2017年 10月 23日
絹を水洗いするということ ~追記:ウール製品の手洗いも~
木綿帆布やリネンのバッグなどは、水洗いできるように仕立てている。
使って汚れてしまったら洗いたくなるのは当然だし。
これからは絹布を使った場合でも、
なるべく自宅で洗えるようにしたいと思う。
母屋のHPのおしなものページの、
長門の小物入れの詳細に、
絹のことを少し書いていたけれど、
-------------------------- 以下は抜粋 -----------------
絹は弱いと思われがちですが、意外に強い素材でもあります。
*余談ですが、絹はその昔、ヒマラヤなどの氷の絶壁に挑む登山家の命綱でもありました。
細い絹糸が沢山寄り集まって縒られた綱はどんなものよりも強靱だったようです。
パラシュートの布も、昔は絹製の布で作られていたそうです。
本来は絹という繊維は水をくぐればくぐるほど強くなるといいます。
水洗い出来る絹こそ、本物の絹かもしれません。
-----------------------------------------------------------確かに、絹糸の撚り合わさったものや布を水に通すと、
より強靭なものに変わったと聞いたことがある。
でも、絹製品の衣料品など殆どが水洗いではなく、
石油系溶剤の中で洗うドライクリーニングでお洗濯を、と指定してある。
でも、江戸時代はドライクリーニングなど無かったわけだし。。。
袋ものに使う古布のはぎれや、着物などは解いて、
水に中性洗剤を溶かして洗っているのだけど、
大抵のものは水洗いしたからといって、
色が変色したり縮んだりということはなかった。
勿論、水に濡れて様子の変わってしまうようなものは、
基本的に素材として避けているからだけど。。。
戦後など物資の無かった時代に作られたものなどは、
濡れてしまうとたいそう縮んでしまうものが多く出回ったと聞いたことがある。
染色の際の色止めや、洗いが充分になされていないものや、
または、布を織る最初の最初、糸を紡績する時に、
薬品を用いているものなどは水で洗ってしまうと、
形や色が崩れてしまうものがあると。
あと、時代を経て黄変したり変色したりも。。。
生糸をひくときに、水だけでひく職人さんが少なくなったからと、
随分、昔に父から聞いたことがあった。
薬品を使ったり、洗いが充分でない絹生地は、
水洗いが出来ないんだとか。。。
(この辺は私自身の知識が専門的ではないので、
間違っていることもあるかもしれませんが。。。)
でも、絹も木綿や麻と同様に水洗いした方が、生地自体が傷まないし、
溶剤で洗うと臭いが鼻につくし、
ふんわり感も無くなって、繰り返せば繊維がどんどん痩せてくるというし。。。
ただ、思案中なのは、
絹の水洗いするときの洗剤は、
今はドライマーク用の中性洗剤だけど、
どういった洗剤が一番ベストなのか。。。
でも、石鹸で洗うのだけは良くない。
絹のセリシンや天然素材で染色されたものなどは特に、
完全に成分が変化してしまうので絶対に石鹸で洗うのはNG。。。
江戸時代は植物の種や米のとぎ汁、灰汁などで洗濯していたそうだけど、
う~む、どうなのかなあ。
絹の水洗いと洗剤は、ちょっと宿題ということに。
余談。。。
大事なセーターもなるだけ水洗いすることにしている。。。
お気に入りのセーターなどは、
特別仕様のドライクリーニングに出したりしていたけど、
仕上がりはぺったんこ、溶剤の臭いが気になって。。。
風合いも違ったものになってしまった感じだったので、
思い切って、その後は自宅で手洗いしてみた。
最初はウール用洗剤で漬け置き洗い。
平干ししてアイロンで仕上げたら、かなりいい感じ。
二回目は、重曹を水に溶かして漬け置き。
これもいい感じ。
ふんわり感が元通り。
でも、気をつけないといけない。。。
ウールは上手に洗わないとケモノの臭いというか、
アンモニア臭が出てくるそうなので。
手紡ぎ毛糸の手編みのニット帽を中性洗剤で洗濯したら、
まさに羊のお尻のニオイになった。(笑)
イタリアの農家の女性が自分の飼っている羊の毛を刈って、
毛糸に紡いで手編みしたものだったので、
もしかしたら、毛糸の脱脂が不十分だったのかもしれない。
純石鹸だとウールも洗えるそうだけど、
ウール製品の手洗いは絹と同様に、ちょっと冒険ではある。。。