。


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by nazunanet | 2017-09-14 16:52 | 小物入れ | Comments(0)

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