2017年 05月 29日
久々に、手縫いシャツのことを書いてみる
シャツやチュニック、それからメンズシャツを作った。
わざと芯を入れないで縫うのが最近のお気に入り。。。
普通だったら邪道かもしれないけれど、
洗濯を繰り返したり、どんどん使い込まれていくと、
妙に、中の硬めの接着芯が浮いてきて、表布と違和感が出てくる。
生地は極上の麻、糸も絹という風に自然素材でこだわっているのに、
接着芯が合繊で接着剤付きなのはどうかなあ、と。
芯なしをたまたま作ってみたら、なんだか着心地がとても良くて。
それからは接着芯無しでばかり作るようになった。
猛暑の夏に、素肌に羽織ると気持ち良さそうなので、
ダンナさんにも芯無しのリネンシャツを縫った。
でも、ピシッと着るシャツではないので、これでいいのだ。
それこそ洗いざらしのシワシワ感のあるシャツをふわっと羽織って貰いたいので。
本当に気持ち良いのです。。。
ボタンホールは絹糸で作る。
我流なので、本当はこんなんじゃないと思う人もあるだろうけど、
何枚も作ってみて、今のところ、一番良い感じの方法なので。
ボタンホールは最初は絹の穴糸を使ったけれど、
それでは糸目が大きすぎる気がして、あまり好みではなかった。
その後、絹の手縫い糸にしたら、まあまあ、良い感じに。
でも、細番手のシャツだったら、絹のミシン糸でも良いくらいだと思っている。
ボタンホールはサイズを測って、布に一文字の印をつけたら、
その線から1.5mmくらいの周囲をぐるりと、
かなり細かめの針目キッチリ縫っていく。
それから穴かがりの芯になる糸を上下に渡して、
細かに縫った縫い目に沿って糸足を揃えてボタンホールステッチをしていく。
単にひっかけるようなブランケットステッチではなく、
かがり目が結び目になるボタンホールステッチでかがるのがポイント。
ボタンホールが手縫いで上手くいかないのは、
次に出す針の場所が離れてしまっているとガチャガチャになってしまうので、
ゆっくり丁寧に、ステッチの細い糸が綺麗に並ぶようにするのがコツ。
ワタシはステッチが終わってから、ホール部分の切り込みをノミなどで開けます。
細かくギッチリとステッチしてあるので、
あとからホール部分の線をカットしてもほつれることは全然ないです。
リネンのホワイトワークの刺繍のような感じというのかな。
最初から穴を開けても布がよれないくらいに
厚みのあるものはセオリー通りでいいのかも。
ハサミでカットするのは綺麗に仕上がらないので、
ボタンホール用のノミがあれば言うことなし。
ワタシはデザインカッターの平刀なども使います。
最初は「シャツ本体なら楽に作れるのに、最後のボタンホールが~~」と、
手縫いシャツ最大の難関のように思っていたけど、
やり続けていくと、ある種、刺繍のような感じで楽しくなっていき、
最近は非常に楽しい作業になってしまった。
でも、コートやジャケットのボタンホールはまだこれから。
今度は冬物素材のボタンホールにもチャレンジしてみよう。。。
余談;
普通の大手手芸店の生地売り場には、
メンズシャツに向いた生地が売っていないのが残念。
神田などの紳士服専門の副資材屋さんだとあるのかもしれないけど。
シャツ用の細番手の生地自体、
海外輸入の高級服地屋さんでないと少ないし、しかも高い!
ハンドメイドブームというけれど、
服地屋さんは以前よりも減っている気がする。。。
洋服自体、ハンドメイドする人が殆どいないんだろうなあ。。。
「買った方が綺麗だし、安い。」
まあ、その通りなんだけど。
でも、既製品のリネンシャツと手縫いシャツを比べると、
着心地が全然違うので、どうしても作りたくなる。
布も好みのものを選んで作れるし、
着丈や袖丈も合わせられる。
通常も手縫い仕事をしているので、なかなか時間が取れないけど、
楽しいのでやめられない。